取材|元バックパッカーが作る絶品ジャークチキン!浅草の隠れ家「Deli&Bar ONE LOVE」でこだわりの詰まったボリューミーなランチを

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西浅草に、こぢんまりとしたイタリアンバルがあります。

そこではイタリアンのみならず、の本では見かけることの少ないジャマイカ料理の「ジャークチキン」が味わえます。
しかもそれを作っているのは、世界中を旅した元バックパッカー!
店主のToruさんと奥様にお話を伺い、お店の魅力を探ります…!

お店の名前「Deli&Bar ONE LOVE」の由来は、ボブ・マーリーの曲名「ONE LOVE」。

約50カ国を旅したバックパッカーがレストランを始めた理由

「この地でお店を始めた理由は何でしょうか。」

Toruさんの奥様:彼はもともとバックパッカーで、合計10年間くらい旅をしていたんです。行く先々で色々な方に温かく迎え入れてもらったので、今度は自分が迎え入れる側になりたいという思いがありました。そして、たくさんの人と繋がれるチャンスが多い場所はどこかと探しているうちに、浅草に辿り着いたんです。

「ちなみにToruさんがバックパッカーになったきっかけは何だったんですか。」

Toruさん:子どものころから日本にいるのが嫌だったんですよね。それで、高校生の時に友人と二人でアメリカに行きました。ホテルも何も予約取らずに。

「すごい行動力…」

Toruさん:二週間くらい滞在して帰ってきたのですが、その経験がとても面白くて。社会人になってから働いてお金を貯めて、その後オーストラリアに1年間ワーキングホリデーに行きました。

「全部で何カ国くらい回ったんですか。」

Toruさん:数えてはいないですが、50カ国くらいですね。主に東南アジアを中心に回りました。

「アジアを中心にめぐるようになったのはどうしてだったんでしょう。」

Toruさん:オーストラリアから日本に帰国するときに、タイに寄ってから帰国したんですよ。日本に直接帰ってくる前に、別の国に行きたくて。そこでアジアって面白いなと。

「旅先で一番印象に残っている料理はありますか。」

Toruさん:タイの東北料理である『ラープ』ですね。お肉のサラダです。タイは食事はもちろん、人も良くて大好きです。

カウンター席は、Toruさんに旅の話を聞くチャンス!

「Toruさんは、もともと料理の仕事をしていたんですか。」

Toruさん:最初に働いたのが飲食店だったんです。ビアホールで働いていました。

「そこでの経験は今のお店で活きているのですか。」

Toruさん:いや、全く活きていないです笑 実はこのお店を始めたのも、飲食業をやりたかったからというより、人と繋がれる仕事を探していたらそれがたまたま飲食だったという理由なんです。

「人と繋がるという目的が先行だったんですね。飲食業の中でも、イタリアンを選んだ理由は何でしょう。」

Toruさん:バックパッカーをやめてから働いた飲食店がイタリアンだったんです。そこで、このお店もイタリアンをベースとしています。

お店の内装は奥様のデザイン。「非日常感」をコンセプトにしたそう。

「こちらのお店は、自家製ハムやベーコンが名物ですよね。自家製にしようと思った理由はどうしてなんでしょうか。」

Toruさん:単純に自分で作ったほうが美味しいということと、何が入っているか分かるという安心感があるからです。それまで自家製のハムやベーコンを作ったことはなかったのですが、お店を始めるにあたって作り始めました。

「自分の理想とするものができるまでに、どれくらいの時間がかかりましたか。」

Toruさん:最初の一発目からいい感じにできました笑 でも試作は何度も重ねましたね。


世界中を旅してきたToruさんのチャレンジ精神と実行力が、このお店の料理作りでも存分に発揮されているようです。

ランチの名物「ポールおじさんのジャークチキン」の秘密

「こちらのお店はイタリアンバルですが、ジャマイカ料理であるジャークチキンも人気なんですよね。ジャークチキンをメニューに入れることはいつ決まったんですか?」

Toruさん:早い段階でメニュー入りが決まりましたね。実はそれまでジャークチキンを作ったことはなかったんです。ボブ・マーリーがジャマイカ人ということで、ジャマイカ料理であるジャークチキンに元々興味があったんですね。そこでお店のメニューに取り入れることにしました。

「そうだったんですね。ちなみに、メニュー名は「ポールおじさんのジャークチキンセット」となっていますが、ポールおじさんとはどなたなんでしょう…?」

奥様:ニューヨークに住んでいる私の妹の家のオーナーがポールという名前のジャマイカ人のおじさんなんです。その人がジャークチキンの作り方を教えてくれました。

「そうだったんですね。ジャークチキンのこだわりは何ですか。」

Toruさん:余熱で調理することですね。一度フライパンで焼いてからオーブンで焼いています。そうすることでジューシーになるんです。また、味付けには十種類以上のスパイスや香草を入れています。

「ジャークチキンも一発で味が決まって…?」

Toruさん:一発で、ほぼいい感じです。

「笑」

奥様:ランチではジャークチキンが人気です。テイクアウトされる方も多いんですよ。

それまで作ったことがない料理も、一発で味が決まるとは!直感派のToruさんらしい「Toru節」が炸裂していました。

心のこもったおもてなし。全ての人に美味しい料理を

こちらのお店は、雷門や浅草寺がある、いわゆる観光地の浅草ではなく、西浅草に位置しています。

そのため、観光客の方よりも、近所の方がよく来られるそう。
私が訪れたときも、常連さんがジャークチキンセットを注文していました。ただ、最近は外国人のお客さんも増えてきたそうです。

「浅草の中心部からは少し離れているのに、外国人の方はどうやってこちらのお店を見つけたのでしょう。」

Toruさん:この辺りはホテルや小さな宿が多いんです。そこに滞在してる方が道に迷い込んでこの店に来店することもあります。外国人の方が訪れたときは、好みやアレルギーを聞いたうえで料理をおすすめしています。
外国人の方の中には、ベジタリアンの方や宗教上の理由で食べられない食材がある人もいますから。もしメニューにないものでも、オーダーがあれば対応しています。


例えばパスタは夜のメニューですが、頼めばランチタイムにも対応してくれるそう。
そんなフレキシブルなところも、このお店の魅力の一つです。
ちなみに海外の方には、バジルチキンとジャークチキンが特に人気なんだそう。

英語表記のメニューも用意

「これから新しく出してみたいメニューはありますか。」

Toruさん:今はお肉料理がメインなので、魚介類も増やしていきたいですね。いいものがあれば、イタリアンに限らず出していきたいと思っています。

「Toruさんが料理を作るにあたって、大切にしていることは何ですか。」

Toruさん:妥協しないことですかね。『これでいいや』はない。


手間ひまを惜しまず自家製にこだわるToruさんの姿勢から、その信念を垣間見ることが出来ました。

ボリューム満点のジャークチキンを実食

では、早速人気メニューのジャークチキンをいただきます。

ジャークチキンセットは、大きなプレートにてんこ盛り。

一番上から時計周りにサラダ(中に自家製リコッタチーズが隠れています)、自家製ハム、燻製ポテトサラダ、フライドポテト、ジャークチキン、ごはん、中央にあるのはファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)です。

ジャークチキンは皮がパリッパリ。肉はジューシーでしっとり。スパイスやハーブが効いたチキンはしっかりめの味付けでご飯が進みます。
添えられているレモンを絞ると、さっぱりしてまた違った味わいに。

ちなみにポールおじさんは、今年か来年あたりに日本に来たいとおっしゃっていたそう

名物の自家製ハムはしっとりした食感で、、脂は舌の上でとろけます。
ハムに使用している肩肉はスペイン産の赤豚、ロース肉は大麦仕上げ三元豚というブランドのものです。食べ比べをして、豚のブランドを決めたそう。仕込みにはなんと二週間ほどかかるんだとか。

燻製ポテサラはイタリアンバルなだけあって、オリーブなどが入っていてお酒にも良く合いそうな大人な味わいです。持ち帰りでも人気なんだそう。

サラダに隠れている自家製のリコッタチーズは、爽やかな酸味とほろほろした食感が印象的。

エジプトに半年以上滞在していたというToruさん。
こちらのプレートのファラフェルはそのときに食べたものがベースになっています。エジプト料理はオリーブオイルをたくさん使うなど、イタリアンとの共通点があるため取り入れやすかったそう。
こちらのファラフェルも、もちろん自家製。カリカリの衣とひよこ豆の素朴な甘さが後をひき、どんどん食べたくなります。

そして味だけでなく、ボリューム満点なところも魅力的。
なぜこんなにボリューム満点なのかというと、Toruさん自身が「ちょっとしかないご飯はいやだから」だそう。「どんなに美味しくても、お腹いっぱいにならなかったら満足できない」というToruさんが作ると、「ボリュームがすごいことになった」んだとか。もし量が多くて食べきれない場合は持ち帰りもできるそうなので、小食の方も安心ですね。

そしてランチの後は、お楽しみのデザートタイム。今回はToruさんのご厚意で、デザートもいただけることに。Toruさんおすすめのチーズケーキをいただきました。

濃厚なのにくどくないチーズケーキは、チーズの酸味と甘みのバランスが絶妙。。ボトムのクッキー生地の香ばしい風味としっとり食感もたまりません。

私が訪れた際のスイーツメニューはチーズケーキに加え、チョコレートサラミもありました。スイーツメニューは定期的に変わるそうなので、甘いものは別腹!という方はぜひ注文してみてください。

ゆったりとした空気が流れる、居心地の良いお店は、まるでToruさん夫妻のお人柄をそのまま表しているかのよう。
私も居合わせた常連さんとToruさん夫妻とついついお話を楽しんで長居してしまいました。情熱とこだわりを持って料理に向き合うToruさんが作る美味しい料理と、奥様が作りあげた非日常的なのに落ち着ける空間を味わいに、「Deli&Bar  ONE LOVE」を訪れてみてはいかがでしょうか。

Deli&Bar  ONE LOVE
住所:東京都台東区西浅草2-16-9 杉山ビル 1
電話:03-6231-7049
営業時間:
平日11:30~15:00 17:30~23:00
土日祝11:30~15:00 17:00~23:00
定休日:火曜日


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ライター紹介

かくに

フリーライター

出身は北海道。 初めてのひとり旅はクロアチア(初海外)。 方向音痴。 食べることが大好き。 一人ご飯も大好き。 好物はスープカレーと豚の角煮と抹茶。
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