北欧の暮らしに出会う|東京都美術館「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展へ

上野で北欧を感じる「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展とは?

台東区・上野公園にある東京都美術館では、2026年4月12日(日)まで「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展が開催中です。
スウェーデン美術黄金期の絵画を紹介する展覧会で、実際に訪れてきました。

スウェーデンというと、IKEAや北欧の家具を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。あるいは、ABBAやカーディガンズなど、日本でもヒットした音楽を思い出す人もいるかもしれません。

とはいえ、スウェーデン絵画といっても、どんな画家がいるのかピンとこないという方も多いはず。そんなスウェーデンの絵画をまとめて見られる、貴重な機会です。

実際に伺ってみると、専門的な知識がなくても楽しめる、北欧の暮らしのエッセンスが詰まった展覧会でした。

Photo: Yuya Furukawa
Photo: Yuya Furukawa

「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展とは?どんな展示?

今回の展覧会では、19世紀末から20世紀にかけてのスウェーデン絵画を紹介しています。日本でいうと、明治から大正期にあたり、この時期に描かれた絵画作品が中心です。

日本ではスウェーデン絵画に焦点を当てた展覧会は珍しいものですが、近年はスウェーデン国内だけでなく、フランスやアメリカでも大規模な展覧会が開催されています。

本展ではスウェーデン国立美術館協力のもと、重要作品が多数来日。「自然」「光」「日常のかがやき」をキーワードに、北欧の人々の暮らしや価値観を感じられる展覧会になっています。

スウェーデン絵画展の注目ポイント3選!

北欧ならではの「自然と光」に癒される

まず注目したいのは、スウェーデン特有の自然風景や、柔らかな光を捉えた作品の魅力です。
湖や森林、群島といった北欧ならではの自然風景、そして北国特有の穏やかな光。ドイツやフランスともまた一味違う、静かで穏やかな世界が広がります。風景画が好きな方には、特におすすめです。

当時、スウェーデンの画家たちは、日本の画家たちと同様に芸術の中心地であったフランスへ渡り、絵画を学びました。バルビゾン派や写実主義、印象派の影響を受けた様子が見受けられます。
技法や表現方法に影響を受けつつも、自国の風景や光の魅力に気づき、独自の表現を生み出していった背景がわかりやすく解説されています。

「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展示風景、東京都美術館、2026年Photo: Yuya Furukawa
Photo: Yuya Furukawa 「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展示風景、東京都美術館、2026年
「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展示風景、東京都美術館、2026年Photo: Yuya Furukawa
Photo: Yuya Furukawa 「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展示風景、東京都美術館、2026年

「日常のかがやき」から、心地よい暮らしのヒントを見つける

本展の大きな見どころの一つが、スウェーデンを代表する画家、カール・ラーションの作品です。
「リッラ・ヒットネース(Lilla Hyttnäs)」と名付けられた自邸を舞台に、家族の日常を温かい眼差しで描き出しました。

丁寧に描かれた日常の風景は、現在の日本でも人気の高い「北欧デザイン」や、スウェーデンらしい「ウェルビーイング(心豊かな暮らし)」のルーツを感じさせます。

カール・ラーション《カードゲームの支度》1901年、スウェーデン国立美術館蔵
カール・ラーション《カードゲームの支度》1901年、スウェーデン国立美術館蔵

北欧の暮らしや、家具、建築、デザインに興味がある方には特におすすめです。
ミュージアムショップではリサ・ラーソンやミナ ペルホネンのグッズも並び、展覧会の余韻をそのまま持ち帰れるのも嬉しいポイントです。

スウェーデン絵画展のミュージアムショップではリサ・ラーソンやミナペルホネンのグッズも並ぶ
Photo: Yuya Furukawa

北欧の神秘的な一面「見えない世界」に触れる

フランスで絵画を学んだスウェーデンの画家たちは、自国へ戻ると「スウェーデンらしさとは何か」を模索し始めます。

カール・ラーションは家族の日常を描き、アンデシュ・ソーンが民族衣装の人物や日常の風俗を描くことで、スウェーデンらしさへの回答を示しました。一方で、神話や歴史に目を向けた画家もいました。

アウグスト・マルムストゥルムは精霊や神話を題材にした幻想的な作品を描いています。また、劇作家・作家としても知られるアウグスト・ストリンドバリは、独自の精神世界を表現した作品を残しています。

こうして、少し不思議で魅力的な、北欧の精霊や神話、画家の内面を描いた作品が生まれます。

アウグスト・ストリンドバリ《ワンダーランド》1894年、スウェーデン国立美術館蔵
アウグスト・ストリンドバリ《ワンダーランド》1894年、スウェーデン国立美術館蔵

北欧神話の世界は、実は日本の漫画やアニメでも描かれており、幻想的なイメージに魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。

春のお散歩ついでに、北欧の文化にふれるアート体験を

どんな作品があるのだろう?と前情報も少ないままに訪れた展覧会でしたが、北欧の柔らかな空気感に包まれた、とても心地よい空間でした。

「アートは少し敷居が高いかも」と感じる方でも、インテリアやライフスタイル雑誌を見るような感覚で気軽に楽しめます。
当日観覧料は、一般2,300円、大学・専門生1,300円、65歳以上1,600円です。18歳以下・高校生以下は無料になります。
上野公園は美術館の他にも見どころがたくさん。
展覧会の余韻に浸ったり、公園内の自然と北欧の風景を重ね合わせて散策したりと、心地よい休日が過ごせるはずです。ぜひ春の休日に、上野公園で北欧のライフスタイルに触れてみてはいかがでしょうか。

開催概要&アクセス

展覧会名: 東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき
会場: 東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)

会期: 2026年1月27日(火)〜 4月12日(日)
時間・休室日: 9:30〜17:30(金曜は20:00まで)※入室は閉室の30分前まで/ 休室日: 月曜日

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鶴丸 明

アートの仕事に10年以上携わりながら、台東区の美術館・博物館・ギャラリーを日常的に巡っています。アートを「詳しい人のためのもの」にとどめず、初めての方でも気軽に楽しめる見どころや鑑賞のポイントを紹介。上野・御徒町・浅草エリアを中心に、展覧会レビューや美術館、カフェ、本屋などをつなぐ街歩き情報を発信します。

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