【取材】裏浅草にある創業70年の老舗パン屋、テラサワ・ケーキ・パンショップ。人気商品は生クリームコロネ、チョココロネ
私が生みました。
生クリームコロネ・パン。
浅草・裏観音にある、1950年にオープンした創業70年の歴史をもつ老舗パン屋、テラサワ・ケーキ・パンショップ。
その老舗の顔であり、多くの人々に愛され続けている、大人気の生クリームコロネ・パン。
ひとつ180円+税。二代目ご主人の寺澤さんが生みの親である。
生クリームコロネが誕生したのは、今から約40年前の1980年ごろ。
うちは、もともとはケーキ屋でした。だから店名も、テラサワ・ケーキ・パンショップといいます。
でもパンが売れるようになってきて。うちは、パン屋じゃなくてケーキ屋だよ、ということも主張したかった。
美味しい生クリームを常に使っていたので、それをパンに使えないかということをいつも考えていました。
チョココロネがあったので。それなら生クリームでコロネを創ろうということで、試行錯誤を重ねていろいろ考えながら商品化しました。
店頭に並べたら、次々と売れてうちのヒット商品に。
そして、うちの名物に。
ケーキにも、クリームホーンという生クリームコロネのような商品があります。生クリームコロネは、パンに生クリームをつめたらどうだ、という発想で出来上がった商品です。
コロネは、今では、生クリーム、チョコ、あずきと3種類、用意しています。
持ち運びに便利な生クリームコロネの冷凍パンもあります。いまでは、冷凍の生クリームコロネをわざわざ指定してくるお客さんも多いです。
コロネの新製品も、これからまだ出てくるのでしょうか
創ろうとすれば、あるだろうけど。どうなんですかね。新商品として、創るとしたら、カスタードでしょうかね。ケーキ屋でもあるから、美味しいカスタードクリームが豊富にあるし。カスタードクリームをパンにつめることはできますね。
でも、種類が多くなりすぎてもね。
コロネは、これからも変わらないで、お客さまのニーズに合わせて、創り方、売り方を頑固にずっと守っていきたいですね。
浅草のパン屋さんは、各店舗が特色を重視していろいろな商品を出しているから。これからも個性的なパン屋さんがもっと多く出てくるのではないでしょうか。
伝統がある食べ物や新しい食べものなど、さまざまな美味しいものがある浅草は、今後、どうなっていくと思いますか
浅草は、食べ物にはうるさい街ですね。とくに観音さま界隈と裏観音の界隈は、美味しいものにけっこう敏感な人々が多いですね。
新しい、古いという視点でみると、新しい食べ物よりは、古い物を大事している気がしますね。
生クリームコロネは、テラサワさんのご主人にとって、なんでしょう。
生クリームコロネは、大事な商品のひとつですね。
いまは、ネットをみて、遠くからいらっしやるお客さまも多く、また近くから毎日来てくださるお客さまも多く、多様になりましたけど。ほんとうにありがたいですね。
テラサワ・ケーキ・パンショップは、鮮度のあるサンドイッチや体温を感じるお惣菜パン、スマートな甘さのアップルパイ、そして思わず虜になってしまうケーキなど、さまざまなパン類、ケーキ類が揃っている。
お店に通いながらのパンとケーキの旅は、いろいろな味わいに出会えておもしろそうだ。
僕は、インタビューを終えて、さっそく生クリームコロネとチョココロネ・パンを購入した。
お店を出ると、我慢ができなくなって、箱をあけて、生クリームコロネとチョコクリームコロネ・パンをがぶりと頬張った。
まずパン生地のコクのある味わいがガツンと舌にきた。次にほわんとした生クリームがお口の中で踊って。懐かしいパンの響きを感じた。これは、パンだなあ、と、思った。懐かしいけど、新鮮な味がした。チョココロネの甘くて爽やかなチョコクリームをひとくち食すると、なぜかやさしい気持ちになれた。
僕は、テラサワ・ケーキ・パンショップに浅草の哀愁の味を感じた。
僕は、浅草でいろいろなものを食べてきたが。パンは深いと思った。
まず、ひとくち食べてみると、人が創った手触り食感があるのだ。
パンは、人を感じるのだ。
パンは、手を感じるのだ。
これからの浅草のさまざまな食べ物屋さんめぐり、そしてパン屋さんめぐりが楽しみだと感じた。
どんな驚きがあるだろう。
どんなニコッがあるだろう。
どんなヘエーッがあるだろう。
僕は、もっともっともっと浅草にびっくりしてみたい。
店舗情報
テラサワ・ケーキ・パンショップ
東京都台東区浅草6-18-16
03-3875-5611
浅草駅から徒歩8分
靴メーカーのビルが立ち並ぶ真ん中に有ります
<営業時間>
[月~金]07:30~19:00
[土曜日]07:30~16:00
<定休日>日・祝