上野・東京都美術館|ミレー《落穂拾い》が23年ぶりに来日!オルセー美術館展が11月14日開幕
「いまを生きる歓び」をテーマに、“印象派の殿堂”オルセー美術館のコレクション約110点を紹介する展覧会が、上野の東京都美術館で開催されます。ミレー《落穂拾い》は23年ぶり、ファン・ゴッホ《星月夜》とゴーガン《アレアレア》が16年ぶりの来日となり、モネやルノワール、ドガなど印象派を代表する画家たちの作品も並びます。
「東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」は、2026年11月14日(土)開幕です。

オルセー美術館とは?——開館40周年の”印象派の殿堂”と100周年の東京都美術館がタッグ
オルセー美術館は、1900年のパリ万国博覧会に合わせて建てられた駅舎を改装し、1986年にセーヌ川のほとりに開館した美術館です。1848年から1914年までに制作された絵画・彫刻・装飾美術・写真など約10万点の作品を所蔵し、とりわけ印象派・ポスト印象派のコレクションは世界最大級。2025年には年間370万人以上が訪れました。
開館40周年を迎えるオルセー美術館と、同じく2026年に開館100周年を迎える日本初の公立美術館・東京都美術館。両館の節目を記念した企画として生まれたのが本展です。テーマは「いまを生きる歓び」。産業の発展と技術革新で社会が大きく変わった19世紀、芸術家たちは身近な「いま」に目を向け、日々の暮らしにささやかな幸せを見出しながらたくましく生きる人々を描きました。その視線は、変化の激しい現代を生きる私たちにも新しい気づきをもたらしてくれるはずです。
「オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」展の見どころ
《落穂拾い》《星月夜》《アレアレア》——オルセーの至宝が来日
最大の注目は、世界中を魅了してきた名作の来日です。ミレー《落穂拾い》は23年ぶりの日本での展示となります。刈り入れ後の畑で落穂を拾う3人の農婦の姿は、農村の日常を描きながらも聖書の一場面のような静けさと気高さをたたえています。

© Musée d’Orsay, Dist. GrandPalaisRmn / Patrice Schmidt / distributed by AMF
ファン・ゴッホ《星月夜》は16年ぶりの来日です。南仏アルルでローヌ川越しの夜空を描いた作品で、ゴッホは弟テオに、夜は「昼間よりもいきいきしていて、色彩が豊か」と書き送っています。きらめく星とガス灯、川面に映る光など、光の少ない夜の景色を表現する鮮やかな色彩や筆致にも注目です。

© GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
さらに、ゴーガンがタヒチで描いた《アレアレア》も16年ぶりの来日となります。タイトルはタヒチ語で「歓び」「陽気さ」を意味し、本展のテーマを象徴する作品の一つです。このほか、モネ、ルノワール、ドガ、カイユボット、スーラ、ロートレック、ボナールらの作品も並びます。

© GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
「いまを生きる歓び」を7つのテーマで——人生の愛おしい瞬間をたどる
オルセー美術館の所蔵品の中から選ばれたのは、「希望」を伝えるあたたかな作品の数々です。展示は、ダンスの作品で祝祭的に幕を開けるプロローグ「ダンス 世界をことほぐ」から、エピローグ「それでも世界は美しい」まで、全7編で構成されます。

© GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
働く人々のたくましさを見つめる第2章の「よく食べ、よく働き、よく眠る」ではミレー《落穂拾い》やカイユボット《床削り》を紹介します。

© GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Franck Raux / distributed by AMF
余暇を楽しむ人々や祝祭を描く第3章「日々を重ねる」ではモネ《パリ、モントルグイユ通り、1878年6月30日の祝祭》やルノワール《読書する人》、家族や身近な人へのまなざしにあふれる第4章「幸せの手ざわり」では、ボナール《室内》やドニ《メルリオ一家》が登場します。
絵画だけでなく、エミール・ガレのガラス作品や19世紀の写真まで、多彩なジャンルで「いま」を生きた人々の歓びをたどれるのも本展の魅力です。

© Musée d’Orsay, Dist. GrandPalaisRmn / Patrice Schmidt / distributed by AMF

© GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

© Musée d’Orsay, Dist. GrandPalaisRmn / Patrice Schmidt / distributed by AMF
フランスのセノグラファーが手がける、歓びあふれる展示空間
会場デザインを手がけるのは、フランスで活躍するセノグラファー(展示空間デザイナー)のセシル・ドゥゴス氏。パリのブルス・ドゥ・コメルスにおけるピノー・コレクションの展示デザインや、上海・浦東美術館でのオルセー美術館の展覧会の展示演出などを手がけてきました。会場に一歩入った瞬間から、作品とともに「いまを生きる歓び」に浸れる空間が待っています。
楽しむためのポイント
お得に楽しむなら、11月13日(金)まで販売の前売券をチェック。平日16時以降に入室できる「平日限定トワイライト券」(2,100円)や、FEILERのハンカチなど人気グッズがセットになった「スペシャルグッズセット券」(数量限定)も用意されています。ほかにも割引チケットなどお得に楽しむ方法があるので、公式サイトをチェックしましょう。
会場限定グッズも充実しており、BEAMS DESIGNによるアパレルや、愛らしい犬の絵で人気のイラストレーター・てらおかなつみさんがボナール《室内》から着想を得て描きおろしたアイテムなどが登場予定。12月1日(火)〜6日(日)には、本展のチケットまたは半券で無料鑑賞できる「いまを生きる歓びシネマウィーク」も開催されます。金曜日は20時まで開室しているので、仕事帰りに立ち寄るのもおすすめです。
激動の時代に芸術家たちが見つめた「いまを生きる歓び」
19世紀という激動の時代に生きた芸術家たちは、それでも日々の生活に「いまを生きる歓び」を見出してきました。モネ、ルノワール、ドガといった印象派の巨匠たちから、晩年のファン・ゴッホやゴーガンまで、時代を駆け抜けた表現者たちの傑作が上野の東京都美術館に集まります。ぜひこの機会に、激動の時代に描かれた心温まる名作に触れてみてはいかがでしょうか。
開催概要
展覧会名:東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び
会期:2026年11月14日(土)〜 2027年3月28日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
開室時間:9:30〜17:30、金曜日は9:30〜20:00(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日、11月24日(火)、12月22日(火)〜2027年1月3日(日)、1月12日(火)、3月23日(火)※ただし11月23日(月・祝)、1月4日(月)、1月11日(月・祝)、3月22日(月・休)は開室
観覧料(税込):一般 2,400円(前売2,200円)/大学・専門学校生 1,300円(前売1,100円)/65歳以上 1,600円(前売1,400円)※前売券販売期間は11月13日(金)まで。18歳以下、高校生以下は無料。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者(1名まで)は無料。いずれも証明できるものの提示が必要となります。

鶴丸 明
ライター

