浅草|「歴史」「伝統工芸」などに関わる文化スポット4選 隈研吾デザイン&雷門から直近のビルも
東京都内でも屈指の観光エリア、浅草。その中心地である浅草寺界隈には、休日・平日を問わず、国内外から膨大な観光客が訪れます。しかし、実はその周辺にも意外な見学スポットが点在しているのをご存知でしょうか。
実は浅草エリアは、無料〜低予算で入れる展示施設やミニ博物館も充実。浅草をある程度歩き慣れている人にこそおすすめな、普段とちょっと変わった浅草散歩のルートを紹介します。
浅草文化観光センター:隈研吾デザインの建物は上層階の展望台&展示に注目

浅草のみならず東京全体のアイコンでもあり、多くの観光客が集まる浅草寺雷門。その向かいに立っている、独特な見た目をした建物が「浅草文化観光センター」です。ここでは浅草を訪れる観光客にさまざまな案内をしているほか、6階にはムービー上映やイベントなどを行う多目的スペース、7階に展示スペース、8階に展望台とカフェを備えています。
建物は地下1階・地上8階で、不揃いの木の箱が積み上がったような特徴的な外観は、「MUFGスタジアム(国立競技場)」「高輪ゲートウェイ駅」などで知られる建築家・隈研吾(くま けんご)氏のデザイン。江戸時代の伝統的な木造住宅(町屋)を積み上げたような形をイメージしているのだとか。
施設見学の際は、1階ロビーからエレベーターで一気に最上階へ上るのがおすすめ。展望台からの眺望は抜群で、浅草寺境内の雷門・仲見世商店街・本堂、吾妻橋と隅田川、川の向こうにある墨田区役所・アサヒビール本社・東京スカイツリーなどを一度に眺められます。同じ階にある喫茶室「浅草展望カフェ Cafe Rion(カフェ リオン)」も大きな窓からの見晴らしが良く、浅草の風景を眺めながら上質なコーヒータイムでくつろげます。

この建物のアートスポットは、展望台から屋外階段で7階に降りた先の展示スペース。浅草・上野・谷中・蔵前など台東区エリアの観光情報を常設展示しているほか、伝統文化や工芸品、東京都や日本全国の観光紹介など、頻繁に展示がえを行っています。
浅草寺・仲見世商店街が閉店した後のシャッターに描かれているアートの原画「浅草絵巻」も7階に展示されているので、夜に浅草を散歩する予定があるなら、見比べてみても良いかも。地下には一般利用可能なトイレもあるので、展望台や館内展示を見るだけでなく、ちょっとした休憩や用事を済ます時にも便利ですよ。
浅草文化観光センター
住所:東京都台東区雷門2-18-9
アクセス:東武伊勢崎線・東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩5分
開館時間:1階ロビー・2階観光情報センター・6階多目的スペース・7階展示スペース9:00〜20:00、8階喫茶室9:00〜20:00(L.O.19:30)、8階展望テラス9:00〜22:00
休館日:年中無休(※メンテナンス等のため休館の場合あり)
電話番号:03-3842-5566
世界のカバン博物館:カバンを通じて幅広い歴史・文化を学べる企業博物館

浅草寺雷門から並木通りをまっすぐ南に進んだ先、駒形橋の近くにあるのが「世界のカバン博物館」。1940年に創業し、高品質なカバンやスーツケースなどを幅広く販売している「エース株式会社」の企業博物館です。
博物館があるのはエース株式会社の東京店ビル7階・8階。1階ロビーに積まれている20世紀初頭〜中頃のビンテージカバンが目を惹きます。7階の展示コーナーには、世界の約50カ国から収集された大変貴重なカバンコレクションが四方にずらりと並べられていて圧巻!その大半は創業者・新川柳作(しんかわ りゅうさく)氏が生前に熱意を持って収集されたもので、色も形もさまざまなビンテージカバンの中には、現代の目線でも手元に置きたくなるような逸品がきっと見つかるはず。
それ以外の展示内容も多種多彩で、カバン作りに使われる膨大な素材を壁一面に並べたもの、台湾製の木馬ならぬ「革馬」、人類とカバンとの歴史的関わりをつづったパネル、カバンの製造工程の紹介など、非常に盛りだくさん。無料で見学可能とは思えないほどのボリュームで、単なる企業紹介を超えて、カバンを通じた歴史・文化を幅広く学べるスポットです。

なお、8階には新川柳作氏の記念館も併設。休憩可能なラウンジスペースもあり、こちらも広い窓から浅草の風景を見ていられます。人もさほど多くはなく、とにかく人混みの激しい浅草エリアにあって、のんびり休憩できる穴場です。
世界のカバン博物館
住所:東京都台東区駒形1-8-10
アクセス:都営浅草線「浅草駅」A1出口から徒歩1分
開館時間:10:00〜16:30
休館日:日曜日、祝日、年末年始(※不定休あり)
入館料:無料
電話番号:03-3847-5680
世界の太鼓資料館「太皷館」:さまざまな地域の太鼓や打楽器を見て触れる

世界のカバン博物館に加えて、浅草エリアには見ごたえのある企業博物館がもう一つ。太鼓や神輿などの老舗として知られる宮本卯之助商店(みやもとうのすけしょうてん)が、世界各地から収集した太鼓を展示する「世界の太鼓資料館『太皷館』」です。
1階カウンターでチケットを買い、エレベーターで4階に行くと、コンパクトな室内に多くの太鼓や打楽器が大集合!カリブ海地域が発祥のスティールパン、アフリカや東南アジアで祭礼等に使用されていたワイルドな太鼓・打楽器、見た目がカラフルで華やかな中国の太鼓、洗練された外観をしているヨーロッパの太鼓など、国や地域によって用途も外見も多彩です。
もちろん日本の太鼓も、数多く展示されています。世界の太鼓と見比べると、日本の太鼓は中華風の力強いデザインに、東南アジアのシンプルで土着的なデザインがミックスされた雰囲気を感じられます。また、展示物の中には、2011年の東日本大震災の後、復興活動のため被災地各所からメッセージを集めた「希望の鼓」もあります。
この博物館の特色は、展示品の一部に実際に触れて楽しめること。時に甲高く、時に重厚な太鼓の響きを耳と肌で感じられます。歌舞伎演目の舞台裏で使われる打楽器や、映画の効果音を作るための器具類もあり、これらも実際に触って音色を確かめられます。
世界の太鼓資料館「太皷館」
住所:東京都台東区西浅草2-1-1
アクセス:東京メトロ銀座線「田原町駅」から徒歩2分
開館時間:11:00〜16:00
休館日:月曜日(※祝日の場合は開館)、火曜日
入館料:大人500円、子供150円
電話番号:03-3842-5622
江戸たいとう伝統工芸館:台東区のさまざまな伝統工芸を鑑賞できるショールーム

今まで紹介したカバン(皮革製品)や太鼓だけでなく、実は台東区には紙・木材・金属・ガラスなど、さまざまな素材をベースにした多くの伝統工芸が今なお健在。それらを収集して展示しているのが「江戸たいとう伝統工芸館」です。

施設があるのは、浅草寺から北西側にあるローカルな商店街「ひさご通り」のアーケード下。「伝統を未来へ」「不易流行」を理念として、伝統技術の継承とともに、新しいアイデアや変化を取り込んでいくことも目的にしています。
ここは台東区で作られている伝統工芸品約50種類・250点を展示するショールームであり、比較的コンパクトな床面積ながら、展示ボリュームはかなりのものです。工芸品は桐箪笥、銅器、提灯、竹箒、皮革工芸品、江戸切子、銀器など非常にバラエティ豊か。その中には伝統や格式を遵守した製品だけでなく、現代的なライフスタイルも視野に入れたアクセサリーや小物・雑貨なども充実しています。
また、館内展示には大型ディスプレイも併用しているため見学しやすく、QRコードのスマホ読み取りで詳細な解説文を読めるなど、インタラクティブな展示にも対応。施設内スペースを使って伝統工芸の職人が実演を行うイベントや、展示品の一部を販売するオークションなども行われており、行くたびに新しい発見や出来事がある場所です。
江戸たいとう伝統工芸館
住所:東京都台東区浅草2-22-13
アクセス:つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩5分
開館時間:10:00〜18:00
休館日:毎月第2・第4火曜日 ※祝日の場合は翌日
入館料:無料
電話番号:03-3842-1990
浅草は「アート」「工芸」をテーマにしたお散歩ルートを組みやすい
今回紹介した4施設はいずれも浅草寺から遠くない範囲に集まっており、施設自体の規模も大きくはないので、鑑賞しようと思えば一日で全て周回することも可能。もちろん、通常の浅草寺散策に絡める形で、1施設のみをサクッと(またはじっくりと)鑑賞してもOKです。普段と一味違う浅草トリップをしたい時に訪れて見てください!

デヤブロウ
街歩き・地域情報系ライター

