【取材】浅草にある唯一のベルギースイーツショップ「スイーツスタジオベルノート」お勧めのタラポト・チョコレートケーキが大人気
生きることのSweetも、
生きることのBitterも、
ベルギーの
チョコレートケーキから、
学んだ。
チョコレートケーキは甘く、そしてほろ苦い。
人間の人生の感情のすべてを集めたようなセンチメンタルなスイーツである。
生きていくうえでの、つらいこと。そして、楽しいこと。
チョコレートケーキを食すれば、その人の人生の苦楽が味わいとして、お口に響く。
チョコレートのスイーツといえば、実は、知る人ぞ知る、ベルギーが本場なのだ。
ネットで、ベルギーこそ、チョコレートケーキ王国と理解したとき、偶然、浅草にベルギーのチョコレートケーキショップがあることを、僕は知った。
そのショップ名は、
「スイーツスタジオ ベルノート」。
20年間、ベルギーにて修行されたオーナーシェフの上野氏にオファーをとり、直接、インタビューを敢行した。
ベルギーで20年間、修行を積んだ上野オーナーシェフは、ベルギーのチョコレートケーキから、生きることの魅力、生きることのほろ苦さを学んだと言う。
それだけチョコレートケーキを作るという人生は、さまざまな人々の人生に繋がっているのだ。
スイーツの道に入るきっかけは、どういうことからだったのですか。
実家が飲食店をオープンしていたので。私も料理をしたいなあ、と思って、料理学校に行き、それから家を手伝っていました。でも親が、好きなことをやっていいんだよと、とても理解を示してくれたので。それで、入ったのがケーキ屋さんだったのです。
少しでもフランスの文化にたずさわりたかったので。最初、フランス人の方がオーナーをしているパン屋さんに聞きましたら。関連会社でケーキ屋があるので、まず、そこに入ってみないか、と言われて。ケーキの世界に入ったのです。
22歳ぐらいのときですかね。25歳まで修行をしました。ベルギーに行ったきっかけは、前妻がベルギー人で。結婚したら、ベルギーに帰りたいと言うので。子どもと一緒に家族全員でベルギーに移りました。
ベルギーといえば、チョコレートとかワッフルとか、世界のスイーツを引っ張っていますね。
ベルギーでは、ケーキを作っていても。必然的にチョコレートケーキが多いですし。私が勤務していた店では1店舗でチョコレートを年間20トンほど創っているんです。
日本のケーキ屋さんとか、チョコレート屋さんとかが一生かかっても扱わない量だと思います。そういう環境で作っているので、素材の見方から組み合わせ方から、ケーキを作るポイントが日本とまったく違いました。
簡単に言えば、素材をどう活かすかですね。全然、発想が違うケーキ作りでしたね。
ベルギーでの20年の経験は、どのように活かされていますか。
もう発想そのものが、ベルギーでやっていたことと同じことを日本でもやっていますね。素材をどうするかですね。素材そのものから、どうケーキ作りをするかにつきますね。
ベルノートさんで人気のタラポトとは、どういうケーキなんでしょう。
タラポトは、チョコレートを食べるケーキですね。素材がアマゾンカカオなのですが。10年ぐらい前に、ある会社のチョコレートケーキの立ち上げに関わったんです。
そのとき、いろんな国のカカオを味見して。マダガスカルカカオが一番美味しいと思っていたんですが。その後から、アマゾンカカオの噂をきいて、食べてみてびっくりしまして。
ペルー・アマゾンで作られているカカオなのですが。これは、いけるなと思って。そして考えたのが、タラポトというケーキなんです。
タラポトというケーキの名前は、タラポトの街がカカオ村の近くにあったことから、そのネーミングにしました。タラポトのケーキのデザイン、素材もうちのオリジナルです。
カカオパーセンテージが82%で。ふつう82%のチョコレートを使ったケーキなんか苦くて食べられません。でもうちの企業秘密で食べやすくしています。
生クリームも35%から45%のものをチョコレートと合わせて作るんですけど。私は、もっと低脂肪の22%の生クリームとお水を使って。いかにカカオの味を引き出すかということをしています。
タラポトは、そういうきめ細かな作り方をして、出来上がったチョコレートケーキなんですね。真夏はこういうケーキは、どこのケーキ屋でも売れません。
でも、うちはやめられないくらい、夏でも食べたいというお客さんが幸運にもいらっしゃいます。タラポトを食べて、今まで食べたチョコレートケーキはなんだったのか。とまで、おっしゃるお客さまもいらっしゃいます。
上野オーナーシェフの、夢をかなえるモチベーションとは、なんでしょう。これからの夢は、ありますか。
それは、続けることですね。できるまで、やめないこと。ながく続けること。
これからの私の夢は、自分が作ったケーキを何らかのカタチで弟子たちが引き継いで、ベルノートであったよね、このケーキ、と。お客さまに言っていただけたら、最高ですね。
そして、いつまでも自分が作りたいものを、そのままお客さんに届けたいですね。
志をもった若い人に、アドバイスはありますか。
生活とか、遊びとか、友達とか。そういったものをいっさい忘れて。3年とか、5年打ち込んでみるということが一番大切ですね。それだけを考えて、実行を続けること。
上野オーナーシェフの、その考えには、僕も賛成だ。
僕もコピーライターになりたてのころ、遊びもせず、友達とも付きあわず、コピーライティング一筋に打ち込んだ。
キャッチコピーの1000本ノックも受けた。
コピー中心の生活を5年は続けただろうか。
やはり長く続けている人は、こうしたストイックな生活を経験しているのだ。
ストイックは、人間の魂を成長させる。
ストイックは、人間の魂を清らかにする。
ストイックは、人間の魂を輝かせる。
20代から100歳まで、みんな、いま旅の途中なのだ。
店舗情報
スイーツスタジオ ベルノート
Sweets Studio Bellenote
03-5603-0037
東京都台東区浅草3-38-5
サンクタス浅草レジデンス
営業時間:10:00~19:00
2020年8月現在
・時短営業中のため18時閉店
定休日:水曜日
(月1~2回連休あり。カレンダーによって変更の場合あり)
新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。
ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
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