上野でクラシック音楽に触れてみよう!奇跡の音響・東京文化会館でクラシックコンサートを生鑑賞

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皆さんこんにちは!音楽の好みはかなり広範囲だけど、偏りがひどいよしたにです。

自分のiTunesを開くと(も…もはや死語?)、クラシック音楽から吹奏楽、J-POP、邦ロック、洋楽をはじめ、様々なジャンルの音楽がたっぷり。

中でもクラシック音楽は大好きで、チャイコフスキー、ベートーヴェン、ブラームス、サン=サーンス、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフ、ショパンにリスト…好きな作曲家は数え切れません。

父が音楽好きだったこともあって子どもの頃から家でCDをよく聴かされていたほか、夏休みになるとコンサートに連れて行ってもらうこともあったため、私はクラシック音楽に抵抗が全くないんですよね。

でも、世間を見ると「クラシック音楽って難しそう…」「クラシックのコンサートって、結婚式に着ていくような格好で行かないとダメなんじゃない?」と思っている方も多い様子。

結論から言いましょう、そんなことはありません!

そして、芸術のまち・台東区には、素晴らしいコンサートが聴けるホールがあるんです。

今回は、クラシック音楽が大好きなワタクシよしたにが、上野にあるホール「東京文化会館」をご紹介いたします。

私が東京文化会館で実際に聴いた演奏会のルポや、クラシック音楽を聴きに行かれる際のポイント解説もしたいので…今回の記事はマーラーの交響曲並みの一大巨編になる予感!

ぜひ、最後までお読みください。


東京文化会館とは?立地や音響について解説

早速、東京文化会館がどこにあってどんな目的で設立されたのか、音響はどうなのかなどについて見ていきましょう。

東京文化会館は、上野公園の中にあります。

JR上野駅の公園口を出て目の前に見えるコンクリート造りの建物が、東京文化会館です。

東京文化会館は「首都東京に、オペラやバレエもできる本格的な音楽ホールを」という要望が多かったことから、これに応える形で1961年(昭和36年)4月にオープンしました。

東京都開都500年を記念した建築として、故・前川國男さんが設計したモダニズム建築が特徴的。

実際に入ってみても、60年も前に建築されたとは思えないモダンでおしゃれな内外装です。

オペラやクラシックコンサートで使われる大ホール(2,303席)とリサイタルなどが行われる小ホール(649席)があり、大小の会議室や音楽専門の図書館なども併設されています。

そして、気になるのは音響ですよね。

どんなにきれいで立派なホールでも、響きが良くないと良いホールとは言えません。

東京文化会館は、大ホールで音響材に良質なブナ材を使うなどの工夫をした結果、奇跡的とも言える音響の良さを確保しているんです。

実際、私も東京文化会館の大ホールで演奏を聴いたことがありますが(詳細は後述)…たくさんのホールに足を運んだ私の経験の中でも、一番の音響の良さでした。

世界的にも音響の良いホールとして知られており、「Tokyo Bunka Kaikan」と呼ばれて世界に名を轟かせているんだとか。

まとめてきましたが、やはり実際経験してみないと納得して執筆できない男、それがよしたに。

今回は、いろはめぐりでお仕事をさせていただく直前の2021年3月に行われた東京都交響楽団のコンサートを回想しながら、東京文化会館の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

東京文化会館でコンサート聴いてみた! 2021年3月25日(木) 東京都交響楽団第923回定期演奏会

新型コロナウイルスの影響が深刻だった、クラシック音楽界。

現在でも、外国から指揮者やソリスト(ソロで楽器を演奏する人)を呼びたくても、隔離期間などの都合でスケジュールの調整が非常に難しい状態です。

2021年3月当時も、同様の状態でした。

私が行くつもりだった東京都交響楽団・第923回定期演奏会の指揮者も準・メルクルさんが登壇予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で来日がかなわず、急きょ下野竜也さんが登壇。

プロ野球では今シーズン序盤、助っ人外国人が来日できずに多くのチームで影響が出ましたが、クラシック音楽界も同じような状態だったんです。

私にとっても当時久しぶりの都心で、正直不安もありました。

上野駅に着いたのは、18時半ごろ。

すぐに東京文化会館に向かいます。

チケットをもぎって、指定の座席に着席。

開演時刻の19時になるとオーケストラが登場し、チューニング(音合わせ)が始まりました。

オーボエのA(ラの音)を聴きながら、まずは管楽器、続いて弦楽器がチューニング。

指揮者の下野さんが登場し、会場は拍手で迎えます。

最初の曲は、ドビュッシー『交響組曲《春》』。

ドビュッシーはフランスの作曲家です。

私にとってはフレンチのコース料理一つ一つの名前の由来と同じくらい、非常に解釈が難しい作曲家の一人。

この『交響組曲《春》』もご多分に漏れず難解な曲でしたが、解釈の難しさの中にも美しさを感じさせるのがドビュッシーの真骨頂だなあと思いながら聴きました。

続いて演奏されたのは、ブルックナー(スクロヴァチェフスキ編)『弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB112より第3楽章:アダージョ』。

オーストリア出身の作曲家、ブルックナー。

交響曲が有名ですが(全曲めちゃくちゃ長い)、今回は弦楽五重奏曲の演奏。

管楽器を入れずに演奏するこの曲、ドビュッシーに比べるとわかりやすいです。

音響の良さなのか、オーケストラの実力なのか、非常に硬派な音がするなと感じているうちに曲が終了。

20分の休憩に入りますが、この後がメイン。

椅子の座り心地も、とても良いです。

そのせいなのか、オーケストラの演奏が美しすぎるせいなのか…斜め前に座っていた若い女性は、首を左右前後にカックンカックンさせていました。

休憩が終わって最後に演奏されたのは、ブラームス『交響曲第1番 ハ短調』。

ブラームスはドイツ出身で、同じドイツ出身のベートーヴェンをめちゃくちゃ尊敬していた作曲家の一人。

「ベートーヴェンの第九を超える作品を!」と気合を入れすぎた結果、今回演奏された『交響曲愛1番 ハ短調』は完成まで21年もかかったと言われています。

ブラームスはベートーヴェンより後の世代(ロマン派)の人間ですが、ベートーヴェンの時代の音楽(古典派)を好んでおり、伝統を重んじていたので音楽的には非常に保守的でした。

同じくベートーヴェンに影響を受けながらも「楽劇(オペラ)」で革新的な作曲をしていた同じドイツの作曲家ワーグナーとしばしば比較され、当時ブラームス派とワーグナー派は対立していたんだとか。

今でいうバンプVSアジカン、ゆずVSコブクロ、サザンVS TUBEみたいな感じでしょうかね…(笑)

ちなみに、私はブラームスもワーグナーも大好きです。

東京都交響楽団の硬派で確かな演奏と下野さんの美しい指揮、そして東京文化会館の素晴らしい音響。

オーケストラ・指揮者・会場のマリアージュで、力強くも美しいブラームスが観客までガンガン迫ってきます。

クライマックスが迫ってくると、頭の中に「あぁ、もう終わっちゃう…」という気持ちが浮かび始めました。

オーケストラが最後の一音を響かせて、指揮者のタクトが下ろされた瞬間、会場からは割れんばかりの拍手。

私、泣きました。本当に。

新型コロナウイルスという人類史上まれに見る困難に直面しながらもそれを受け入れ、付き合い方を模索し、新しい未来を創っていく…ブラームスの交響曲にも、そんなストーリー性がありました。

苦悩から歓喜へ。

オーケストラには、クラシックには、そんなメッセージ性が込められた楽曲がたくさんあります。

本質的には、歌詞がある今のJ-POPとそんなに変わらないんです。

しばらく幸せの余韻に浸って、私は東京文化会館を後にしました。

東京文化会館の音響の素晴らしさとオーケストラの実力、それらを引き出す指揮者の懐の深さに惚れ込んだ一日でした。


クラシック音楽(オーケストラ)を聴くときに気をつけたいポイントを解説

クラシック音楽に少しでも興味を持っていただけたらな…と思いながら書きましたが、いかがだったでしょうか。

「クラシック音楽のコンサートに行ってみたい!」と思われた方のために、コンサートに行く際のポイントをまとめてみました。

よかったら、読んでいってくださいね。

服装は自由!

よく誤解されがちなのですが、少なくとも国内のクラシック音楽のコンサートでは、基本的にドレスコードなどはありません。

年配の方だと男性はジャケットスタイル、女性はおしゃれなブラウスなどで来られている方もいますが、若い世代を見るとTシャツにスニーカーって方も多いです。

実際、私もTシャツにチノパン、スニーカーみたいな恰好で行くことがほとんど。

服装については、そんなに気にしなくて大丈夫ですよ!



小学生未満が入れるかはよく確認して!

一つ注意が必要なのは、未就学児(小学校入学前の幼児)。
クラシック音楽のコンサートでは、未就学児入場不可のコンサートも非常に多いです。

入れるかどうかについては、ネットやチラシなどで十分確認してからチケットを購入しましょう。

どうしても子連れで行きたい場合は、託児サービスを利用する方法があります。
東京文化会館でも、有料・要予約ですが託児サービスをしているので、電話(イベント託児マザーズ TEL:0120-788-222)で確認してみるのも良いでしょう。


拍手のタイミング①:拍手は指揮者のタクトが下ろされてから

おそらく皆さんが一番不安に思われているのが、拍手のタイミングではないでしょうか。

オーケストラの演奏会のプログラムの多くは、①短めの華やかな曲②ピアノやヴァイオリンなどがめちゃくちゃ上手い人(ソリスト)と共演する協奏曲③休憩④オーケストラのみで交響曲 という流れで行われます。

それぞれで拍手にコツがあるのですが、共通するポイントが一つあるんです。

それは、曲が終わっても、指揮者がタクトを下ろすまで拍手はしないこと。

指揮者がタクトを上げている間は、余韻を楽しんでいることの証。

タクトを上げている間に拍手されるのは、皆さんが映画館でいい映画を見て余韻に浸りたいのに、エンドロール中に帰ってしまう人がいたら興ざめするのと一緒なんです。

拍手は、指揮者がタクトを下ろしてからたくさんしてあげましょう!


拍手のタイミング②:協奏曲・交響曲では楽章ごとに拍手はしない

先ほど挙げさせていただいたプログラム例のうち、注意が必要なのは②の協奏曲と④の交響曲。
基本的に協奏曲は3楽章制、交響曲は4楽章制を取っているのですが、楽章と楽章の間では少し間ができます。

この間に拍手をしてしまうと、ちょっと恥ずかしい目に遭ってしまうかもしれません…

曲の間で拍手するのはぐっと我慢して、最後に思いっきり拍手しましょう。

他にも細かいルールはたくさんありますが、これを覚えておけばひとまず大丈夫です。

あとは、音楽を楽しむ気持ちがあればバッチリだと思います。

まとめ

東京文化会館のこと、クラシック音楽のことについてお伝えさせていただきました。

『のだめカンタービレ』が流行っていた時はクラシック音楽に興味を持つ方も多かったのですが、やはり最近は「お堅くて敷居が高い趣味」というイメージがすっかり付いてしまっているなと感じます。

クラシック作曲家は基本的に変人の集まりで、人間味にあふれていて面白いんです。

入り口は何でも構わないので、クラシックに興味を持つ人が増えてくれたらいいな、と願っています。

この記事が、少しでもその助けになれていれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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ライター紹介

よしたに

フォトライター

鉄道ライターとして、デアゴスティーニ『JR全路線DVDコレクション』や『鉄道ジャーナル』など、鉄道雑誌やWebメディアへの記事掲載多数。 台東区を歩いて感じながら、皆さんと台東区を楽しみたいと思っています。 趣味はクラシック音楽鑑賞や料理、野鳥観察などです。
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