根岸|創業明治30年の和菓子店『紅林堂』|ガラスケースいっぱいのお菓子に心が躍る、街に根付いた老舗を実食レポート
入谷と三ノ輪の間あたりを歩いていると、思わず足を止めてしまう店に出会いました。
和菓子店「紅林堂」です。
堂々とした店構え。
歴史を感じさせる佇まい。
思わず足を止めてしまいました。
創業は明治30年。
数字だけを見ると少し身構えてしまいそうですが、不思議と敷居の高さは感じません。
むしろ、「ちょっと入ってみようかな」と思わせる親しみやすさがあります。
実際に店内へ入ってみると、そこには昔ながらの和菓子屋さんらしい光景が広がっていました。
今回は、根岸で長く愛されてきた和菓子店「紅林堂」を紹介します。
根岸に残る、親しみやすい和菓子屋さん

紅林堂があるのは、入谷駅と三ノ輪駅の中間あたり。
近くには学校や神社、住宅街が広がり、観光客でにぎわう浅草や谷中とはまた違った空気が流れています。
どちらかといえば、地元の人たちが日常的に行き交う場所。
そんな街並みの中に、紅林堂は自然に溶け込んでいます。
訪れたのは平日の夕方でした。
店内は静かで、前後にお客さんの姿はありません。
そのおかげで、ゆっくりと店内を見て回ることができました。
外観はもちろん、店内も「昔ながらの和菓子屋さん」という言葉がぴったり。
けれど、古びた印象はありません。
きちんと手入れされ、長年大切に使われてきたことが伝わってきます。
店内には、「創業明治30年」と書かれた手書きのポップも。
100年以上続く店の歴史を感じながらも、どこか温かく、肩の力を抜いて買い物ができる雰囲気がありました。
ガラスケースいっぱいのお菓子に心が躍る

紅林堂で最初に感動したのは、ガラスケースでした。
どれにしようか迷ってしまうほど、ケースの中はお菓子でいっぱいです。
和菓子好きなら、きっと足を止めて見入ってしまうと思います。
季節柄、水ようかんやゼリーなどの涼しげなお菓子も並んでいて、思わず「何かひとつは季節のお菓子を買いたいな」と思いました。
最近は商品を絞り込んだ専門店も増えていますが、紅林堂は良い意味でそうした堅苦しさがありません。
自家製の和菓子だけでなく、おせんべいやおかきなども並び、「今日は何を買おうかな」と選ぶ楽しさがあります。
さらに目を引いたのが、駄菓子コーナーです。
といっても、うまい棒やチョコレート菓子ではありません。
ハッカ飴や豆菓子、個包装のおかきなど、少し懐かしい顔ぶれ。

「駄菓子」という言葉から想像するものより、一世代前の駄菓子屋さんのような雰囲気です。
眺めているだけでも楽しく、つい長居したくなってしまいました。
100円台で買える商品も多く、「老舗和菓子店」と聞いて身構える必要はありません。
気軽に立ち寄って、気になったものをひとつふたつ買って帰る。
そんな楽しみ方が似合うお店だと思います。
紅林堂で買ったお菓子
栗饅頭 200円

まずいただいたのは、紅林堂の人気商品だという栗饅頭です。
見た目は、まさに「栗饅頭といえばこの形」と言いたくなるような王道の姿。
それだけで少し嬉しくなります。

中には白あんと栗。
ひと口食べると、白あんの中から栗の風味がしっかりと広がります。
特に印象的だったのは、栗の存在感です。
細かく砕かれた栗がたっぷり入っていて、味だけでなく食感でも栗を感じられます。
甘さは上品ですが、物足りなさはありません。
急いで食べるよりも、日本茶を淹れてゆっくり味わいたくなる和菓子でした。
今回購入した中では、個人的に一番印象に残った一品です。
くず餅(抹茶) 250円

くず餅は、白・ゆず・抹茶の3種類。
今回は抹茶を選びました。
まず驚いたのが食感です。
やわらかいというより、しっかり弾力があり、なんとも言えない“ブリンブリン”とした食感。
添えられた和三盆と黒蜜をかけていただきます。

和三盆のやさしい甘さと黒蜜のコク、そして抹茶の風味がよく合います。
冷やして食べると、これからの暑い季節にぴったり。
季節のお菓子を探している方にもおすすめです。
銀座餅 150円

栗饅頭とくず餅を選んだあと、
「もうひとつ何か買いたいんですよね」
と商品を眺めていると、
「そのおせんべい、結構人気なんですよ」
とお店の方が教えてくださいました。
それが銀座餅です。
名前に「餅」とありますが、見た目はどちらかというと歌舞伎揚げに近い印象。
手に取ると、大きくて厚みがあり少し驚きます。
食べてみると、見た目より軽い食感。
甘さよりも塩味が少し勝っていて、とても食べやすい味です。
油っぽさも控えめで、上品な歌舞伎揚げという表現がしっくりきました。
また立ち寄りたくなる和菓子屋さん

紅林堂は、観光地の有名店とは少し違います。
行列ができる店でもなければ、SNS映えを狙った店でもありません。
けれど、ガラスケースいっぱいに並んだお菓子を眺めながら、「今日は何を買おうかな」と考える時間があります。
季節のお菓子があり、おせんべいがあり、駄菓子もある。
気軽に立ち寄れて、気軽に買える。
そんな親しみやすさが、このお店の魅力なのかもしれません。
創業明治30年という長い歴史を持ちながらも、肩肘張らずに入れる紅林堂。
次は季節が変わった頃に訪れて、別のお菓子も選んでみたいと思います。
根岸の街を歩く楽しみが、またひとつ増えました。
紅林堂
住所:東京都台東区根岸4-19-9
営業日:月・火・水・木・金・土
営業時間:9:00~17:00 木曜のみ9:00~15:00
定休日:日










