浅草寺のおみくじ観音百籤に込められた「吉凶」の割合の理由とは!?平安時代から伝わる運気を好転させる開運法を大公開!

東京を代表する歴史と文化の地、台東区。
その台東区の精神的な中心として1400年の歴史を誇るのが、浅草寺です。
ところで浅草寺は、昔から「おみくじ」にまつわるある疑惑が参拝者の間で話題になっていました。
それは、浅草寺のおみくじには「凶の割合が多い」というものです。
これは本当でしょうか。
今回は、浅草寺のおみくじ観音百籤(かんのんひゃくせん)に込められた「吉凶」の割合の理由について、どこよりもわかりやすくご紹介します。

浅草寺のおみくじの100本中の吉凶の割合・意味・メッセージとは?

おみくじに詳しい人の間では、よく浅草寺のおみくじの吉凶の割合がおかしいといわれています。
具体的には「凶がよくでる」というものです。
では、実際はどうなのでしょうか。
こちらでは浅草寺のおみくじの吉凶の割合・意味・メッセージについて、詳しくご紹介します。

浅草寺のおみくじの100本中の吉凶の割合・意味・メッセージ

回答元:浅草寺職員

浅草寺のおみくじの運勢の順番は上記の通りです。
おみくじの種類や割合は、神社仏閣でまったく異なります。
浅草寺のおみくじの吉凶の割合は、確かに凶は30%ですが、残りすべての70%は吉のカテゴリーなので、極端に凶が多くでるというわけではないといえます。
なので、安心して浅草寺のおみくじを引いてみることをおすすめします。

なぜ、浅草寺のおみくじの割合は「凶」が30%なのか?

浅草寺のおみくじの割合が、凶が30%なのは「観音百籤」を採用しているからです。

観音百籤とは、平安時代から伝わる伝統的なおみくじの方式のことで100本のくじの中から1本のくじを引いて吉凶を占います。

浅草寺が「観音百籤」を採用している主な理由は次の2点です。

観音信仰との深い結びつき

1点目は観音信仰との深い結びつきがあるからです。

浅草寺は聖観音宗(しょうかんのんしゅう)の総本山であり、ご本尊は聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)、一般的には「観音さま」のことです。

「観音百籤」は、元々、観音菩薩に祈念して授かった百のお言葉が原型であるとされ、観音さまからのメッセージ、すなわち「アドバイス」とも言えるものです。

観音様を深く信仰する浅草寺にとって、この観音百籤を採用することは、ご本尊の教えを参拝者に伝える最もふさわしい方法でした。

ちなみに浅草寺は元々は「天台宗(てんだいしゅう)」でしたが、昭和25年(1950年)に天台宗から独立して聖観音宗の総本山となります。

古来の伝統の継承

2点目は古来の伝統の継承を行っているからです。

浅草寺のおみくじは、平安時代に比叡山延暦寺の僧、元三大師(がんざんだいし・良源)が中国の占いの手法を日本に広めたとされる「元三大師百籤(がんざんだいしひゃくせん)」の流れを汲んでいると言われています。

この元三大師百籤が、江戸時代に「観音百籤」として全国の寺院に広まりました。

ちなみに現在は多くの寺社が、参拝者に喜ばれるように凶の割合を低く調整したり、凶を無くしたりしています。

そんな中、浅草寺は「古来のおみくじそのまま」の伝統的な吉凶の割合(凶の割合が約30%)を守り続けているお寺です。

これは、観音百籤が単なる吉凶を占うものではなく、「たとえ凶が出ても、辛抱強さをもって誠実に過ごすことで吉に転じる」という、仏の教えに基づいた厳しくも温かい指針であるという考えを重視しているためです。

浅草寺のおみくじで「凶」が出た時の開運法とは?

浅草寺のおみくじで「凶」を引いた時、一体どうすれば良いのでしょうか。

浅草寺をはじめとする伝統的なおみくじを扱う寺院では、これを最高の開運チャンスと捉えるための明確な指針と開運法が存在しています。

凶が出た時の伝統的な開運法は、結びつけて「結縁(けちえん)」することです。

結縁とは、簡単に言うと、「仏様と友達になる(ご縁をつくる)」という意味になります。

私たちは普段、趣味や仕事を通して色々な人や物と関わり(縁)を持ちます。

それと同じように、「仏様や仏教の教え」という、私たちを幸せに導いてくれる存在と、意識的に繋がりを持つことが「結縁」です。

「凶」が出た場合にする具体的な「結縁」とは、引いたおみくじを境内の決められた場所に結びつけておくことです。

理由は「凶」という運勢を自分から引き離し、寺の境内に結び付けて、観音様(または神仏)とのご縁(結縁)を結びつけることで、運勢の好転を祈願します。

浅草寺の場合の方法は、所定のおみくじ結び所に、丁寧に結びつけてください。

そうすることで運勢が好転します。

まとめ

今回は、浅草寺のおみくじの「吉凶の割合」の謎と、「凶を転じて福となす」ための開運法についてご紹介しました。

現代に生きる私たちは「大吉」ばかりを求めがちです。

もしあなたが「凶」を引いたとしても、それは観音様との特別な「結縁」を結ぶためのチャンスであり、「今こそ成長する時ですよ」という温かい励ましだと受け止めてください。

そうすることで浅草寺のおみくじは、あなたの人生を優しく照らす「人生の羅針盤」となってくれることでしょう。

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smileman

地域の魅力を発信しているフリーライターです。 台東区の歴史、文化、人物、土地、食、芸術、風習、建築物などをわかりやすく紹介します。

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