福岡|平尾で見つけた”小さなパリ”。フランス雑貨店「メリアノーチェ」で宝探し

福岡市中央区・平尾の閑静な住宅街に、知る人ぞ知る細い路地があります。その突き当たりに築80年の古民家を生かした、フランス雑貨店「メリアノーチェ」があります。
2000年に築80年の古民家を生かした、フランス雑貨店「メリアノーチェ」があります。2000年のオープン以来、地元の女性たちから旅人まで、幅広く愛され続けています。

天窓の光に浮かぶ、店内を埋め尽くすキュートな”宝物”たち

西鉄平尾駅から徒歩5分。スマホのナビを片手に、思わず足元を確かめたくなるような細い砂利道を進むと、その先にひっそりと佇む扉が現れます。ひとたび扉を開ければ、福岡にいながらにして、はるか遠くパリの雑貨店へとトリップしたかのような錯覚に包まれます。

扉を開けた瞬間に飛び込んでくるのは、かわいいもので溢れた圧巻の空間。思わず、「わぁ〜!」と感嘆の声をあげてしまう人もいるほどです。
足元から天井近くまで、所狭しと並ぶのは約5000点にも及ぶ雑貨たち。若い女性はもちろん、年を重ねた女性も自然と笑顔になります。まるで絵本の中に迷い込んだような、楽しげな雰囲気が店内いっぱいに広がっています。

店内にはフランスのラジオが流れていて、言葉は分からなくても、軽快なリズムの響きが耳に心地よく、まるでパリの雑貨屋にいるかのよう。見上げれば、やさしい自然光を落とす2つの天窓。外の現実世界とは切り離された、温かみのある異空間そのものです。
最近のショップはミニマルな空間が多いもの。その点、ここは視界のすべてが愛おしいもので埋め尽くされた、ギッシリ感が新鮮に映ります。地元の方から海外からの旅人まで、訪れる女性たちはみんな等しく、少女のように瞳を輝かせ、宝物が詰まった店内から壁面までを見上げています。
「店内にあるフランス雑貨は現地から買い付けてきたものなんです。コロナなどもあってしばらくは渡仏できず、現地の方に送ってもらったりしていましたが、そろそろ買い付けも再開しようかと。やっぱり自分の目で見て、お客さまに喜んでもらえるものをたくさん仕入れてきたいですね」とは店主の酒瀬川恭子さん。今年の冬には、現地での買い付けを再開する予定とのことでした。

酒瀬川さんのセンスが光る商品は、バリエーションに富み、エッフェル塔が模された細工が施してある糸切りばさみや、現地のホームセンターの棚に転がっていそうな無骨で味のある釘など、フランスの暮らしの息づかいが伝わってくる実用品。かと思えば、日本ではめったに見かけないスクエアの取っ手が付いた美しいアンティークグラスや、ぽってりとした厚みのカフェオレボウルなど、一つひとつ表情の異なる食器やヴィンテージもののアクセサリーが並べられています。

自分で使うもよし、友人へのプレゼントに購入するもよし。店内から宝物を探すように、わたしだけの”小さなパリ”を見つけ出す楽しみがあります。

樹齢70年の椋の木が語りかける、静かな癒しのパワースポット

このお店を語る上で忘れてはならないのが、店内のイートインスペースに堂々とそびえ立つ、樹齢70年近い椋の木です。

建物を貫くようにして鎮座する姿は、まるでこの場所を見守り続けてきた御神木のよう。お店がオープンするずっと前から、この土地で風を浴び、季節の移ろいを見つめてきたのでしょう。今ではお店の空気そのものを包み込む、大きな存在となっています。
「その木をそっと触ってみてください。癒されますよ」
酒瀬川さんに勧められるまま手を添えると、不思議と気持ちがほどけていきます。
「週に一度、この木に会いに来て、お茶を飲んで帰られる方もいらっしゃるんですよ」
まさに癒しのパワーが溢れるこの場所は、地元の人はもちろん、遠方から旅してきた人々にとっても、日々の疲れをほどいてくれるとっておきのスポットといえるでしょう。ぜひご来店の際は、何十年という歳月が刻まれた木肌に触れてみてください。きっと言葉にならない自然のぬくもりが、手のひらからじんわりと心へ伝わってきますよ。

珈琲専門店にもひけをとらない、ハンドドリップの至福の味

雑貨を眺め、椋の木のぬくもりに癒された後は、店内の小さなカフェスペースで一息つくのもおすすめ。ドリンクメニューは全部で11種類用意されています。

なかでも、注文を受けてから一杯ずつていねいに淹れてくれるハンドドリップの珈琲は、一口含んだ瞬間にその深い味わいに驚かされます。雑貨店でいただく一杯とは思えないほど、芳醇な香りとすっきりとした後味。訊けば、「水も珈琲豆にもこだわっています。みなさんうちの珈琲がおいしいと言ってくれて、ますます手が抜けなくなってしまいました」と酒瀬川さん。ていねいに淹れられた一杯が喉を通るたびに、日々の疲れがゆっくりと溶けていくようです。
流れるフランスのラジオに耳を傾けながら、淹れたての珈琲を味わい、天窓から差し込むやわらかな光の中でお気に入りの雑貨を眺める時間。それは日常の中で最も愛おしい、小さな贅沢と言えるかもしれません。

まとめ

目で見て、手にとって選び、おいしい珈琲を飲み、大樹の緑に癒される。メリアノーチェは単にモノを売り買いする場所ではなく、訪れた人の五感を心地よく刺激し、明日からの日常を少しだけ特別にしてくれる、とっておきの隠れ家です。
平尾駅から歩ける距離にありながら、扉一枚を隔てただけでパリの空気に包まれる——そんな非日常への小さな旅を、次の休日にぜひ体験してみてください。約5000点の雑貨の中から、あなただけの”お気に入り”を見つける時間は、きっと忘れられない思い出になるはずです。福岡に暮らす人にとっても、旅の途中に立ち寄る人にとっても、また戻ってきたくなる場所——それがメリアノーチェです。

メリアノーチェ
住所:福岡市中央区平尾2−17−15
営業時間:11:00〜19:00
定休日:水曜、木曜、金曜
アクセス:西鉄平尾駅から徒歩5分

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名原 和見

ライター

長いこと、ライターやエディターをやっています。ずっと紙媒体で活動してきましたが、Webの記事も書いてみたくなり参加しました。趣味は料理。だんだんマニアック化して米麹や豆麹から醸し、調味料全般を手作りするまでに。気まぐれで薬膳&発酵料理(薬膳うちごはん)も教えています。
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