【取材】止まらない挑戦。常に新しいことにチャレンジを。簡易食器のパイオニア「サンナップ株式会社」
1968年の創業以来、紙コップ・紙皿を中心に簡易食器や包装容器を提供し続けている「サンナップ株式会社」。
創業当初は「日本に紙コップ・紙皿の文化がなかった」というところから事業を始めたと言います。
そんなサンナップがここまで成長を果たしたのは、いったいどのような背景があるのでしょうか。
今回は、サンナップの商品部・市場戦略グループの松尾さんに詳しくお話を伺いました。
お話を聞いたのは・・・
サンナップ株式会社 商品部 市場戦略グループ
課長 松尾 茂樹さん
――サンナップはどのような事業を展開している会社ですか?
我々は、包装容器メーカーのグループ会社の中にある小さな販売会社です。
グループ会社の中には缶やペットボトルといった容器から紙コップなどの簡易食器を作る会社まで、多くの会社があります。
その中で当社は、紙コップや紙皿といった簡易食器を中心に開発・販売を手掛けています。
お客様の安心・安全を考え、品質を最優先させることはもちろん、日々変化するお客様のニーズに応えるべく機能性やデザイン性にもこだわった製品をクリエイトしています。
――「お客様のご満足のために」。その想いでみなさん日々お仕事をされているのですね。
そうですね。紙コップ・紙皿というと100円ショップで買えるような、安価なものもありますが、当社は包装容器のプロ集団として、そうした商品とは差別化を図れるような商品開発ができるよう日々努力しています。
価格だけでなく、品質も重視した製品を販売していく。
そうすることで常にお客様から信頼されるブランドメーカーを目指しているのです。
紙食器の文化を日本に植え付けるところからの挑戦
――サンナップさんの紙コップはデザイン性も高いものが多いですよね。創業は1968年とのことですが、デザインに力を入れ始めたのはいつ頃からですか?
創業からまもなく、デザイン性のある紙食器を販売していました。というのも、もともと日本には紙コップ・紙皿の文化がなかったんです。
それでまずは、「アメリカの紙食器文化を日本に持ち込もう」というところからのスタートでした。最初は輸入品も販売していた形ですね。
――なるほど。アメリカの紙食器はもともとデザイン性に優れていたというわけでしょうか?
創業の社長は「ホールマーク」という、グリーティングカードのブランドが販売していた紙食器に目をつけていたようです。
ホールマーク製品はデザイン性の高いものが多いですね。
とはいえ輸入品だけで商売していくにはなかなか難しかったので、国内外のキャラクターのライセンスも持ち込み、デザインに取り入れて販売もしていました。
――創業当初から、デザインに力を入れていたのですね。キャラクター製品は需要も高そうです。
いえ。キャラクターものは需要の変化が著しく、逆にキャラクターしか強みがない時代は厳しかったんです。さらに言うと、実際に日本でよく売れるのは白い紙食器でした。
それで、独自のブランドやデザインを増やしていくことで、確実に需要をつかむことが必要だと考え、今はライセンスを減らして独自のデザイン性に力を入れています。ここ10年ぐらいでブランド戦略へと移行していく形となりました。
――キャラクターだけではうまくいかなかったというのは、少し意外な感じがします。
そのときよりも、今のほうが会社の業績もいいんですよ。当時はキャラクタービジネスのようになっていたので、キャラクターがダメになれば商品もダメになる、といった状態でした。
そもそも使い捨ての食器にキャラクターものは需要がないようです。私たちがそれまでしていたことは、悲しいことにお客様には求められていない価値だったんですよね。
だけどスヌーピーは100円ショップでの販売もなく高い価値を維持してくれているので、コアなスヌーピーファンも多く、人気を持続しています。
コロナ禍における課題や環境問題も
――最近抱えている課題はありますか?
常に課題と向き合いながら、課題のクリアに取り組んでいます。最近ではやはりコロナ禍における大きな痛手がありました。コロナによってデジタル化が進んだことでテレワークが増えたので、結果としてオフィスで仕事をする人が減ってしまったんです。
当社の製品はもともとオフィス需要も高いので、今後の需要の推察が難しいと考えています。
――意外なところに打撃があったのですね。
そうですね。あとは行楽需要の落ち込みももちろん、大打撃となりました。
今でいうとお花見だったり、夏から秋にかけての運動会だったり。そうしたイベントごとに大きな需要があったのですが、以前に比べて行楽需要は圧倒的に減少しましたね。
――ホームパーティーなんかも、今はなかなかできないですからね。他にも何か課題はありますか?
もうひとつ、私たちが取り扱っているのが「使い捨て食器」というところに課題があります。いわゆる、環境問題です。
プラスチックよりも紙の方が環境に良いと考えてくれる人が多いので助かっている部分はあるのですが、環境問題に向き合ったとき、そもそも使い捨て食器を使わなければ良いという考え方もあると思います。
今後は、“使い捨ての容器” という概念を変えていかなければならないかもしれません。今後真剣に向き合っていかないといけない、今一番の課題ですね。
プラスチックよりも紙の方が環境に良いと考えてくれる人が多いので助かっている部分はあるのですが、環境問題に向き合ったとき、そもそも使い捨て食器を使わなければ良いという考え方もあると思います。
今後は、“使い捨ての容器” という概念を変えていかなければならないかもしれません。今後真剣に向き合っていかないといけない、今一番の課題ですね。
――確かに環境問題は大きな課題となりそうですね。何か具体的な施策はあるのでしょうか?
例えばですが、当グループの中には缶・びん・ペットボトルといったリサイクル素材を扱っている会社もあります。それらを生かして何かの形で商品にできないか……。
それを実現できれば、生きる道もあるんじゃないかと考えています。
きっとハードルは高いですけどね。
――ありがとうございます。なんだか暗いお話ばかりになってしまったので、最近の明るい話題についてもよろしければ教えてください!
明るい話題、ありますよ。なんといっても新入社員が入ってくれたことが、今一番の明るいニュースです。新しい社員が入るたびに社内が活性化するんですよ。
社会人としてスタートを切った新入社員に、後悔のない “サンナップ生活” を歩んでいただけるよう、何より先輩社員たちの指導力が問われますし、私たちにとっても良い刺激となっています。
常に “チャレンジ精神” を忘れずに
――最後になりますが、もっとも大切にされている理念をお聞かせください。
グループ全体として「常に新しい価値を創造し持続可能な社会の実現に貢献する」という経営理念を掲げております。
それに基づき当社は新規開発をはじめ、新たな取り組みを製品・サービスに付加しています。
容器メーカーに属する企業として、新しい価値を提案し “続ける” ことがもっとも大切だと我々は考えています。
“続ける” ことで常に提案できる土俵に立つことができるわけですから、まずはその土俵に立てなければ意味がありません。
常に新しいニーズを考えながら、そのなかで提案できる引き出しをたくさん持つというのも大事なことだと思います。
――常に新しい価値を提案し続ける。“続ける”というところに意味があるのですね。具体的に最近の事例はありますか?
「ANDSCAPE(アンドスケープ)」ブランドでこの春、シリコーン素材のリユースリッド(フタ)と真空構造のステンレスタンブラーを発売しましたが、それらは日頃使っている紙コップに新しい使い方、すなわち価値を提案するものなんです。
紙コップ片手にアウトドアマーケットに参入しようにも、おそらく相手にはされません。そこで売りたい物は紙コップですが、紙コップが便利に使えるための商品としてそれらを開発し、発売しました。
紙食器だけでマーケットへの参入は難しかったですが、次から次へと提案を続けています。
とにかくチャレンジする――。常にチャレンジ精神を忘れずに、日々業務を遂行しています。
――創業から今まで、常にいろんなことに挑戦し続けているのですね。
そうですね。アンドスケープの商品は、これからさらに力を入れて売り出していきたいと思っています!
――本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。
創業当初から常に “挑戦” し続けてきたというサンナップさん。
お話にもあった通り、新たなオリジナルブランドを立ち上げるなど、今もなお立ち止まることを知りません。
今後のさらなる成長に期待が高まります。
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