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食べる

【取材】稲荷町駅近く。クリエイティブに甘さが宿るスイーツ界で注目のコンフェクトコンセプトのオーナーシェフ 遠藤氏

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食べるだけで、
泣きそうになる。
そんなスイーツを、
好きになりました。


消えそうな繊細という夏の甘さ、
それがムース・エキゾチック。





ムース・エキゾチックは、繊細で、シンプルで、涼しげで、まさに夏そのもののスイーツだった。

ひと夏が終わる。甘い季節が終わる。遠い日のような記憶になる夏を抱きしめてくれる、やさしいスイーツ。

それが、ムース・エキゾチックだと、僕は想う。

僕は、そんな、スイーツを好きになった。

夏を想う、食べるだけで、思わず泣きそうになる。人は、そうして、少しずつ大人になっていく。

「コンフェクトコンセプト」は、地下鉄、銀座線の稲荷町駅から浅草方面に歩いて約4分のところにあった。

外観

「遠藤オーナーシェフは、パティシェの修業中に、オープン直後のグランドハイアット東京に入り、スイーツで何度もコンテストに入賞してきたそうですね。」

仕事では得られないくらい、コンテストに関してはいつも考えていたりとか。
1から考えて、ひとつの作品になるまで何度もやりとおしたり。普通に仕事をしているより、何倍もたいへんなので。
それを最後までやるということが、優勝に関係なく、しなきゃいけないというぐらいの意気込みでやりました。
必ずクリアしていかなければいけないと思いましたね。

スイーツコンテストに出品することで、自信につながる前に、自分がどれだけ実力がないかとか、最終的なとこまで持っていけるチカラがないとか、そういう思いを実感できましたね。
そしてやっと入賞できて、ようやくちょっとできるようになったんだな、という感じが生まれました。

「その後のフランスでの修業で、ご自身は、どのような成長をしたと感じましたか。」

いま日本のスイーツ界は、いろいろと作っていますが。
日本のケーキは固定的というか。作っている人たちって、本人もどういうものが好きで、どういうお菓子がいいとかが、別にあるわけじゃないんだなと感じていたので。
行く前から、どういうものを学ぼうか、と準備をしていました。仕事中も、どういう感覚で仕事に向きえばいいかとか。
どのくらいの思い入れがあればいいのかを、知りたくてフランスに行きました。フランスでは、文化とかに影響を受けましたけど。
気取ったお菓子とかではなくて、カジュアルに食べるということについては、たいへん影響を受けました。

「遠藤オーナーシェフの、スイーツ作りのこだわりはなんでしょうか。」

香り、食感、水分ですね。いまのお店のスイーツのレシピ作りでも充分、活かされています。

今年の夏の新作、ムース・エキゾチックは、どのようなヒントから生まれましたか。

子どもの日に、子どもが食べやすいフルーツを合わせて、混ぜて、最初は子どもに向けて作ったスイーツだったのですが。
アレンジして、もうちょっと高級的に、大人向けにも作りかえてみました。だから、夏の大人にも美味しい、魅力的なスイーツに仕上がっています。
最初は、子ども向けとして、パイナップル、マンゴー、バナナを入れたのですが。それが意外と美味しくて。
大人用としても、商品化してみようということになって、ムース・エキゾチックが完成しました。

「商品化にあたって、どんな点に苦労しましたか。」

まずカタさですね。それと水分ですね。水分が多いと、カタチが崩れてしまうので。
でもあんまり水分をなくしても、味も、香りもなくなっちゃうし。
だから、水分調整がたいへんでしたね。夏のケーキじゃないですか。だから、瑞々しくなくてはいけないし。夏は暑くて、持ち運びに崩れやすいし。矛盾しているんですけどね。

「ムース・エキゾチックを、どのように味わっていただきたいですか。」

けっこう複雑な味なので、食べていくと、味がいろいろと変わっていくんです。
それとともに、いろんな食感が入っているので。変化のある味わいとしなやかな食感をじっくりと楽しんでほしいですね。
ムース・エキゾチックの人気の秘密は、艶やかかな透明感のあるゼリーをかけることで生まれる涼しい雰囲気に、さらにフルーツを南国系でまとめたことにあります。
すっきりと、さっぱりとしている印象が、特に女性には好まれると思っています。専門店のムースケーキで、作りこんでいる味なので、興味を持ってくれると感じています。

「ムースという、スイーツの魅力ってなんでしょう。」

軽さですね。ゼラチンによる、やわらかい軽さですね。それと香りです。
軽さと香りが、ムースのイノチですね。想像以上に酸味がありますから。その酸味と香りを、お口の中で鮮烈に感じてほしいですね。

「スイーツの商品化にあたって、いつもどのような情報収集をしていますか。」

フルーツの旬のものは、すでに頭の中に入っています。
それにプラスして、スーパーでもみかけるものにも気をつけています。旬のフルーツをなるべく早くスイーツに使うと、お客さまが喜ばれるので。
それを常に大事にしています。表現は、インターネットをよく見ますね。みんなインターネットを見ていると思いますよ。
インターネットで好みのデザイン、色あいをみて、スイーツの表現の幅を広げるようにしています。

「夏のスイーツで、今後、新しく挑戦してみたいスイーツの種類はありますか。」

これからさらに暑くなると、ムースでもちょっとヘタっちゃうので。ゼリーとフルーツに、もう少しピューレのちょっとかためのものをいれるとか。
見ためが涼しくて、きれいで、食べると重くなくて。目でみても楽しめるようなものを、作りたいですね。

「遠藤オーナーシェフにとって、夏のスイーツとはなんでしょう。」

夏のほうが、フルーツで表現することが多いんです。桃系とかぶどうとか、なんでもあるじゃないですか。夏はフルーツのラッシュなんです。
フルーツの種類がいっぱいあればあるだけ、表現したいんで。その旬の果物をいかに使うか。それを活かしてオリジナルのスイーツを、エキサイティングに開発するかがポイントですね。

遠藤オーナーシェフが、ムース・エキゾチックを運んできてくれた。

きれいで純なクリーム色のムースが鮮やかだ。一瞬の夏を感じさせる。

刹那的な夏の甘い記憶を盛り込んだムース・エキゾチック。フォークで、ムースを小さくすくい、お口にいれる。キュンと僕の感度の音がした。外見の可愛いイメージからは、想像もできないフルーツを中心に多彩な味がお口に広がる。強い酸味がとても刺激的で、フルーツと酸味が、お口の中でムース・エキゾチックならではの味の翼を広げてくれる。これは遠藤オーナーシェフ・ワールド、だ。美味しいという言葉を失う、美味しさだ。

遠藤オーナーシェフは、インタビューの中で、「フルーツの種類がいっぱいあればあるだけ、表現したいんで。」と、おっしゃっている。

僕たちの世界でいえば、遠藤オーナーシェフは、スイーツのディレクターなのだ。

作って終わりではなく、常にクリエイティブな味、表現、イメージを追い求めているのだ。味だけでなく、見た目だけでもなく、クリエイティブな世界を大事にする。遠藤オーナーシェフ自身の世界観を、スイーツの世界にも充分に活かす。

見たこともないような、クリエイティブなスイーツを目指す。遠藤オーナーシェフは、クリエイティブディレクターである。

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ライター紹介

おがさわらせいか

小笠原聖佳:フリーライター、コピーライター、インタビュアー、吟遊詩人

2月生まれ。 血液型:A型。 青森生まれ、静岡育ち。東京23区内在住。 広告とキャッチコピー、言葉、インタビュー、音楽をこよなく愛する。 毎日広告デザイン賞・最高賞/日経広告賞などを受賞。
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