【原宿】ラフォーレ原宿B0.5F「愛と狂気のマーケット」でまだ知らない才能に出会う
原宿・ラフォーレ原宿B0.5Fに、個性豊かなクリエイターの作品が集まる「愛と狂気のマーケット」があります。
アクセサリーやファッション、アート、雑貨など、ジャンルもさまざま。毎月約100組が入れ替わるため、訪れるたびに新しい作品との出会いがあります。
今回は、全体の運営を担う神田さんにご案内いただき、フロアを一緒に歩きました。その後、名前に込められた思いや、この場所が生まれた背景、クリエイターたちの挑戦についてお話を伺いました。
愛と狂気のマーケットとは? 原宿で出会う約100組のクリエイターたち

愛と狂気のマーケットは、ラフォーレ原宿B0.5Fにあるクリエイターズマーケットです。アクセサリー、ファッション、アート、雑貨、ステッカーなど、ジャンルを限定せず、さまざまな作品を創り出すクリエイターが集まっています。
大きな特徴は、毎月約100組のクリエイターが参加し、出品者が入れ替わっていくこと。関東を拠点に活動するクリエイターだけではなく、日本各地から作り手が集まり、海外から参加するクリエイターもいます。

そのため、訪れるタイミングによって、出会える作品も変わります。
「前に来たときにはなかったものがある」
「こんなクリエイターがいるんだ」
そんな発見があるのも、このマーケットならではの魅力です。フロア全体を歩いていると、作品そのものだけではなく、「誰が、どんな思いで作っているのか」というところまで気になってきます。
フロアを歩いて見つけた個性豊かな「好き」

フロアに並ぶ作品を見ていると、ジャンルの幅広さだけでなく、作り手それぞれの個性が伝わってきます。
同じジャンルの商品でも、作り手が変われば世界観も大きく変わります。
「これは何だろう?」
「どうやって作っているんだろう?」
そんな小さな疑問から、思わず足を止めてしまう。目的の商品を探すショッピングとは違い、歩いているうちに偶然「好き」に出会えるのが、リアルなマーケットの面白さです。

数多くのクリエイターの中で特に印象的だったのが、「動くステッカー屋さん」。愛と狂気のマーケットのオープン当初から出品しているクリエイターで、昔の技術を使ったステッカーを制作しています。
一方で、今の若い世代にとっては、どこか懐かしい表現が新鮮に映り、「エモい」と感じられる存在として受け入れられているそうです。

初めて出品したときの商品数は、わずか6点ほど。そこから出品を重ねるなかで、少しずつ商品や売り場を広げていきました。現在では、ほかの出品者とのコラボレーション商品も並ぶなど、当初とは比べものにならないほど大きな売り場へと成長しています。
小さなスペースから始まった出品が、継続することで少しずつ広がっていく。その過程そのものが、愛と狂気のマーケットがクリエイターの挑戦を支える場所であることを物語っています。

一度出品して終わりではありません。実際に商品を並べ、お客様の反応を見る。売れ方を知る。商品の見せ方を変える。POPを工夫する。そうした経験を積み重ねることが、クリエイター自身の成長にもつながっています。
ここで感じたのが、愛と狂気のマーケットは作品を販売する場所であると同時に、クリエイターが試行錯誤できる場所でもあるということです。現在はSNSが発達し、さまざまな作品をスマートフォンから気軽に見ることができるようになり、写真や動画を通して、遠く離れた場所でさまざまな作品を知ることができます。
ですが、実際に作品を手に取ってみなければ分からないことがたくさんあります。

素材の質感、大きさ、重さ、細かなディテール。写真では伝わりにくい部分を、自分の目で見て、手で触れて確かめることができます。そして、クリエイターと直接会話をすることで、作品が生まれた背景や、そこに込められたこだわりを知ることもできます。
関東だけではなく、日本各地、さらに海外からもクリエイターが集まるからこそ、東京にいながらさまざまな場所の「好き」に触れられる。それも、愛と狂気のマーケットの面白さです。オンラインだけでは完結しない、リアルな出会いがここにはあります。
「愛と狂気」にはどんな意味が? 神田さんに聞いたマーケットの背景

フロアを一通り案内していただいた後、改めて神田さんにお話を伺いました。まずお伺いしたのは、やはり「愛と狂気のマーケット」という名前についてです。
一度聞いたら忘れられない、インパクトのある名前ですが、実はこのマーケットが大切にしている考え方が込められています。
神田さんがキーワードとして挙げるのが、「才能」です。
「このタイトルの意味は、面白い才能と出会えるマーケットです。ここでいう才能とは、特別な技術や肩書きを持っている人だけを意味するものではありません。面白いものを生み出してみたい、自分の発想を誰かに見てもらいたい、自分のことを世の中の人に知ってもらいたい。そんな強い思いも、ひとつの才能です」。

「愛」は「出会い」、そして「狂気」は「才能」。そう聞くと、「愛と狂気のマーケット」という名前が、少し違って見えてきます。ここで出会うのは、作品を生み出し、その人が持つ発想、そしてこれから生まれるかもしれない新しいカルチャーとの出会いです。
では、なぜこのマーケットは原宿にあるのでしょうか。その背景には、「原宿の原点に戻りたい」という思いがあります。
かつての原宿には、歩行者天国などで自分で作ったものを持ってきて、レジャーシートを広げて販売するなど個人が自由にものを売る文化がありました。
また、若者の自由なファッションを扱う店舗が軒を連ねる竹下通りに加え、裏原宿と呼ばれるエリアでも新たな文化が生まれました。いつの時代も原宿には新しい人が街に入り、自分の表現を発信する。そんな自由な空気が存在していました。

ラフォーレ原宿周辺にも、マンションの一室などで商品を制作し、完成すればすぐに販売する「マンションメーカー」と呼ばれる個人クリエイターが多く存在したそうです。しかし、土地や賃料の高騰などによって、個人が気軽に原宿で活動することは簡単ではなくなりました。

だからこそ、個人でも安い金額で、原宿という場所を使って表現できる場所をつくりたい。そんな思いから、愛と狂気のマーケットが生まれました。小さなスペースだと、1カ月3万円から出品できるのも特徴です。自分自身ですべてを一から運営する。もちろん自由に接客をしてもいい。大きな準備をしなくても、まずは自分の商品を原宿で見てもらうことができます。
「まずは出てみる」が未来を変える・クリエイターの挑戦を支える場所

「愛と狂気のマーケット」には、ここでの出品をきっかけに、原宿で常設展開へとつながったケースもあります。
最初から大きなスペースで展開するのではなく、まずは愛と狂気のマーケットで作品を紹介し、実際のお客様に見てもらう。
どんな人が作品に興味を持ってくれるのか、どの商品に反応があるのか、どのような見せ方が効果的なのか。実際の売り場だからこそ分かることを一つひとつ確かめながら、次の展開へと進んでいきます。

小さなスペースでの挑戦が、常設展開という次のステージにつながる。それは、愛と狂気のマーケットが作品の販売場所ではなく、クリエイターが可能性を試し、成長していくための場所でもあることを示しています。
そして、神田さんが出品者から何度も聞くというのが、「何年も前から出たかったんです」という言葉です。けれど、その何年もの間に一度でも出品していたら、もっと早くに多くの気づきや発見を得られていたかもしれません。
やってみなければ分からないことは、たくさんあります。だからこそ、神田さんが伝えたいのは、「チャレンジしないと何も始まりません」ということ。

そして、もうひとつ大切なのが「熱量」です。同じ作品を扱っていても、どれだけ本気で売り場と向き合っているかは、お客様にも伝わります。作品の並べ方、POPのつくり方、商品の見せ方など、細かな部分を自分自身で工夫する。
そうした積み重ねが、次の発見や新しいチャンスにつながっていきます。また、基本的には毎月第3土曜日に「イブニングパーティー(クリエイターズデイ)」も開催されています。

クリエイターが在店し、作品をつくった本人と直接話せる機会です。作品の制作背景を聞いたり、こだわりを教えてもらったり。作り手と直接言葉を交わすことで、作品への見方も変わってきます。アップサイクルに取り組むクリエイターも多く、一点ものとの出会いや、ものを大切に使い続ける楽しさも感じられます。
そして意外なのが、出品クリエイターの年齢層です。原宿というと若者の街というイメージがありますが、愛と狂気のマーケットには40代以上のクリエイターも多く参加しています。
「昔は原宿によく来ていたけれど、年齢とともに足を運びづらくなった」
「子育てが落ち着いたので、もう一度何か始めてみたい」
そんな人たちにとっても、新しい挑戦の場所になっています。
年齢も性別も関係ありません。
「何かを作ってみたい」
「自分の作品を誰かに見てもらいたい」
その気持ちがあれば、挑戦する理由になります。
最後に、「愛と狂気のマーケット」を訪れる人へのメッセージもいただきました。

「原宿は、尖ったファッションじゃないと行ってはいけない、というイメージがあるかもしれません。でも、そんなことはありません。実際に『愛と狂気のマーケット』にいらっしゃるお客様も、さまざまな方がいます。ぜひ肩の力を抜いて、作品とクリエイターたちに会いに来てください!」
原宿は、時代とともに姿を変えてきました。それでも、自分の「好き」を形にして、それを誰かに届ける人たちが集まり、新しいカルチャーを生み出していく街であることは変わりません。
愛と狂気のマーケットが面白いのは、完成されたブランドだけが並んでいる場所ではないこと。これから大きくなるかもしれない才能が、今まさにここで挑戦していることです。
原宿を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
愛と狂気のマーケット
所在地:東京都渋谷区神宮前1-11-6ラフォーレ原宿 B0.5F
営業時間
11:00~20:00
※ラフォーレ原宿の営業時間に準じます。

ハラカズコ
メディアライター・アロマクリエイター

