元浅草の小さな人気店。「よしパン」で出会った、毎日食べたくなるパン
「今日は開いているだろうか」
そんなふうに思いながら向かったパン屋が、元浅草にあります。
今回訪れたのは、2025年にオープンした「よしパン」。ベーグルを中心に、酵母にこだわったパンやスコーンが並ぶ、小さなベーカリーです。
実は筆者、最初からすんなり買えたわけではありません。
たまたまTikTokで見かけて、「これは絶対おいしい」と気になり、平日の午後1時半ごろに2度訪問。しかし、どちらもすでに売り切れで閉店していました。


そこで今回は、満を持して土曜日の朝に訪問。開店3分後の10時3分に到着すると、すでに店内には先客がいて、外には7人ほどの行列ができていました。
それでも、不思議とピリピリした空気はありません。並んでいる人たちの表情もどこかやわらかく、「このパン屋が好き」という空気が漂っています。
今回はそんな「よしパン」の魅力を、実際に食べたパンとともにご紹介します。
2度振られても行きたくなる「よしパン」

「よしパン」があるのは、元浅草の住宅街。大通りから少し入った場所に、ひっそりと店を構えています。
けれど、その静かな立地とは裏腹に、人気はかなりのもの。
今回訪れたのは土曜日の朝。開店直後にもかかわらず、すでに行列ができていました。
店内は決して広くありませんが、その分、焼きたてのパンとの距離が近い。棚いっぱいに並ぶベーグルや食パンを見ているだけで、気持ちが高まります。
特に印象的だったのは、ベーグルの大きさです。
ひとつひとつがずっしり大きめ。「このサイズでこの値段なら、かなり満足感があるな」と感じるものが多く、思わずどんどん注文したくなってしまいます。
パンの名前が書かれたプレートもかわいらしく、手書き文字に小さなイラスト入り。そんな細かな部分からも、お店のやさしい雰囲気が伝わってきました。
ベーグル中心。でも“よくあるベーグル屋”とは少し違う

「よしパン」はベーグルが中心のお店です。
ただ、いわゆる“むぎゅむぎゅ系”のハードなベーグル専門店とは少し違います。
実際に食べてみると、もっちり感はしっかりありながら、全体的にとてもやわらかい。水分をたっぷり抱え込んでいるような生地で、口の中がぱさつきにくいのも印象的でした。
さらに驚いたのが、「具材がおいしい」こと。
ベーグルのお店というと、生地そのものを楽しむ印象がありますが、「よしパン」は中のおかずや具材もきちんとおいしい。
だからこそ、「次は別のパンも食べてみたい」という気持ちになります。
並んでいるパンを見ると、惣菜系から甘い系まで幅広く、しかも少し遊び心がある。“パン好きがわくわくするラインアップ”という表現がぴったりでした。
店内に流れる、やさしい空気
人気店というと、慌ただしい空気を想像する人もいるかもしれません。
実際、「よしパン」もかなり忙しそうでした。後ろには常に人が並び、店内も次々とお客さんが入ってきます。
そのため、こちらとしても、あまり長居しすぎないように気をつけながら、急いで写真を撮り、パンを選びました。
けれど、そんな中でも、店主の女性はずっと笑顔。
「どうぞ」「ありがとうございます」とやわらかく声をかけてくださり、店の空気そのものがとても穏やかでした。
本当なら、もっとゆっくりパンを眺めたり、お話ししながら選びたくなる。そんな気持ちになるパン屋です。
忙しいのに、空気はせかせかしていない。そのバランスも、「また来たい」と思う理由のひとつなのかもしれません。
実際に食べてみた!
きんぴらと焼き鯖

今回、かなり衝撃だったのがこちら。
ベーグルの中にぐるりときんぴらが入り、上には焼き鯖、レンコン、パプリカ。
見た目のインパクトもありますが、驚いたのは焼き鯖のおいしさです。
パンに合わせるためにソースやマヨネーズで調整しているのかと思いきや、ちゃんと“焼き鯖”としておいしい。それなのに、不思議とベーグルともけんかしません。
「ほかのおかず系も絶対おいしいだろうな」と期待が膨らむ一品でした。
つぶあんとたい焼

ベーグルの上に、小さなたいやき。
この見た目は、反則級にかわいいです。
しかも、ベーグルにもたいやきにも、しっかりつぶあん入り。
甘さは比較的しっかりめですが、生地のしっとり感とよく合います。
「ベーグルは水分がないと食べにくい」という印象を持っている人もいるかもしれませんが、ここのベーグルはかなりしっとり系。コーヒーやエスプレッソと合わせると、とても幸せになれそうです。
山食

個人的に、今回いちばん感動したのがこれ。
もち麦全粒粉を使った山食です。
まず、小麦の香りがすごい。
外はカリッとしているのに、中はもっちり、というより“みっちり”。
密度が高く、水分をしっかり抱え込んでいて、噛むほどに小麦の風味が広がります。
毎朝これを食べられたら幸せだろうな、と思える食パンでした。
酵母スコーン

これも驚きました。
外側にはしっかりした硬さがあるのに、中はしっとり。
スコーン特有の“ぽそぽそ感”がほとんどありません。
甘さも控えめでやさしく、個人的にはジャムやクリームをつけず、そのまま食べるのがおすすめ。
素材の味をじっくり楽しみたくなるタイプのスコーンです。
ホシノ酵母フランス小

こちらも、小麦の香りが印象的でした。
外側はパリッとしているのに、ちゃんとしっとり感もあるので、食べたときにボロボロ崩れにくい。
山食より塩味がしっかりしていて、お料理との相性も良さそうです。
シンプルだからこそ、お店の実力が出るパンだと感じました。
何度でも通いたくなるパン屋
「よしパン」は、特別に派手なお店ではありません。
けれど、食べた瞬間に、
「あ、この店、ちゃんとしてる」
と感じるパンが並んでいました。
素材の香り。
生地の水分感。
具材のおいしさ。
どれも丁寧で、それでいて、どこか親しみやすい。
だからこそ、行列ができても、また行きたくなるのだと思います。
実際、筆者も2回振られたあとに、ようやく買うことができました。
それでも、「また行こう」と自然に思えます。
“毎日のように食べたいパン”を探している方は、ぜひ一度、足を運んでみてください。
よしパン
住所:東京都台東区元浅草2-8-9
営業時間:火・水・金・土 10:00〜(売り切れ次第終了)
定休日:日・月・木
アクセス:東京メトロ銀座線「稲荷町駅」周辺










