浅草の十和田蕎麦屋に取材。東京ではココでしか食べられない、個性的で美味しい暮坪そばがある
そのお蕎麦屋の女将は、
伝説の街おこしの、
女将でもあった。
\\第二弾の取材インタビュー記事//
浅草のお蕎麦屋「十和田」の、伝説の街おこしのおかみ、冨永照子さんの自身2冊目の書籍「おかみの凄知恵」、絶賛発売中!!!
浅草の蕎麦屋、十和田・浅草すしや通り店。
日本初のおかみさん会を創り、二階建てバスを走らせたり、浅草サンバカーニバルを開催したりして、数々の浅草の街おこしに貢献した伝説の女将、冨永さんがいるお蕎麦屋である。
今日はその十和田・浅草すしや通り店におじゃました。
二階建てバスや浅草サンバカーニバルが誕生したきっかけはなんでしょう。
浅草の街がさびれかかっていたからです。1964年の東京オリンピックまでは、浅草は東京でも有数の盛り場だったのです。映画館もさまざまなお店も賑わっていました。
ところが東京オリンピックになったら、新幹線はでき、高速道路はでき、便利になり、浅草に来なくてもよくなってしまった。あれよあれよという間に、ゴーストタウン浅草と、マスコミが書くようになって。
こりゃあ、何とかしなくちゃと、浅草の女将さんたちが組織を創りました。名称を何にしようかと迷っているときに、作家の故井上ひさしさんの奥さまが台東区とご縁があって。ひさしさんのアドバイスで、奥の方に引っ込んでお仕事をしているのが奥さま、自分で調理場に立って、自分で行動をおこせるのが女将だから、という理由で、“おかみさん会”という名になりました。それが1967年です。
おかみさん会でまず何をしようかと。そこで浅草の観光案内図を創りました。
その後、イギリスのロンドンを真似て、二階建てバスを浅草地区に導入しました。すごいブームになって、全国から飛行機に乗って、二階建てバスを乗りにくるんですよ。よそにないものをやる!あればそれ以上のものをやるのが、街おこしの原点ですね。
次に、故伴淳三郎さんが阿波踊りはどうか、という案を出したのですが。それは古い、リオのカーニバルがいいということで、浅草サンバカーニバルが生まれました。そのとき、人集めとかで、私たちおかみさん会が貢献しまして、今でも続いています。
その次が、ニューオリンズジャズ、そして浅草寺のライトアップなど…。
次々に必要に応じて、必要なことをやってきたのが、私たちおかみさん会なのです。
浅草・十和田は、東京でたった一軒しか創っていない暮坪そばでも有名である。
岩手県遠野市暮坪地区で400年にわたり伝えられ栽培されてきた暮坪かぶ。そばの幻の薬味で食する、暮坪そば。
暮坪そばは、お菓子屋から転業した私が、1970年からはじめました。
暮坪のことを描いたグルメマンガ「美味しんぼ」が人気になったり、暮坪かぶを栽培する暮坪地区と隣接する街とご縁があったりして、浅草・十和田の暮坪そばが生まれました。
商売も街おこしと同じ、よそにないものが原点なんです。
これからの浅草は、どうなっていくと思いますか
浅草の景色は、墨田川と観音様しかないのだから。これからは大衆芸能の街を目指したいと思います。
ビートたけしさんなどが浅草から出てきたり、浅草は大衆芸能のこころを忘れてはいけない。
食べものは、浅草といえば昔は老舗だったけれど、今はいろんなチェーン店が出てきたり、いろんな新しい食べものが創られたり…
青山とかは若い人が好きじゃないですか。
たったひとつ、勝てるのが大衆芸能だと思う。
こうしたモチベーションは、どうやって生まれるのですか。
毎月、この街はイベントがあります。いつもいつも何かをやっている街になっています。そういうイベントを2~3千円のドリンクで楽しめるような街にしたい。その想いがモチベーションになっています。
浅草のお蕎麦屋さんが全国区になるためには、何が必要だと感じますか。
やはり味と特徴をもっと出すことです。
先日、浅草で出前イベントというのを開催しました。大盛況でした。
日本の出前の原点は江戸、東京です。
14世紀にパリで出前が始まり、次にローマ、そして3番目に江戸そばです。
そば居酒屋という形態も魅力的です。
私たちは、常に全国のおかみさん会で情報交換をしています。
伝説の女将の熱い熱いインタビューが終わると、伝説の暮坪そばが出てきた。
「ほーっ、これが噂の暮坪そばか。」
暮坪かぶが栽培されている暮坪地区は、岩手県遠野市にある。暮坪地区の土でないと「爽やかな独自の風味」は出ないとまで言われている、伝統の野菜。丸いかぶではなくて、長根の白かぶのカタチが特徴である。
まずお蕎麦のみを食してみる。つるつるでしっとり感が出ている。
お店の人が暮坪かぶを見せてくれる。
カタチは、大根にそっくりだ。大根おろしのようにおろして、薬味に使う。
そして一口食してみる。
淡い甘味や爽やかな風味があるが、全体的にさっぱりとした食感だ。
東京に一軒しかない、貴重な暮坪そばを食べることができるお蕎麦屋、浅草・十和田。
お肉やお魚料理だけでなく、お蕎麦の食感を味わうのも、これはもう本格的なグルメのひとつだと感じる。
僕たちには、日本の、そして東京・台東区浅草のお蕎麦がある。僕たちは、あらためて日本人に生まれたことを、こころの奥で喜びあいたい。
\\第二弾の取材インタビュー記事//
浅草のお蕎麦屋「十和田」の、伝説の街おこしのおかみ、冨永照子さんの自身2冊目の書籍「おかみの凄知恵」、絶賛発売中!!!
店舗情報
十和田 すしや通り店
住所:東京都台東区浅草1-13-4
電話番号: 03-3841-7375
営業時間:
[月~金]11:30~15:30(L.O.15:15)/17:00~22:30(L.O.22:15)
[土]11:30~22:00(L.O.21:45)
[日]11:00~21:00(L.O.20:45)
交通手段:
つくばエクスプレス 浅草駅 徒歩3分
東京メトロ銀座線 田原町駅 徒歩4分
東京メトロ銀座線、東武伊勢崎線 浅草駅 徒歩5分
都営地下鉄浅草線 浅草駅 徒歩7分