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観光名所 学ぶ

9社寺まわってご利益をGET。「浅草名所(などころ)七福神巡り」の歴史探訪レポ③矢先稲荷神社

矢先稲荷神社
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浅草で運気を上げるパワースポットとして注目の、「浅草名所七福神巡り」。

そしてこの9社寺に残る江戸の面影を探りつつ、それぞれの見どころを紹介していくこの企画。

さて、2カ所めの記事では「鷲神社」を参拝し、見どころを紹介してきました。


「鷲神社」入り口のある国際通りを少し進み、松が谷方面へ歩いていくと、卸問屋街として有名な「かっぱ橋道具街」が見えますが、その先にはさらに「浅草名所七福神」参拝コースの「矢先稲荷神社」が鎮座しています。


今回は「矢先稲荷神社」周辺とその見どころを紹介していきます。


「矢先稲荷神社」の最寄り駅は、銀座線田原町駅、または、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩数分。卸問屋街の中という感じで、昔ながらの下町の工房が多い住宅街の中にあります。

訪れたのは一月の七日。「歳神様」を迎えるため、門松や鏡餅、しめ縄などのお正月飾りが飾られていました。

緑が多い手水舎は、長年地元で護られてきたと感じさせる雰囲気。
こちらで御手水を済ませ、拝殿で手を合わせます。

「矢先稲荷神社」は、七福神では「福禄寿」をお祀りしている神社です。福禄寿は、福(幸福)、禄(生活・経済の安定)、寿(健康にして長命)の三つの福徳を授ける神とされており、生活全般にご利益があります。

創建は1642年、三代将軍・徳川家光が国家の安泰と市民の安全祈願、ならびに武道の錬成のために、京都にならって三十三間堂を建立したことに始まります。

三十三間堂では、弓の射技錬成のために「通し矢」が行われました。


通し矢とは、南北長さ約120mある本堂前の軒下で行われた矢を射通す競技のことで、最初は「武士が弓矢の上達をはかる目的」でしたが、やがて「矢をどれだけ射通せるか」の数を競うようにもなっていき、武士の名誉として流行しました。

江戸の頃には市民にも観覧が許され、評判だったそう。

「矢先」という由来は、三十三間堂の守護神として稲荷大明神を勧請し、その場所がちょうど的の先に当たっていたことから名付けられたとか。

「矢先稲荷神社」の見どころは、何といっても拝殿の格天井に描かれた、神武天皇の御世からの「日本馬乗史」。

奉納されたその天井絵馬の数は100枚にも上り、馬と日本の歩んできた歴史を目で楽しむことができます。

歴史的人物、馬の姿、形、武具、服装などすべてが精密な考証のもとに描きあげられており、馬好きや競馬ファンも観覧によく訪れる場所です。

今にも馬が飛び出してきそうな躍動感と、遠目からでもわかる精巧な筆遣い、鮮やかな色遣い。歴史の著名人や名場面がずらりと描かれ、歴史好きな筆者は大興奮…。

描かれた100名の人物の一覧表が置いてあるので、絵馬と見比べることができます。

例えば、こちらは左から三代将軍徳川家光、江戸幕府を開いた徳川家康、そして水戸黄門でおなじみの水戸光圀。

どうでしょう?

これは筆者のイメージですが、家光公は開かれても間もない江戸幕府の体制確立に奔走している様子、家康公は全国統一を成し遂げた将軍の姿、光圀公は白髪の御年ながらも乗馬を楽しむ健在なご様子、そんな絵がそれぞれ思い浮かびました。

ちなみにこちらは余談ですが、描かれた「日本乗馬史」の中に、筆者のはるか昔の先祖もいらっしゃいました。

1000年ほど昔の人物ですが… もしかしたら皆さんのご先祖も描かれているかもしれませんね。

拝殿内にも様々な馬の展示物があり、馬好きにはたまりませんね。

稲荷神社ではありますが、どちらかというと狐より馬に縁を感じさせる場所です。

社務所で初穂料500円を奉納し、こちらの御朱印を戴きました。

さて、参拝が終わったら周辺を散策していきましょう。

「矢先稲荷神社」周辺にも、現存している史蹟があります。

「矢先稲荷神社」から田原町駅方面に進んだところに「聖徳寺」というお寺があり、その中に江戸時代の功労者・玉川兄弟(庄右衛門・清右衛門)の墓碑が残されています。

玉川兄弟は、東京都羽村市にある羽村堰から新宿・四谷に至る、緑豊かな玉川上水を開発した人物。

江戸時代初期、人口増加による江戸市民の飲料水確保のため奔走し、四代将軍家綱の頃、幕命が下り1654年に開削工事は完成しました。

この功績により、玉川兄弟は200石と「玉川」姓を与えられ、「玉川上水役」に任じられました。
水不足に悩む江戸の町に流れ込んだ清流は、多くの江戸市民を助けたといいます。

江戸は当時から世界有数の大都市でありながら、水のレベルが他国と比べ非常に高かったことがわかっていますが、その陰にはこの兄弟たちの活躍があったからなのですね。

今日も安心して安全な水が飲めるのは、先人たちのおかげ。

そして、長い戦国時代を終わらせ、この地を拓き、繁栄させてきた先人たちのおかげなのだ、ということを改めて感じる探訪となりました。

「矢先稲荷神社」とその周辺には、日本人が築いてきた歩みが確かにありました。

特に、一枚一枚ストーリーを感じさせる、100枚もの天井絵馬は圧巻。
天井絵なので、ずっと見続けていると首が痛くなってしまうのですが、時間と人の密集具合が許す限り、じっくり見てみて下さいね。

そして、「矢先稲荷神社」を参拝した帰り、西へ雷門通りを進んでいくと、浅草といえば、のあの場所へたどり着きますよ。

次の記事では、有名スポット・浅草寺と、意外と知らない人も多い周辺の歴史的スポットを紹介していきます。

●神社案内
「矢先稲荷神社」
住所:東京都台東区松が谷2-14-1
時間:9:00~16:00
アクセス:東京メトロ銀座線 田原町駅より徒歩7分 など
公式HP:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/taito/6618/


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ライター紹介

くまりら

インタビュアー、ライター

93年生。縁あって、前職では有名少年漫画作品の編集をいくつか担当。 歴史ロマンのあるもの、美味しい食べ物、韓国アイドル、エンタメが好き。
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