9社寺まわってご利益をGET。「浅草名所(などころ)七福神巡り」の歴史探訪レポ④「浅草寺」

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浅草で運気を上げるパワースポットとして注目の、「浅草名所七福神巡り」において、歴史の面影を探りつつ、それぞれの見どころを紹介していくこの企画。

3カ所めの記事では「矢先稲荷神社」を参拝し、見どころを紹介しました。

一枚一枚ストーリーを感じさせる、100枚もの天井絵馬は圧巻でしたね。

4カ所めの今回は、実は「浅草名所七福神」の一つである浅草の定番観光スポット「浅草寺」。

今回はそんな有名スポット・「浅草寺」と、周辺の意外な歴史の魅力あふれるスポットを紹介していきましょう。



「浅草寺」は都内最古の寺院でありながら、日本人だけでなく外国人も多く訪れる都内屈指の観光スポットでもあることは、皆さんご存じかと思います。

浅草の玄関ともいえる「雷門」、仲見世通りを抜けた後にある「宝蔵門」、その左手に「五重塔」があり、進むと「本堂」、そしてその左手に御朱印を戴ける「影向堂」などがあります。

まずは、お馴染みの雷門、仲見世通り、本堂までをざっくり見ていきましょう。

誰でも一度は目にしたことがあるであろう、「浅草寺」の入り口・雷門。

門の右には風神、左には雷神がいらっしゃいます。
「浅草寺」は年間参拝客数3000万人、特に正月三が日では290万人ほどが訪れるというマンモス寺院で、普段は常に人だかりがあり、前に進むのが困難なほど。

いつもは人の邪魔にならないよう気を遣ってしまい、なるべく立ち止まらないようにしていたのですが、訪れたのは新型コロナウイルス渦中の時期で人がいつもより少なめ。

そのため、普段よりじっくり建物を観察することができました。 雷門の提灯の真下をなんとなく見ると、こんな発見が。

大提灯の裏側をよく見ると「松下電器産業株式会社 松下幸之助」と記されています。

こちらはなんと、松下電器産業(現・パナソニック)の創業者・松下幸之助氏が1960年に病気で「浅草寺」に拝んだところ病気が治ったとのことで、そのお礼として門及び大提灯を寄進したもの。  大提灯真下に彫られた勇ましい龍の表情までゆっくり見ることができました。

雷門の真横にあるのは、創業200年以上の老舗・「常盤堂」

「浅草寺」参拝のお土産に欠かせない「雷おこし」の名店で、実演販売をしていたり、2階ではうどんや甘味を戴ける食堂があります。

両サイドにお店が並ぶ仲見世通りを抜けると、「宝蔵門」、そして「五重塔」が見えてきました。

門に飾られているのは、山形県村山市の奉讃会によって奉納されている「大わらじ」。

このわらじは「仁王さまの力」を表していて、「この様な大きなわらじを履くものがこの寺を守っているのか」と驚いて魔が去っていく、のが謂れなのだとか。

さらに進むと、本堂のお参りの前に線香をあげたり、煙を浴びると良いといわれる「常香炉」が置いてあります。

お水舎(みずや)は、八角形錆御影石造りの手水鉢の上に高村光雲作の龍神像(沙竭羅龍王像)を祀っており、天井には「墨絵の龍」(東 韶光 画)が描かれているのでチェックしてみると面白いですね。

さて、御手水を済ませると、いよいよ本堂です。
訪れたのは一月の七日だったので、正月飾りが施されていますね。

本堂の中も普段はじっくり見る余裕はありませんが、今回は四方八方に目を凝らすことができました。
天井を見上げると、そこには美しい天井絵が…。

左右には優しげな表情の天女、中央にはお堂全体に睨みを利かす龍神が描かれています。

作者は異なり、左右が堂本印象作の「天人之図」、中央が川端龍子作の「龍之図」。

お堂いっぱいに存在感があり、まさに天上の国を訪れたかのような気分になります。

時刻は14時すぎ。ちょうど当日の御祈祷の時間と重なり、僧侶の読経に合わせて一年の幸福を願い、祈りを込めます。

さて、お祈りが終わったら御朱印を戴きに行きましょう。
「浅草寺」で祀られている七福神は「大黒天」で、御朱印を授与している場所は「影向堂(ようごうどう)」といい、本堂を出て左手にあるお堂です。

こちらには干支ごとの守り本尊八体が安置されており、東京都が認定している重要文化財など、歴史ある建物が多くあります。

「影向堂」の入り口には、なんと現存している中で都内最古の橋である「石橋(しゃっきょう)」があります。
池には様々な鯉がおり、この画に少しホッとするような感覚を覚えますね。

こちらが「影向堂」。

元々は隣にある「淡島堂」が「影向堂」の役目を担っていましたが、1994年に「浅草寺」中興開山慈覚大師生誕1200年を記念して建立されました。 「浅草寺」でお祀りしている「大黒天」は、福徳や財宝を与える福の神

「大黒天」は元々インドや中国で寺院の守護や豊穣を司っていましたが、日本では袋を背負い俵に乗る柔和な姿となりました。

中にはご尊像がありましたが、上述した日本で知られているイメージと違い、全身が真っ黒な姿で驚きました。

こちらは撮影禁止なので、ぜひ実際に訪れて拝んでみたいところですね。

御朱印(初穂料:500円)はこちらです。
微笑みを浮かべる「大黒天」の御顔を思い出すと、本当に福が身についたような気さえしてきました。

では、「影向堂」の中の文化財を少し見ていきましょう。

こちらは「浅草寺」最古の建築物で、都の有形文化財に認定されている六角堂です。

「浅草寺」最古の建築物で日限を定めて祈願すれば必ず霊験があるという「日限地蔵尊」を安置しています。

「橋本薬師堂」は元々「観音堂」の北方にありましたが1649年に三代将軍・徳川家光が観音堂の北西に建て直し、塀にかかる橋にあったことから、家光自身が橋本薬師寺と名付けました。

こちらは「銭塚弁財天」。

七福神の一人・「弁財天」を祀り、芸能や学問の上達、財宝や福徳にご利益があるとされています。

ここ「銭塚弁財天」の弁財天は、福徳財運の神様として、特に信仰されているようです。

さて、一通り「影向堂」を見回り終えましたが、少し人気(ひとけ)がない「浅草寺」には記念碑などが目立ちました。

こちらは「鳩ポッポの歌碑」。 
誰でも小さいころに歌ったことのあるであろう童謡「鳩ポッポ」は、作詞家である東くめ氏が、「浅草寺」の境内にて鳩と戯れている子供たちをみてこの歌詞を書き、滝廉太郎により作曲されたのだとか。

初めて知りました…。
ここであの「鳩ポッポ」は生まれたのですね。

本堂手前に実はある「迷子しるべ石」は、江戸時代に迷子の情報を交換するために用いられていました。

右側面には「しらする方」と刻まれ、預かっている迷子や訪ね人の情報を書いた紙をここに貼り付けておき、左側面には「たずぬる方」と刻まれていて、捜している迷子や尋ね人の人相、特徴などを書いた紙をここに貼り付けておいたようです。

連絡手段のない時代、江戸の人々は、この張り紙を見て迷子や尋ね人を捜していたのですね。

多くの人が訪れる「浅草寺」は、皆が頼りにしていた場所であったのが覗えます。

多くの人が訪れる場所に欠かせない時計塔も、この場所にあります。

五重塔を背にした「平和の時計」というモニュメントは、東京大空襲などで火の海になり、この浅草周辺も多くの犠牲者を出したことから設けられました。

平和を祈る思いで、五重塔を上回る九重の塔のようなデザインとなっているのだそうです。

日本には京都など有名な五重塔がいくつか現存していますが、その中の一つが「浅草寺」の境内にある五重塔です。

その高さは、ビルに例えると15~20階建て相当。

浅草の五重塔の中に入ることができるのは年に3回、永代供養を申し込んだ人とその家族のみです。普段はなかなか見ることができませんが、実はその内部にはいろいろな部屋があるのだそうです。

通常時はシーズン問わず、常に日本人・外国人でごった返す「浅草寺」。

今回訪れた時期は、流行している感染症の影響があったため人手が少なく、少し寂しい気もしました。

ですが、逆に人がいないことで文化財をじっくり観察することができ、普段気づかないような隠れたスポットも目につきやすくなったのは怪我の功名でしょうか?

また、「浅草寺」は夜も違った楽しみ方ができるのが魅力的。

雷門、宝蔵門、五重塔がライトアップされているので昼夜問わず楽しめますし、観光客も絶えません。



さて、今回は「浅草寺」について様々な見どころを紹介してきましたが、実は今まで知らなかったスポットもあったという方もいるのではないでしょうか?

実は、「浅草寺」の見どころはこれだけではありません。

「浅草寺」の境内には神社があることをご存じでしょうか?
「浅草神社」といい、実はこちらも「浅草名所七福神」の巡拝スポットなのです。

次回では、まだまだある「浅草寺」境内の見どころと、「浅草神社」のご利益なども紹介していくので、良ければ引き続き読んでみて下さいね。

浅草寺
住所:東京都台東区浅草2-3-1
時間:6:00~17:00(10月~3月は6:30より)
アクセス:東京メトロ銀座線・地下鉄浅草線など 浅草駅より徒歩5分 
公式HP



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ライター紹介

くまりら

インタビュアー、ライター

93年生。縁あって、前職では有名少年漫画作品の編集をいくつか担当。 歴史ロマンのあるもの、美味しい食べ物、韓国アイドル、エンタメが好き。
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