【糸島】「ただいま」と言いたくなる場所。夫婦で巡る癒しの日帰りドライブ旅

「ただいま。」

桜井二見ヶ浦の海を見た瞬間、思わずそんな言葉がこぼれました。

海も山も、神社も滝も、美味しいものも一日で楽しめる糸島。

福岡を代表する人気のドライブスポットであり、私たち夫婦にとって「何度でも帰ってきたくなる場所」でもあります。

独身最後の旅行で訪れた、思い出の場所。

夫婦岩を撮影した一枚は、フォトウエディングの写真に替えるまで、長い間スマートフォンの待ち受けにしていました。

あれから結婚し、夫の転勤で福岡へ移住。
旅番組で糸島が取り上げられていたのを見て、

「明日、久しぶりに糸島へ行こうか。」

そう自然に週末の予定が決まりました。

夫婦になって初めての糸島。

前日からどこへ行こうかと話し合う時間も、旅の楽しみの一つでした。

早く来た人だけが知っている、静かな夫婦岩

福岡市内から車で約40分。
朝一番に向かったのは、もちろん桜井二見ヶ浦の夫婦岩。
駐車場には、午前8時45分に到着しました。

朝一番の夫婦岩は、驚くほど静かでした。

白い鳥居の前には二組だけ。
波の音だけが聞こえる時間でした。

前日までの雨が上がり、久しぶりに傘がいらない天気。

何度訪れても、この場所は訪れる人をやさしく迎えてくれるようでした。
白い鳥居へ向かって階段を下りるとすぐにある大きな岩の上には、小さな石がいくつも積み重ねられていました。

前回訪れたときにはなかった光景です。
「前はなかったけれど、これも素敵だね。」

小さな石が並ぶ景色も、この日の穏やかな海によく似合っていました。

そして、鳥居の前で、以前訪れたことへの感謝の気持ちと、今回二人で手を合わせられることへの感謝を伝えました。
「おかげさまで、夫婦としてご挨拶に来ることができました。」
心の中でそっと手を合わせました。

振り返ってみると、朝9時前の糸島には、写真撮影をしている人も少なく、駐車に困ることもありません。

しかも、車を停めて10分以内の利用なら無料というメリットもありました。

紫陽花が彩る、縁結びの櫻井神社

夫婦岩から車で約10分。
次に向かったのは、縁結びの神様として親しまれている櫻井神社です。

梅雨だからこそ出会える景色。

色とりどりの紫陽花が、参拝者を迎えてくれました。

手水舎に浮かんだ紫陽花も、とても素敵でした。

一方、国指定重要文化財に指定されている楼門は、歴史を感じさせる重厚な佇まい。

先ほどまで過ごしていた海辺の明るさとは空気が一変し、自然と背筋が伸びる思いで参拝しました。

境内には様々な神様が祀られておりました。

一つひとつ、日頃の感謝を込めて静かに手を合わせました。

特に驚いたのは、20円のおみくじです。

神社仏閣巡りが好きで、これまで各地でおみくじを引いてきましたが、この価格は初めてでした。

今回、いただいた結果は「吉」。旅行の欄には「平安」と書かれていて、
「まさに今だね。」
と夫と顔を見合わせました。

参拝の記念に選んだ御朱印には、夕日に染まる夫婦岩と白い鳥居が描かれていました。

「夕暮れの夫婦岩も、いつか見に来たいね。」

そんな次の楽しみが増えたことも、この旅のうれしい収穫でした。

櫻井神社から櫻井大神宮へ

櫻井神社のすぐ隣には、櫻井大神宮もあります。そのまま足を延ばして参拝しました。

境内に響くのは、鳥のさえずりだけ。参拝者は他にだれもおらず、木々の間から光が差し込んでいました。

若者たちが集う賑やかな糸島とは対照的に、ここには鳥のさえずりだけが響き、心まで整うような静かな時間が流れていました。

砂浜のフォトスポット「ヤシの木ブランコ」

櫻井神社を後にし、次に向かったのは、青い海と白い砂浜が広がる「ヤシの木ブランコ」です。

その途中、再び夫婦岩の前を通ると、朝の静けさはすっかりなくなっていました。
すでに、30人以上の人が集まり、写真撮影を楽しんでいました。

「朝早く来て、本当に良かったね。」
と話しながら、そのままヤシの木ブランコへ向かいました。

到着すると、ヤシの木ブランコだけでなく、「宙への階段」や「奇跡の流木」など、シャッターを切りたくなるスポットが点在していました。

中でも人気なのが、ピンク色の「どこでもドア」。

近くで見ると蝶番の部分に少し痛みが見られましたが、それでも、青い海とのコントラストは美しく、思い出の一枚に残したくなる場所でした。

ビーチには、大小様々なヤシの木ブランコが点在しています。

童心に戻ってブランコをこぐと、海風がとても心地よく、気付けば時間を忘れていました。

泳ぐのはもちろん、隣接する施設では食事やBBQも楽しめるため、一日ゆっくり過ごすのにもぴったりです。

海を満喫したあとは、山へと向かいます。

海から山へ。白糸の滝で感じる涼

海辺を後にして約30分。山道をゆっくりと登っていくと、周囲の景色は一変し、木々に囲まれた涼しい空気が流れ始めます。

途中には色鮮やかなアジサイが、見る人を楽しませてくれます。

梅雨時期ならではの景色を楽しみながら白糸の滝へ向かいました。

しばらく続いた雨の影響でしょうか。

この日は、想像以上の水量でした。

「思っていたより、すごい迫力だね。」

生い茂る木々の間から何本もの白い糸が流れ落ちるような景色に、その名の由来を実感しました。

滝のすぐそばの川では、やまめ釣りをしている親子連れや、清らかな水を使った名物そうめん流し(白糸の滝ふれあいの里)を楽しむ人たちでにぎわっています。

ちょうどお腹が空いていたこともあり、やまめの塩焼きと天ぷらおにぎりを食べることにしました。

焼きたてのやまめは皮が香ばしく、身はふっくら。
炭火の香りと素材の旨味が口いっぱいに広がります。

木々の緑に囲まれ、水しぶきが頬をやさしく包みます。
滝の音に耳を澄ませているだけで暑さを忘れ、心まで洗われるような気持ちになりました。

「ここは、福岡に遊びに来る友達に紹介したい場所だね。」
と、さっきまで楽しんでいた海とは違う山の自然に、ゆったりとした時間を満喫しました。

駐車場を出ようとすると、いつの間にか第1~3駐車場がほぼいっぱい。
山道を下っている最中に何度も車とすれ違いました。

「12時過ぎてから白糸の滝に来ていたら、駐車場待ちに巻き込まれたかもしれないね。」
そんな話をしながら山道をおりました。

休日や観光シーズンは特に混雑するため、午前中の到着がおすすめです。
海だけではない、糸島の山の魅力を味わえることを改めて感じたひとときでした。

糸島の味を持ち帰る、伊都菜彩

最後に向かったのが、糸島の海の幸・山の幸が集まるJA糸島産直市場「伊都菜彩」へ。お昼時にも関わらず、広い駐車場はほぼ満車。そのにぎわいぶりが印象的でした。

店内を歩いていると、「これ美味しそう」「今日はこれにしよう」とあちこちから声が聞こえてきます。

買い物かごいっぱいに野菜を入れた地元の方と、旅行のお土産を選ぶ観光客が行き交い、その人気ぶりが伝わってきました。

店内を歩きながら、焼きさば寿司や総菜、新鮮な野菜など、お気に入りを次々とかごへ入れ、帰宅後の食卓を思い浮かべながら買い物を満喫しました。

帰宅後に買ってきたものを囲んで楽しむ“二次会”も、この日の楽しみの一つです。旅は家に帰るまでではなく、買ってきた美味しいものを囲みながら、その日の思い出を語り合う時間まで続いていきます。

たくさんのお土産と思い出を車に積み込み、名残惜しさを感じながら帰路につきました。

気付けば、まだ午後1時半。
それでも、一日をたっぷり旅したような満足感がありました。

そして、待ちに待った二次会。早速テーブルいっぱいに戦利品を並べます。

焼きさば寿司やメンチカツを囲みながら、
「やっぱり伊都菜彩で買ってきて正解だったね。」
二人とも終始上機嫌でした。

夫は特に「鶏レバー」の旨さに感動し、
「これを買いに、また糸島へ行こう。」
と、次の計画をたてていました。

思い出の場所をもう一度訪れると、あの頃には気づかなかった景色や、新しい発見に出会えることがあります。

福岡へ移住して初めて訪れた糸島は、思い出を懐かしむ場所であると同時に、新しい思い出を重ねていく場所にもなっていました。

次に訪れるときは、夕暮れの夫婦岩を見に行こうか。
それとも、青空の下で思いっきりヤシの木ブランコを楽しもうか。

「ただいま。」

次に糸島を訪れたときも、
きっとそうつぶやいてしまう気がします。

訪れる人に、心に残るそれぞれの景色を見せてくれる。
それも、糸島の魅力なのかもしれません。

少しだけ早起きして、あなただけの糸島を見つけてみませんか。

いつかまた、この場所を訪れたとき。
あなたの口からも、
「ただいま。」

そんな言葉が、自然とこぼれるかもしれません。

施設情報

桜井二見ヶ浦 夫婦岩
福岡県糸島市志摩桜井 桜井二見ヶ浦

櫻井神社・櫻井大神宮
福岡県糸島市志摩桜井4227

ヤシの木ブランコ(釣船茶屋ざうおBBQガーデン敷地内)
福岡県福岡市西区大字小田79-6

白糸の滝
福岡県糸島市白糸460-6
(営業時間9:00~17:00 ※7・8月のみ18:00まで)

JA糸島産直市場 伊都菜彩
福岡県糸島市波多江567-1
(営業時間9:00~18:00)

※本稿の情報は取材時点のものです。最新情報は各施設の公式サイト・SNS等でご確認ください。

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みぎやま かなこ

旅と地域のライター

沖縄県出身。小学校教員として約22年間働いた後、夫の転勤をきっかけに福岡へ移住しました。 現在は、福岡での暮らしや旅を楽しみながら、地域の魅力や人の想いを伝えるライターとして活動しています。 これまで訪れた場所で出会った人や風景、心に残った言葉をきっかけに、その土地ならではの魅力を見つけることが好きです。 読者が読み終えたときに、「行ってみたい」「誰かに教えたい」と思えるような、地域との新しい出会いをつくる文章を届けていきたいと思っています。
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