【京都・中京区】読めるだけじゃない!京都国際マンガミュージアムでマンガ文化を五感で楽しもう
日本が世界に誇る文化であり、今や国境を越えて愛される「マンガ」。そんなマンガの歴史から作り方、そして読む楽しさまでを丸ごと体験できる夢のような施設が、京都の中心部にあります。それが「京都国際マンガミュージアム」です。
今回は、広報担当の方にレクチャーしていただきながら、筆者が実際に館内を隅々まで歩き回ってきました。圧巻のマンガの壁から、ノスタルジーを感じるレトロな元校舎の建築美、そして絶品の併設カフェまで、大満足間違いなしのミュージアム散策を、たっぷりの熱量と共にお届けします!
世界のファンが集うエントランスと、圧巻の「マンガの壁」

ミュージアムに到着したのは、オープン時間である朝10時の少し前。驚いたことに、入り口のオープン待ちの列には、すでに海外からの観光客と思われる方々が10〜15人ほど並んで待機していました。
館内に入ってまず目に飛び込んでくるのも、そんな国際色豊かなミュージアムを象徴する「マンガ万博」と呼ばれるコーナーです。

ここには、日本のマンガが世界各国の言語に翻訳された作品群や、逆に海外から輸入された現地のコミックなどが並んでいます。「この名作がこんな言語に!」という驚きがあり、グローバルに広がるマンガ文化のパワーに圧倒されます。
順路をさらに進みロビーのような空間へ出ると、後ほどご紹介するさまざまな体験コーナーと、このミュージアムの目玉の1つ「マンガの壁」が姿を現します。木製の巨大な本棚が廊下の壁一面を覆い尽くす光景は、まさに圧巻の一言。「マンガの壁」はフロアごとにジャンルが分かれており、1階には少年マンガ、2階には少女マンガ、3階には青年マンガが配架され、来館者は自由に手に取って読むことができます。

広報担当者の方が教えてくれたのですが、ミュージアムが所蔵しているマンガ資料はなんと約30万点!そのうち、私たちが自由に読めるこの「マンガの壁」に並んでいるのは約5万冊だそう。
残りの貴重な歴史的資料などは閉架式で大切に保管されていますが、研究閲覧室で利用登録をすれば、表に出ていないお宝資料も読むことができるという、ファンにはたまらないシステムになっています。
また、1階の奥には子どもたちが靴を脱いでリラックスしながら遊べる「こども図書館」のコーナーも完備されていました。

壁の本棚には、学生時代に一生懸命ページをめくった偉人の伝記マンガや、歴史・科学を楽しく学べる学習マンガなどが並んでおり、懐かしさのあまり思わず時間を忘れて読み耽ってしまいそうになりました。
閉校校舎をリノベーションした建築美にうっとり
実はこの京都国際マンガミュージアム、元々は昭和初期に建てられた「元・龍池(たついけ)小学校」の校舎を改修した建物なんです。

そのため、館内の至るところに当時の小学校の名残が残されており、カメラのシャッターを切るたびにレトロでどこか懐かしい写真が撮れてしまいます。

もうすぐ100歳になる振り子時計が時を刻む校長室、木の温もりが残る階段、さらには京都ならではの、作法を学んでいた和室など「ここは昔どんな場所だったんだろう?」と想像しながら歩くだけでワクワクします。
2階には、龍池小学校の歴史そのものを学べる「龍池歴史記念室」も用意されていました。

そして、元々校庭だった場所には青々とした美しい人工芝が敷き詰められています。

穏やかな陽気の春や秋には、館内のマンガを持ち出して芝生の上に寝転がったり、テラス席で風を感じながら読書に没頭したりできるのが、このミュージアムならではの最高の贅沢。
取材した日は猛暑日でしたが、「秋になったらぜひ外でマンガを読みたい」そう思わせる開放感抜群の中庭が広がっています。
荒俣館長の特別展示と、レジェンド達の「マンガ家の手」
2階へと進むと、「館長室」と名付けられたスペースがあり、その廊下では現館長である作家で博物学者・妖怪研究家の荒俣宏先生によるスペシャルな展示が行われています。

取材に訪れた際のテーマは「20世紀初頭のマンガは、現在の未来をどう思い描いていたか」という、なんとも知的好奇心をくすぐる内容。

戦争の時代を色濃く反映した空想のハイテク武器や、当時の人々が夢見た未来都市の姿などが展示されており、「昔の人が想像した未来」と「実際の現代」の答え合わせをするような感覚で、非常に興味深く見学しました。
さらに順路を進むと、マンガファンにとってはまさに聖地とも言える展示が現れます。それが、このミュージアムを訪れた著名なマンガ家さんたちの商売道具である「マンガ家の手」、石膏で型取りした手をサイン色紙とともに見学できるコーナーです。

今は亡き伝説的な大御所先生の手から、現在も第一線で大活躍中の人気作家先生の手までがズラリと並べられています。
「この手から、あの名作たちが生み出されたのか……」と、ペンダコや指の形をまじまじと観察できる、ここでしか味わえない感動の体験でした。
巨大な「火の鳥」と、マンガのいろはを学べるメインギャラリー

フロアをつなぐ吹き抜けの通路に差し掛かると、頭上にはこのミュージアムのシンボルとも言える巨大な「火の鳥」のオブジェがお目見えします。
こちらは、京仏壇・京仏具で使われる伝統的な「寄木造り」、「玉眼」の技法を用いて作り上げた特別な芸術作品。木の質感が持つ神々しさと大迫力に、思わず見上げて立ち止まってしまうはずです。
その先でお出迎えしてくれるのが、広々とした「メインギャラリー」。ここでもまず目を引くのは、床から天井まで壁一面に伸びた「マンガの殿堂」です。

大正期から現代まで、発行された年代ごとに作品が整理されているため、「お父さんが子どもの頃に読んでいたマンガ」から「子どもが夢中になっている話題の作品」までを家族で楽しめます。世代を超えてマンガに触れ合える素晴らしい空間です。
ギャラリーの中央には、「マンガって何?」という根源的なテーマを学べる常設展示が用意されていました。

マンガが発展してきた詳細な年表をはじめ、マンガの描き方、マンガ業界のお金の動き方、そして世界におけるマンガ事情のいろはまで、分かりやすい解説パネルで学ぶことができます。
いつ行っても新しい発見がある!期間限定の企画展を開催
2Fギャラリー1〜3のスペースでは、期間限定の魅力的な企画展も開催されています。筆者が取材した日には、SNS等で広がるエッセイマンガの歴史や魅力を探る「わたしをすくう エッセイマンガの処方箋展」が行われており、現代人の心に響く珠玉の作品群が紹介されていました。

貴重な原画を間近で鑑賞できるだけでなく、1Fには企画展で紹介されたマンガが読めるコーナーもあり、今まで知らなかった作品との新たな出会いもマンガミュージアムが主催する企画展の醍醐味となっています。
また、9月17日から2027年1月19日までは「京まふ」関連企画である 「Mangaと育った子どもたち:ヨーロッパにおけるManga文化の40年」展が予定されています。

こちらはヨーロッパにおける40年のマンガ受容史と、現地で育った海外作家たちの作品に迫る注目の内容に。
何度訪れても新しい発見と展示に出会えるのが、京都国際マンガミュージアムの大きな魅力です。
読むだけじゃない!ワークショップや似顔絵で「マンガ体験」を満喫
京都国際マンガミュージアムの素晴らしさは、ただマンガを「読む」「見る」だけでなく、「体験する」コンテンツが充実している点にもあります。
1階の「マンガ工房」では、プロとして活躍する本物のマンガ家さんが実際に原稿を描いている様子を見学できます。(※マンガ工房・ワークショップは土日祝日限定の開催です)

さらにワークショップでは、プロの指導のもとでGペンを使った「ペン入れ」の体験も可能。

2階に上がれば、昔懐かしい「紙芝居小屋」で、プロの紙芝居師による熱のこもった実演が行われており、大人も子どもも、さらに海外の方も一緒になって大盛り上がりでした。

また、入場口付近には「ニガオエコーナー」も設置されており、マンガ・アニメ風の似顔絵(1名 3,000円~)を描いてもらえます。

ちょうど海外の観光客の方が似顔絵を描いてもらって大喜びしていたため、思わず声をかけて和やかな雰囲気の写真を1枚撮らせていただきました。

言葉が通じなくても「絵」を通して笑顔が生まれる、マンガミュージアムならではの素敵な瞬間です。
先生方の直筆イラストに囲まれるカフェで絶品ランチ!

館内を歩き回ってマンガ文化を満喫した後は、ミュージアムに併設されているカフェミュージアムに併設されているカフェ「前田珈琲 マンガミュージアム店」に寄るのを強くオススメします!
店内に入って驚くのが、その壁面。なんと、これまでミュージアムを訪れた数え切れないほどの著名なマンガ家たちが、壁一面に直接キャラクターのイラストやサインを描き残しているのです。

自分が座った席のすぐ横に大好きな作品のイラストがあるかもしれない、まさにマンガファンにとって夢のような世界が広がっています。

もちろん、肝心の食事もおしゃれで本格的です。今回は、お腹を空かせた筆者も大満足の「赤味噌オムハヤシライス(1,250円)」と、ドリンクセット(300円)で爽やかな甘さの「マンゴージュース」を注文しました。

ハヤシライスはルーに隠し味として「お味噌」が練り込まれており、デミグラスの洋風な旨みの中に、京都らしい和の深いコクが感じられる絶品!歩き疲れた体に染み渡る最高のランチタイムとなりました。
まとめ

一日を通して「京都国際マンガミュージアム」を歩き回りましたが、控えめに言って大・大・大満足のスポットです!
ご紹介した以外にも、企画・運営を行う京都精華大学の展示や、2025年に主要な賞を獲得した最新マンガの展示、さらにマンガミュージアムオープンを記念して、著名マンガ家が描いた「100人の舞妓」など、見どころが盛りだくさん。
約30万点という圧倒的なスケールの資料数に驚かされ、レトロな元校舎の雰囲気に癒され、そしてマンガという文化が持つ計り知れないパワーと歴史を肌で学ぶことができるミュージアムです。
京都観光の際は、神社仏閣巡りと一緒にぜひ立ち寄ってみてください。誰もが時間を忘れて没頭してしまう、特別な体験が待っていますよ。
京都国際マンガミュージアム
住所:京都市中京区烏丸通御池上ル (元龍池小学校)
営業時間:10:00 – 17:00
定休日:水曜日(祝日の場合はその翌日)
入館料:個人一般1,200円、中高生400円、小学生200円
アクセス:JR線
京都駅にて、京都市営地下鉄 烏丸線・国際会館ゆきに乗り換え3駅(約6分)烏丸御池駅下車後徒歩で約2分

的川未来
ライター・インタビュアー

