【取材】個性豊かなクラフトチョコ。マダガスカル産にこだわるオリジナルチョコを「Biomadaga」で

古民家に様々なお店が集まった複合施設「上野桜木あたり」。
ここにマダガスカルのチョコレートを販売する、ユニークなお店があります。
その名も「Biomadaga(ビオマダガ)」。
しかもこのチョコレートは、生産からパッケージまで完全オリジナルのクラフトチョコ。
店主の伊藤Hakubunさんにお話を伺い、そのチョコレートの魅力に迫ります。

目次
カカオ栽培地からパッケージまでマダガスカルで。オリジナルチョコレートづくりのこだわり

「伊藤さんがマダガスカルに興味を持ったきっかけは何だったのでしょう。」
私はもともと、ガラパゴスやコスタリカといった、世界各国のエコツアーを作っていました。私は自然が大好きなんです。
でも、あんまり色々やるのも大変だなと思い。マダガスカルは大手の企業もあまり参入していなかったですし、当時国内便が不安定で時々キャンセルが出たりしたんです。
そういう所のほうが逆に面白いなと思って、今はマダガスカル専門のツアーオペレーターです。
「ツアーオペレーターである伊藤さんがマダガスカルのカカオに着目したきっかけを教えていただけますか。」
ツアーのお客様で、ショコラティエやカカオの研究をしている方から、マダガスカルのカカオ農園に行きたいという要望があったんです。それが、サンビラーノ川流域のカカオが良質だということを知るきっかけになりました。

マダガスカルのサンビラーノ川流域で育ったカカオはフルーティーですっきりした酸味が特徴で、フランスやベルギーのショコラティエから人気なんですよ。
サンビラーノ川流域は湿潤林になっていて、動植物が元気。自然環境に恵まれている場所です。そこでは小さな農家が組合を作ってカカオを栽培しています。
マダガスカルのカカオの生産量は、全世界のカカオの生産量の約0.2、3%と、生産量は多くはありません。ですがマダガスカルのカカオは、世界カカオ機構によって高級カカオに認定されているほど品質が良く味も美味しいんです。
「マダガスカルのカカオを使ってオリジナルのチョコレートを作るという構想はいつごろからあったのでしょうか。」
2020年ですね。ちょうどコロナが流行して、旅行もあまりできなくなってしまったときです。
マダガスカルの日本語ガイドに、チョコレートを作るところを探してほしいとお願いし、現地の優秀なショコラティエを見つけて、彼女にチョコづくりを任せています。私がフレーバーのアイデアを提案したら、彼女がそれを形にしてくれます。

「チョコレートづくりにおいてこだわったところはどこでしょう。」
パッケージ作りですね。パッケージを一目見たら、マダガスカルがどんな所なのか、こんな動植物がいるのかと分かるようなものにしました。
デザインは私が考え、パーツはイラストレーターの方に描いていただきました。パッケージは色々な人から褒めていただけます。
「チョコレートの種類によってパッケージが異なっているんですね。カラフルでとっても可愛いです。」

パッケージ作りは大変でしたね。
高くはなってしまいますが、生産からパッケージまでマダガスカルで行うことにこだわったので、パッケージの印刷もマダガスカルで行ったんです。
ですが、印刷の際にパッケージのグラデーションが印刷できないというトラブルが起こりました。なので背景をきちんと印刷できるところを探し直したんですよ。

他にも、日本では当たり前のことでも、マダガスカルだと時間がかかったりして。チョコレートの型を取り寄せるのに2,3カ月待たないといけないというようなこともありました。
日本人の感覚とマダガスカル人の感覚は全然違いますしね。チョコレートを作っていた期間はコロナの真っただ中なので現地に行くことも難しく、やりとりに尚更時間がかかりました。
「チョコレートが完成するまでに、そんな苦労があったのですね。」
ブルーチーズのチョコレート!?ユニークすぎるフレーバー
「チョコレートには様々な種類のフレーバーがあって驚きました。珍しいものもたくさんありますよね。私が一番興味を惹かれたのは「ブルーチーズ&ペッパー」です。」
チョコレートとブルーチーズを掛け合わせるというのは、実は「上野桜木あたり」の一階にあるオリーブオイル屋さん「おしおりーぶ」のアイデアなんです。
その意見を基に私がブルーチーズのチョコレートを作りたいと言ったら、マダガスカルのショコラティエがペッパーを加えて完成させてくれました。

カルダモンのフレーバーは、「上野桜木あたり」一階にあったパン屋さん「VANER」(注:現在は閉店)のカルダモンロールから着想を得ました。
私はそこのパン屋さんのカルダモンロールが大好きだったんです。もちろんカルダモンはマダガスカルのものを使用しています。ちなみにシナモン味のチョコレートも、マダガスカルのシナモンを使っています。
1番人気は「ブルーチーズ&ペッパー」ですが、私の2番目の推しは、「バニラ&レモン」です。
マダガスカルのサンババというところは良質なバニラビーンズの産地として有名です。3番目の推しは「バオバブ」ですね。
バオバブは主にアフリカを中心に生育している樹木で、このチョコレートにはそのバオバブの実のパウダーが入っています。スーパーフードでもあるバオバブは甘酸っぱい味がしますよ。

「次に作りたいチョコレートはありますか。」
砂糖の代わりにバオバブの蜂蜜を使ったチョコレートを作りたいと思っています。バオバブの蜂蜜はびっくりするほど美味しいんですよ。

ちなみに取材当日は、残念ながら「ブルーチーズ&ペッパー」は品切れでした…さすが一番人気。
取材中に訪れていたお客さんも、やはりブルーチーズ味が気になっていた様子でした。
その方はオレンジ味のチョコレートを購入されていましたよ。
「マダガスカルに迷い込んだつもりで」
「谷中にこのお店を開いたのはなぜですか。」
私はもともと、木造作りの家や古民家が好きなんです。以前ここにあったパン屋さんが好きで、こんなところで自分もお店を開きたいと思ったんです。

「これからこのお店をどのようにしていきたいですか。」
このお店は、入りづらいと思っちゃう人が多いみたいで。
「上野桜木あたり」の一階のお店の方が、「上でチョコレート売ってるよ」ってお客さんに言ってくださるんですけど、すーって通り過ぎちゃう方もいて笑

お店に入ったら何か買わないといけないと思っている方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。マダガスカルに迷い込んでしまったっていう感覚で来てくれればいいなと。
そこでマダガスカルのことを知ってくれれば嬉しいですね。お店に飾ってある写真を見ていってもらうだけでも結構ですし。マダガスカルのファンが一人でも増えるといいなと思っています。
チョコレートのことのみならず、マダガスカルのことをたっぷり話してくださった伊藤さん。
このお店を訪れたことをきっかけにハネムーンの行先をマダガスカルに決めた方や、マダガスカルに37日間(!)の旅に出た方もいたそう。
それくらいマダガスカルは人を惹きつける国なんですね。私もすっかりマダガスカルに惹かれてしまいました。
バニラ&レモン!お味が気になるチョコレートを実食
では、マダガスカルのチョコレートを食べてみたいと思います!
まずはバニラビーンズ+レモン。なかなか見ない組み合わせですよね。

金色の包装を開くと…

バニラビーンズが想像以上にたっぷり入っています!それもそのはず、原材料名の最初に「マダガスカル産バニラビィーンズ&エッセンス」の表記が。

鼻を近づけると、レモンの良い匂いがします。

まろやかな甘さのホワイトチョコ。後からレモンの爽やかな風味が追いかけてきます。
最初に匂いを嗅いだ時は酸味が強いのかな?と思いましたがそんなことはなく。バニラビーンズの濃厚な味わいのホワイトチョコがくどくならないのは、レモンのおかげ。
パクパク食べられちゃうので要注意です!
次は、カカオ72%のチョコレートをいただきます。

部屋に飾っておきたくなるほど可愛いパッケージですよね。

あ、タブレットの模様がさっきのホワイトチョコと違う!見た目も食感も変化するので、楽しいですね。

チョコレートを噛みしめるとまず口に広がるのは華やかな甘さ、そして後からフルーティーで上品な酸味を感じます。
今まで市販のカカオ72%チョコレートを何度も食べたことがありますが、比べ物にならないほど美味しい。苦みはほとんどないので、普段はミルクチョコレート派の方にも是非食べていただきたいです。
上野でマダガスカルに迷い込む
Biomadagaは、古民家とマダガスカルという異色な組み合わせなのに、不思議と調和していてとても居心地が良い空間です。
私もつい長居してしまいました。知識も経験も豊富な伊藤さんとお話すれば、マダガスカルに行ってみたくなること間違いなし。
上野や日暮里を訪れた際はふらりと立ち寄って、美味しいチョコレートを手に取ってみてはいかが。
Biomadaga
住所:東京都台東区上野桜木2丁目15−6 上野桜木あたり