浅草の和スイーツ、大学いもの老舗 千葉屋【取材】大学いもの素材にこだわり、蜜の味わいがたまらなく美味しい
イモい男女が、食べるいも。
おいもスイーツ。
「えええええっ!大学いもの和スイーツ!?どんな味をしているんだろう。すごく食べてみたい!!!。」
というわけで、いま浅草にある大学いもの老舗、1950年創業の「千葉屋」さんに来ています。
観音さまの裏手にある、裏浅草と呼ばれる地元民御用達のお店が多く点在するエリア、東京メトロ浅草駅から歩いて約15分の言問通り沿いにある千葉屋さん。 ご主人は、三代目の増田さん。
にこやかなお顔で、熱くインタビューに応えてくれた。
使用しているさつまいもは、季節や時期によっていろいろと変わりますね。その時期、その時期でなるべくいいお芋を使うようにしています。
多いのは、やはり鹿児島産とか九州のものとか、あとは関東のお芋も多いですかね。
おいしさの決め手になる蜜は、基本的には砂糖と水飴にものすごくこだわって創っています。
さつまいもの甘味を思いついたきっかけは、創業者が芋問屋に勤めていたとき、日々、さつまいもが身近な環境の場所にいまして。そこから大学いもの甘味をはじめたと聞いています。
大学いもの名前の由来は、諸説ありますが。大学生の方が学費をかせぐために大学いもを創ったという説が一番有力でしょうね。
増田さんは、ゆっくりと言葉を選ぶように応えてくれた。
美味しいさつまいもがあれば、美味しい大学いもができると思いますが。それがいたって本当に難しいんです。
やはり、じっくりと修業をすることが大切なようだ。
浅草のスイーツをどう思われますか
いま浅草のスイーツは、いろんな新しいものがたくさん出てきていますからね。新しいものと古いものが共存して、個性というか、浅草風というか、魅力的で輝いている浅草らしさがでればいいですね。
今後、うちは常連さんのお客さまも含めて、今までどおり変わらずに、大学いもとともに歩んでいこうと思っています。
この浅草で、いつまでも変わらない勇気をあえて持ち続けたいと感じています。変わらないでいる姿勢を貫くことで、お客さまがもっている私ども千葉屋への想いを大事にしたいです。
千葉屋さんの、大学いもの厨房の広さはちょうど動きやすいスペースになっていて、職人さんがテキパキとお芋スイーツを創っている。
ここは、体温のあるスペース。
千葉屋さんはイートインはなく、テイクアウト専用のお店である。大学いもと「切り揚げ」と言われる薄く切った大学いもの2種類しか扱っていない、家庭的なお店なのだ。
さつまいもの素材にとことんこだわり、もちろん無添加で、揚げて蜜にからめるだけというとてもシンプルな和スイーツである。昔からの製法を頑なに守り続けて、大学いもが奏でる甘いシアワセをお客さまに届け続けている。
大学いも・400g・780円(税込)
取材が終わり、大学いもを購入してお店の袋に入れてもらって、家路につく。自宅まで、およそ1時間30分。
アツアツのお芋は、ちょっぴり冷めてしまったが。家に着くと、すぐお芋を袋から出して、まず一口。
「うまい!!」
それしか言葉がでないくらい、最上級のうまい!!だ。
濃厚な蜜が大学いもをこってりとジワーッと包み込んでいて。外側はカリカリしているのに、中のサクサクしたやわらかいお芋の食感と蜜のなめらかな甘さが、舌にしみていく。まさにクセになってしまう、サクサクお芋スイーツ。祖母や母にお土産で買っていってあげて、食べさせたくなるスイーツ。
子どもから、OLの方、サラリーマンの方、お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんまで、大学いもでシアワセにしてしまう。まさに一家に一袋。お子さまのお誕生日会やパーティー、クリスマスなどのご家族のイベントなどにも人気者になりそう。
和はもちろん、洋にも合う。
美味しくて、やさしい甘味にこころまで穏やかになって。それでいてとても使い勝手がいい、万能なスイーツなのだ。
浅草には、いろいろなスイーツがあるけれど。大学いもは、知る人ぞ知る、浅草のスイーツの隠れた顔なのだ。
ぜひ、お土産にして、ご家族やお友達、知り合いにこの甘みを味あわせてほしい。きっとみんながほっこりして、小さなシアワセが生まれると思うのだ。ひとりひとりの小さなシアワセがゆっくりと広がって、大きな大きなシアワセに繋がっていく。
そーした食べるという甘いシアワセが広がることを、僕は大学いもで夢見ている。
店舗情報
千葉屋 (ちばや)
東京都台東区浅草3-9-10
03-3872-2302
<営業時間>
[月~土]10:00~18:00
[日・祝]10:00~17:00
日曜営業
定休日:火曜日
都営浅草線・東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩15分
TX「浅草駅」から徒歩4分