パワースポットは浅草寺だけじゃない!9カ所ある「浅草名所(などころ)七福神巡り」で運気UPな浅草散歩を楽しもう

七福神巡り
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「浅草名所(などころ)七福神巡り」とは?

 日本人に親しみのある「七福神」。神様が7人いるくらいは皆さんお分かりだと思いますが、7体それぞれのご利益があることをご存知でしたか?


「浅草名所七福神巡り」とは、浅草エリアにある七福神が祀られている9カ所すべてを周ると、あらゆる厄が去って幸福がもたらされるという、古くから江戸っ子たちに人気のエンタメです。

近年ブームになっている御朱印巡りの影響もあり、パワースポットとして注目を集めているのをご存知でしょうか?

この記事を読めば、そもそも七福神とは?その歴史とは?どんな運が身につくの?などが分かり、実際に「浅草名所七福神」9カ所を回った筆者の、御朱印や神社・お寺についてのレポートも読めるようになっています。

浅草七福神巡りに興味がある方は、是非この記事を参考にしてみて下さい!


日本の七福神とは誰?

人とは古くから、神という存在を信仰してきました。

誰でも幸福を求めて人生をさまよい、そのうちに、家内安全、商売繁盛、縁結び、出産、成長、立身出世、学業成就、健康長寿など、さまざまな願望が生じるようになりました。

こうした人の願望から生まれたのが、七福神の信仰です。

今日知れ渡っている七福神とは、恵比須、大黒天、弁財天、毘沙門天、布袋尊、福禄寿、寿老人の7体です。

七福神はどうやって日本に広まった?

日本では鎌倉時代、日本古来の守り神「恵比須」、中国を経てインドから「大黒天」、「弁財天」、この三神の信仰が庶民のあいだに深まっていきました。

さらに室町時代にかけて、「毘沙門天」、「布袋尊」、「福禄寿」、「寿老人」の四神が加えられ、人々の願望に応える七福神として信仰の象徴となったとされています。

仁王経という経典の中にある「七難即滅 七福即生」ということば。

これは、「篤くお祈りすることで世の中の七つの大難【太陽、星の異変、火災、水害、風害、早害、盗難】は消え、七つの福が生ずる」という意味です。

この七つの福というのは、その時代、その人の願望によって合理的に解釈され、7体の神に結びついて、それぞれのご利益となったそうです。

武士が領地を奪い合った戦国時代が終わり、日本の中心が江戸に移されるようになると、庶民のあいだで観光と神仏詣でを兼ねた行楽文化が花咲き、江戸末期には、さまざまな福徳を求めて各地で七福神詣で(巡り)が盛んになったのだとか。

こうして、浅草でも9社寺からなる七福神の名所を信仰するようになりました。これが「浅草名所七福神」のはじまりです。

「浅草名所七福神」の各スポット・ご利益・レポ

浅草エリアでは、9カ所の名所に七福神を祀っています。(寿老人と福禄寿は2カ所ずつ)
全8kmの巡拝コースの順路は特に決まりがなく、行きたいところからスタートしてOK。

七福神のそれぞれのご利益と、それぞれを祀っている名所のレポもぜひチェック!

吉原神社【弁財天:音楽、知恵、弁説、財福の神】

吉原神社

「吉原神社」は、東京メトロ三ノ輪駅から徒歩で15分ほど。
かつて江戸で栄えた花街である、あの吉原のど真ん中にあるというこの神社。

ここで祀られている七福神・「弁財天」は、古代インドのサラスパティという名の豊かな川の女神で、【知恵、技芸、財物】にご利益があると言われています。


鷲神社【寿老人:長寿延命の神】

鷲神社

「吉原神社」を参拝した後、ほど近い距離にある浅草名所七福神巡りの「鷲神社」。
「鷲神社」は、「酉の市」の起源発祥ともされ、古くから江戸の人々より「おとりさま」と呼ばれ親しまれてきました。

「鷲神社」で祀られているのは、天日鷲命(あめのひわしのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)。
日本武尊がここに立ち寄られ戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをされました。
その日が十一月酉の日であったことが酉の市の由来と言われています。

石浜神社【寿老人:長寿延命の神】

石浜神社

「石浜神社」は、巡拝コース唯一の台東区外で、橋場不動尊から徒歩数分。
白髭橋を境目に台東区と荒川区に分かれ、荒川区に入ったところにあります。

「石浜神社」は、七福神の中で「寿老人」を祀っています。
「浅草名所七福神」では鷲神社と同じで、長寿延命を主とした福徳の神様です。

江戸時代の面影を残す築地塀に守られ、眠っているのは江戸時代中期~後期に活躍した発明家の平賀源内。

矢先稲荷神社【福禄寿:幸運、生活の安定、長寿の神】

矢先稲荷神社

「矢先稲荷神社」の最寄り駅は、銀座線田原町駅、または、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩数分。卸問屋街の中という感じで、昔ながらの下町の工房が多い住宅街の中にあります。

「矢先稲荷神社」は、七福神では「福禄寿」をお祀りしている神社です。
福禄寿は、福(幸福)、禄(生活・経済の安定)、寿(健康にして長命)の三つの福徳を授ける神とされており、生活全般にご利益があります。

「矢先稲荷神社」の見どころは、何といっても拝殿の格天井に描かれた、神武天皇の御世からの「日本馬乗史」。


今戸神社【福禄寿:幸運、生活の安定、長寿の神】

今戸神社

「今戸神社」といえば、ドラマのロケ地や、縁結びの神社として知る人ぞ知る場所。

沖田総司終焉の地…
江戸幕末に新選組として活躍した沖田総司。
結核を患っていた沖田総司は、「今戸神社」境内にあった幕府の医師・松本良順の私邸に収容されたようです。
女性たちが次々と参拝していくこの「今戸神社」は、日本の神話で初めて結婚した夫婦の神様「いざなぎのみこと」と「いざなみのみこと」を祀っていて、縁結び、恋愛成就、夫婦円満にご利益があるとして人気です。

浅草寺【大黒天:五穀豊穣、飲食の神】

浅草寺

浅草の定番観光スポット「浅草寺」。
「浅草寺」は都内最古の寺院でありながら、日本人だけでなく外国人も多く訪れる都内屈指の観光スポット。

浅草の玄関ともいえる「雷門」、仲見世通りを抜けた後にある「宝蔵門」、その左手に「五重塔」があり、進むと「本堂」、そしてその左手に御朱印を戴ける「影向堂」などがあります。
「浅草寺」は夜も違った楽しみ方ができるのが魅力的。
雷門、宝蔵門、五重塔がライトアップされているので昼夜問わず楽しめます。

浅草神社【恵比須:漁労、労働、商売などの守護神】

浅草神社

「浅草寺」の境内にある「浅草神社」
祀られているのは、七福神の中で唯一の日本出身の神様「恵比須」です。
ビールでおなじみの、烏帽子に狩衣、釣り竿と魚籠を持ち、立派な鯛を抱え、親しみ深い姿で描かれている神様で、大漁豊作、商売繫盛の神として、庶民の信仰を集めました。

明治維新の神仏分離によって浅草寺と別れ、明治元年に三社明神社、さらに明治6年に浅草神社と改められました。

待乳山聖天【毘沙門天:人倫の道、仏法の守り神】

待乳山聖天

浅草寺・浅草神社から徒歩13分ほどで行ける「待乳山聖天(まつちやましょうでん)」

祀っているのは、七福神の一人・「毘沙門天」です。
憤怒の相で右手に宝棒、左手に宝塔、足の下に邪鬼天の邪鬼を踏みつけているという、七福神唯一の武将の姿をしていて、戦勝祈願、金運・財運などのご利益があるということで知られています。

橋場不動尊【布袋尊:吉凶の占い、家庭円満など、福徳の神】 

橋場不動尊

今戸神社から徒歩約20分、隅田川沿いにある「橋場不動尊」

「橋場不動尊」で祀られている七福神は「布袋尊」。
「布袋尊」が持つ大きな袋には宝物がいっぱい入っており、信仰の厚い人に与えられたということで、無病息災、笑門来福、夫婦円満、子宝の神として知られています。

「橋場不動尊」には「布袋尊」だけでなく、ご本尊として大日如来の化身といわれる不動明王を祀っています。

江戸幕府を開いた徳川家康と七福神の関係

江戸幕府を開いたのは、言わずと知れた大将軍・徳川家康ですよね。
七福神信仰は、江戸時代に入ると全国規模で爆発的な人気を博することになります。
そのきっかけは、上野・寛永寺の開祖・天海僧正。

天海僧正が家康に「寿老人の長寿、大黒の富財、福禄寿の人望、恵比寿の正直、弁才天の愛敬、毘沙門の威光、布袋の大量」という<七つの徳>を説き、日本を束ねる為政者のあるべき姿としたのだとか。
そうして家康は、七福神を信仰するようになり、安泰の世となった江戸市中に生まれた名所と、観光などの文化が結びつき、江戸庶民のあいだにも広まるようになったのです。

浅草名所七福神巡りは、戦後一時期やむをえず中断を挟みましたが、昭和52年に復活して今日に受け継がれています。

浅草の町並みには、家康が開いた江戸幕府からの人々の営み、風情が多く残されています。趣を感じながらの巡拝をぜひ楽しんでみて下さい。

まとめ

江戸文化が花開いた町・浅草。
七福神巡りが流行したのは、その江戸時代からでした。

すべてのコースを一度に参拝するとなると、道のりは約8km、意外と多くの時間がかかってしまいます。

電車や台東区循環バス「めぐりん」を使って効率的に回るのがおすすめですよ。

古い歴史を有する浅草には、広く各所に名跡が残っています。
とりあえず行くことが目的となってしまい、境内の中や周辺の様子を見るのがおざなりになってしまっては勿体無いです!

ぜひ途中の名跡も訪れて、江戸文化の面影を感じてみて下さいね。


勝負の一年にしたい、運を身につけたいという方にはおすすめの七福神巡り。
浅草寺をはじめとした有名観光スポットから、知る人ぞ知る穴場まで様々な場所を訪れることが出来るので、浅草へ観光に来たらぜひ巡拝してご利益も身につけましょう!

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ライター紹介

くまりら

インタビュアー、ライター

93年生。縁あって、前職では有名少年漫画作品の編集をいくつか担当。 歴史ロマンのあるもの、美味しい食べ物、韓国アイドル、エンタメが好き。
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