星川で「気持ちを切り替える場所に」。夫婦2人の夢を叶えた、グルテンフリーのバスクチーズケーキが人気の「メリハリベイク」

横浜・星川に、夫婦2人で運営するこぢんまりとしたカフェがあります。2024年6月に「メリハリベイク」はグランドオープンしました。そこから2年、今では地域の方々に愛されるカフェとしてなくてはならない場所になっています。
今回は、オーナーの野口逸平さんと保菜美さんご夫婦に、お店を始めるまでの経緯や、グルテンフリースイーツへのこだわり、地域との関わりについてお話を伺いました。

インスタで出会い、共通の夢から始まったカフェ

「お店を始めるきっかけを教えてください。」

私は当時、別の仕事をしながら月1回だけ場所を借りて間借りカフェをやっていました。その頃はフードメインで、スイーツは少し出す程度でした。

私も平日は会社員として人事の仕事をしながら、週末はカフェでアルバイトをしていました。インスタグラムを通じて妻と知り合って、話してみたらお互いカフェを開きたいという夢が一致していて。「じゃあ一緒にやろうか」ということになりました。

「インスタグラムで出会ったんですね。結婚前から2人で間借りカフェをされていたのですか。」

私は他の人と数人で月に1回、趣味感覚でやっていたんです。でも、夫と出会ってからは2人でやるようになりました。休みはなかったですが、好きなことなので、楽しんでやっていましたね。

ドリンク担当は逸平さん

ブランドカラーに込めた想いとお客様を思って生まれたコンセプト

「ブランドカラーが紫だそうですがどういう意味があるのでしょうか。」

開業届を出した2月9日が僕の誕生日で、2月の誕生石がアメジスト。紫なんです。そこからブランドカラーを紫に決めました。また「日本の赤と横浜の青を混ぜると紫」という解釈もできて、日本の横浜で生まれたメリハリベイクという意味合いもあります。初心を忘れないようにとの思いも込めた色です。

「メリハリベイクという店名の由来を教えてください。」

来てくださるお客様のことを考えたときに、近所に住む主婦の方が多いだろうなと思いました。子育てや家事の中で、なかなか息抜きができない方が、「気持ちを切り替え、次の行動に移す場所」になればと思ったんです。「気持ちを切り替える」という思いを言い換えるとどういう言葉があるか考えていたら「メリハリ」という言葉が生まれました。

「ロゴデザインもインスタグラムで見つけたデザイナーさんに依頼されたとか。」

そうです。インスタで作品を見て気に入って、思いを伝えたらイメージをしっかり汲み取ってくれて。M(メリ)とB(ハリ)=バランスとコントラストの象徴であり、∞無限大(続いていく日々)に見えるロゴにしました。デザイナーさんと何度かやり取りをして、2人の思いが詰まった親しみのあるロゴになりました。

母の応援が結んだ、星川との縁

「星川という場所を選ばれたのはどんな理由があったのですか。」

もともと元住吉に住んでいて、川崎か横浜で物件を探していました。そんなときに、佐賀に住んでいる私の母が地図を見ながら探してくれて、この物件を見つけてくれたんです。

「九州のお母様が見つけてくれたんですね。」

ずっとカフェを開きたいと言っていたので、応援してくれていて。見に来たら大きさがちょうどよく、気に入ったのでここに決めました。知り合いばかりが来るお店にしたくはなくて、全く知らない場所で始めたいと思っていたので、立地的にも良かったんですよ。

お客様への気遣いがグルテンフリー転向のきっかけ

「グルテンフリーのケーキというのは珍しいですよね。最初からそういう方針だったのでしょうか。」

最初は普通に小麦を使っていました。でも間借りカフェをやっている中で、小麦アレルギーのお客様がいたんですよね。そこで「グルテンフリーにしてみようか」と試してみたら味も変わらなかったので、グルテンフリーで提供していくことになりました。

「作る手間が増えるということはないのですか。」

特にないですね。バスクチーズケーキはコーンスターチを使っています。小麦アレルギーの方やアレルギーの子をもつお母さんにも安心して来てもらえるので、結果的にお店としての付加価値になっています。

ランチセットには、ハーフサイズのバスクチーズケーキ、またはプリンが付きます。

人気ナンバーワンのバスクチーズケーキと、こだわりのプリン

「人気メニューを教えてください。」

バスクチーズケーキが一番人気です。最初から「チーズケーキを推そう」と決めていたわけではないのですが、自然とみなさまが選んでくださるようになって一番人気になりました。

プリンも人気があります。プリンは僕が担当していますが、お店を開くと決めてから試行錯誤して作り始めました。今はアイスカップに入れて提供していますが、それもレトロな雰囲気を出したくて始めました。平皿よりテンションが上がるかなと思って。

アイスカップに乗せたプリンがとってもお洒落。

「ガトーショコラも気になりました。」

甘すぎず、お子様にも大人の方にも食べていただけるようにと、チョコレートを何種類か試して、一切れ食べるときに飽きない味を目指しました。おかげで年齢問わず召し上がっていただいています。

「新メニューもどんどん出されているそうですね。」

今年から月1回出せるようになってきました。お客様に楽しんでもらいたいという気持ちが一番ですね。去年人気だったメニューはまた今年も出したりするので、「楽しみにしている」という声もいただきます。

梅の季節には期間限定のドリンクも。梅シロップも手作りです。

お客様に寄り添う2つのサービス

「お取り置きができるというのも珍しいサービスだと思いました。」

ここは少し辺鄙な場所とも言われるので、わざわざ来てくれたのに売り切れていたら申し訳ないと思い始めました。テイクアウトも店内利用も両方対応しています。定期的に使ってくださる常連さんも多いですね。

「夜カフェも始められたそうですね。」

以前は月1回、夜4時間ほどお店を開けて作業会のようなことをしていました。コーヒーとケーキを出して、静かな時間の中で読書や作業をしてもらうという感じです。常連のお客様が参加してくださった時に「昼間と雰囲気が全然違う、特別感がある」と言ってくださったのが嬉しくて、夜カフェを始めました。

店内のお席は最大10席。夫婦2人でしっかりとお客様に配慮できることを、大切にされています。

「夜カフェは毎日されるのでしょうか。」

日時を決めての営業になります。イートイン時間は完全予約制になります。テイクアウトは営業時間内であればいつでも大丈夫です。営業日時はInstagramで随時お知らせしています。

地域の温かさに支えられて

「地元の方とのつながりで印象的なエピソードはありますか。」

最初、朝7時から夕方4時で営業していましたが、全然人が来ませんでした。そうしたら、改装中から声をかけてくれていたご近所の方が「この時間は誰も来ないよ」と教えてくれたんです。その言葉ですぐに営業時間を変えました。変更したらお客さんが来てくれるようになったので、ありがたいアドバイスでした。

「常連さんも多いそうですね。」

半分以上は常連さんといっていいくらい通ってくださっています。ご近所のご年配の方もいれば、ベビーカーで来てくださる若いお母さんもいて、本当に幅広いです。男性お一人で来られる方もいらっしゃいますよ。
この辺りはカフェがほとんどない「カフェ砂漠」と言われる場所だったそうで、「ここにカフェができてよかった」と言っていただけるのが一番嬉しいですね。

このランプもお客様からのいただき物だそう。お客様との素敵な関係が伝わってきます。

「接客で大切にされていることは何ですか。」

お水のコップをわざと小さくしています。店内に死角が多いので、お水を注ぎに行きつつ、お客様の様子を見ることを大切にしたくて。カフェでバイトしていたときに意識するようになりました。

これからの「メリハリベイク」

「今後やってみたいことはありますか。」

横浜駅周辺のまだ出たことのない百貨店への出店にも挑戦してみたいと思っています。ただ2週間規模のイベントになると、その間お店を閉めることになるし、2人でやるには体力的にも大変なので、もう少し期間の短いものがあれば出たいですね。

横浜高島屋での催事出店の様子。大変だったけど、終わってみたら「またやりたい!」と思ったそう。

見た目も美しい1番人気のバスクチーズケーキ味わう

見た目はずっしりとしていて、クリーム色がきれいなバスクチーズケーキ。一口食べるとしっとり、口の中で溶けていくような感覚でした。甘さは控えめ、チーズの酸味も強くなく一切れペロッと食べられる美味しさ。

次回は、期間限定のバスクチーズケーキやプリンも食べてみたいところです。

お2人の笑顔に癒される空間

常に新しいチャレンジをすることにワクワクすると話すお2人。取材中も終始笑顔で楽しそうな雰囲気が印象的でした。百貨店や区民祭りへの出店、結婚式の引き出物を引き受けたり、川越のコーヒーポストさんとの年1回のコラボイベントも行ったりと、2年間でさまざまな挑戦を重ねています。やりたいことを楽しみながら形にしていく2人から、目が離せません。

焼き菓子も豊富。結婚式の引き出物の相談も受け付けているそうです。

「メリハリをつけてもらいたい」という2人の思いは、地域に確かに根付いています。お2人に会いに来るお客様がいるのも、納得です。
お2人のあたたかさを感じながら、こだわりのグルテンフリースイーツを楽しみたくなったら、ぜひ横浜・星川のカフェ「メリハリベイク」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

メリハリベイク
住所:横浜市保土ヶ谷区峰岡町2-325-6 オレンジカウンティビル101
営業日:Instagramの投稿「SCHEDULE 」をご確認ください
営業時間:11:00~17:30
席の予約不可、商品のお取り置き可

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森田かえ

取材ライター

教育・子育て・暮らしを中心に執筆する取材ライター。 人の想いや背景を丁寧に聞き取り、言葉にすることが得意です。 子どもや家族、地域にまつわるテーマを軸に、読み手の暮らしに届く文章を心がけています。 お酒を飲みながら一人の時間を楽しむのが、ささやかな幸せ。
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