入谷|そば屋なのに、みんなのお目当てはカレー!「東嶋屋」の黄色いライスカレー
テレビや雑誌などでたびたび紹介される、台東区竜泉の老舗そば店「東嶋屋」。その看板メニューとして知られているのが、なんとカレーです。
そば屋なのに、カレーが有名。しかも、テレビで見るたびに気になるのは、驚くほど黄色いカレー。
「いったい、どんな味なんだろう?」
ずっと気になっていた東嶋屋へ、土曜日の開店時間に合わせて行ってきました。お目当てはもちろん、名物の「ライスカレー」です。
明治25年創業。歴史を感じる老舗のそば屋へ

東嶋屋が創業したのは、明治25年(1892年)。長い歴史を持つそば店です。
開店5分前に到着すると、すでに3人が並んでいました。「出遅れたかー」と少し焦りつつ、開店を待ちます。
11時15分になると、時間どおりに暖簾がかけられ、いよいよ入店。カウンター席に案内されました。
店内は、間口が狭く奥行きのある、いわゆる「うなぎの寝床」のような造り。入ってすぐに長いカウンターがあり、その奥にはテーブル席が並んでいます。
時代を感じさせる店構えも、店内の雰囲気もいい感じ。老舗らしさが漂い、期待が高まります。
初めて注文する「ライスカレー」

最初から注文するものは決めていました。もちろん、カレーです。
念のため壁に掲げられたメニューを確認すると、そこにあったのは「カレーライス」ではなく「ライスカレー」の文字。
せっかくなので、注文もそのとおりに。
「ライスカレー!」
人生で初めて、声に出して「ライスカレー」と注文しました。なんだかうれしい。
注文を聞きに来た男性からは、「少し時間がかかるけどよろしいですか?」とのこと。
「ひとつずつ作るので」と説明してくれました。
いくらでも待ちますよ、という言葉は心の中にしまって、「はい、大丈夫です。お願いします」と返事。名物のカレーを味わうためなら、待ち時間も楽しみのひとつです。
これが噂の黄色いカレー!

待つことおよそ15分。お盆に乗ったライスカレーがやってきました。
まず、目に飛び込んできたのは、その色。びっくりするくらい黄色いのです。
カレーの上には福神漬け。お盆には水の入ったコップと銀色のスプーン、そしてウスターソースが添えられています。
何もかもが初めてなのに、なぜか懐かしい。まるで昔から変わらない食卓を思わせる光景です。
さらに驚いたのが、店内のお客さんたち。
私より先に注文した人も、あとから入ってきた人も、頼むのは「ライスカレー」「カツカレー」「ライスカレーセット」……。
結局、私が店を出るまで、カレーに関係のないメニューを頼む人はいませんでした。
ここはそば屋のはずなのに…。目の前のお客さんたちを見ていると、ますますこのカレーの味が気になってきました。
店内のお客さんたちの様子を見ていると、このカレーが多くの人を引きつけていることが伝わってきます。
ひと口目はびっくり。でも、食べ進めるとクセになる

まずは、ウスターソースをかけずにいただきます。
熱っつい!
ご飯もカレーも、びっくりするほど熱々です。
ひと口食べてみると、これまで私が知っていたカレーとは、まったく違う味でした。
あえて言葉にするなら、「カレー味のあんかけ」といった感じでしょうか。
辛さは強くなく、塩味はしっかりめ。具材は豚バラ肉と玉ねぎだけの潔さ。
おいしい。確かにおいしいのですが、最初は「これがカレー? え?」と、頭の中がちょっと混乱します。
ところが、食べ進めていくうちに、不思議とスプーンが進みます。
最初の戸惑いが少しずつ薄れ、「これ、また食べたくなるだろうな」という気持ちに変わっていくのです。

途中からは、添えられたウスターソースをかけて味変。酸味とコクが加わり、また違ったおいしさが楽しめます。
気がつけば、出てくるまで15分ほど待ったカレーを、それよりも短い時間で食べ終えていました。
普通盛りでも十分なボリュームで、おなかはパンパン。しっかり満足できる一皿です。
お会計は1,000円。千円札を1枚渡して、お店をあとにしました。なんだか少し、江戸っ子気分です。
懐かしいのに新しい。幸せの黄色いカレー

見た目からは、どこか郷愁を誘う昔ながらのライスカレー。
けれど、実際に食べてみると、知っているカレーとはひと味もふた味も違う、東嶋屋ならではのおいしさがありました。
「そば屋なんだから、今度はそばも食べてみたいな」
そう思いながらも、次に来たときも、きっとまたライスカレーを頼んでしまいそう。カツカレーも気になるところです。
「ほっとする懐かしさ」と「びっくりする斬新さ」が共存する、幸せの黄色いカレー。
台東区竜泉にある老舗そば店・東嶋屋。気になっていた方は、一度この不思議なおいしさを味わってみてはいかがでしょうか。
東嶋屋
住所: 東京都台東区竜泉1-29-3
営業時間: 月・火・木・金・土 11:15~15:00(L.O.14:30)、17:30~20:00(L.O.19:30)/水 11:15~15:00(L.O.14:30)
定休日: 日曜・祝日

ふじみ
フリーライター

