2021年大河ドラマの主人公・渋沢栄一にあの将軍も!有名人が多く眠る谷中霊園へ行ってきた

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台東区・谷中にある墓地

昭和レトロな下町として注目を集める場所・谷中。
この場所にある谷中霊園は、都会の喧騒から離れられるということで、平日休日問わず人が訪れる、隠れた人気のスポットとして知られています。

そしてここには徳川家をはじめ、江戸時代の将軍家、大名家などのほか、日本を代表する多くの文化人・有名人が眠っています。
また、2021年度大河ドラマ「青天を衝け」の主人公であり、2024年度より新一万円札の顔となる実業家・渋沢栄一のお墓もあるのです!

>>>歴史とロマンあふれる人気のスポット「谷中霊園」歴史×台東区を漫画で学ぶ!Vol.02

そんな注目の谷中霊園、どんな場所かちょっと覗いてみたいと思いませんか?

ということで今回は、谷中霊園をお散歩してきました。




谷中霊園とは?

谷中霊園は、約10万平方メートルという敷地におよそ7,000基のお墓があります。

霊園ということで、一般の方はもちろん、たくさんの著名人のお墓があり、上野もほど近いため、ちょっとした観光スポットになっています。

徳川最後の将軍・徳川慶喜、徳川御三卿を含めた旧大名家や、日本画家・横山大観、俳優・森繫久彌、元総理大臣・鳩山一郎、元横綱・柏戸剛、植物学者・牧野富太郎など、軍人・政治家から文化人・芸能人まで、多くの著名人が眠っているのです。

いざ谷中霊園へ

谷中霊園の行き方は、JR日暮里駅からすぐ。西口から降りると何分もかからない場所にあります。


案内板通りに進んで、目の前にある坂(紅葉坂)を上ればすぐ霊園です。



左にあるのは「護国山天王寺」。

メインロードのさくら通りは、桜の名所として有名です。

両端にいっぱいの桜が咲き、桜の開花時期は見物客が絶えないんだとか。
来るべき時期を完全に誤ったようですね。

さくら通りを進んですぐ左手には、かつてここにあった「五重塔」の跡地があります。

実は、谷中には五重塔がありました。今は焼失し、記念碑が残されているのみですが、現存していた頃はこの辺りのシンボルマークとして親しまれていたそうです。


お墓の間から見えるスカイツリー。



谷中霊園をまわるコツは、やみくもにまわるのではなく、まずはさくら通りをまっすぐ行った霊園管理所に行くことです。

霊園管理所には、谷中周辺を紹介する様々なパンフレット(日本語ほか外国語)があります。

著名人のお墓がどこにあるかもマップでわかるようになっているので、効率よくまわるならここでパンフレットを手に入れましょう。

後述しますが、このパンフレットを知らなかった筆者は広い敷地の中でさまよってしまいました。(笑)
特に特定のお墓を目当てに訪れるならオススメします!


徳川慶喜のお墓に行ってみる

江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜のお墓は、さくら通りの奥、左側にあります。歩いていくと、案内版をいくつか見かけるのですが…。


この看板、どうなんでしょうか…?
矢印の向きと指示の文が逆なのですが…(笑)


「左折」の文字だけ見て進んでいったのですが、行けども行けども見つからない。


迷ったか…?と思って戻ってみると、事実に気が付きました。
早急にどうにかして頂きたいです。


そして戻ってみるものの、結局わからなくなってしまったりして、墓掃除をしている地元の方に聞いてみたら親切に教えてくれました。

ここら辺で迷子に。


この石畳の道を歩いていくと、もうお墓は近くです。長かった。



 慶喜公のお墓は塀に囲まれているため、塀に沿って遠回りするとたどり着けます。



やっと到着です。
門には葵の紋が構えていて、さすがに別格であると一目でわかりますね。



中央二つのうち、左側が慶喜公のお墓で、右側が正室のお墓になります。


渋沢栄一のお墓もまわってみる

91歳の天寿をまっとうした渋沢栄一は、かつて主君であった徳川慶喜の墓所から、そう遠くない場所に眠っています。

御隠殿坂(ごいんでんざか)を目指した、ひときわ広い敷地に、背の高い大きな墓碑(乙11号)が何基も建っています。(よく見ると、間に小さな墓碑もありますが)


大きな墓碑3つのうち、真ん中が渋沢栄一のお墓になります。


両隣にあるのは、前妻と後妻の墓碑です。

途中から霊園の案内をしてくれた地元のおじさまのお話では、「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の墓には、常にお花が供えられているそうです。


なんでも、その偉大な功績から、現代の起業家たちや経営者が頻繁にお参りをしに来ているからなんだとか。


それに、かつて上司というか、お仕えしていた主君であった人のすぐ側で眠っているわけですよね。
亡くなってもなお、関係が変わらないというか。なんだか感慨深いですね。

ほかの有名人のお墓もまわってみる

谷中霊園には数多くの有名人のお墓があります。見てきただけのお墓を少し紹介しますね。

徳川慶喜の墓の手前には、勝精(かつ くわし)夫妻のお墓もあります。

「勝」というとピンと来た方もいるでしょう。そう、彼は幕末に活躍した勝海舟の息子なのですが、実は徳川慶喜の十男であり、長男を亡くした勝海舟が徳川慶喜にお願いして、十男の精を養子にもらったのだそうです。

勝精は、養父のそばでなく、実の父母のそばに眠っているんですね。


こちらは、江戸時代の国学者で有名な本居宣長の6代目の子孫にあたる本居長世(ながよ)のお墓。

東京音楽学校本科を首席で卒業し、作曲家として活躍しました。



日本画家の巨匠・横山大観のお墓も。




また、実はあまり知られていない、というかパンフレット(地図)にも載っていないのですが、明治維新の功労者・大久保利通を暗殺したグループのお墓も、この谷中霊園にあるんです。


薩摩藩士で、倒幕と明治維新を成し遂げた人物の一人・大久保利通は、新政府に不満を持つ士族らによって道半ばに殺害されました。

事件を起こした実行犯6名の墓も、ひっそりとこの場所の一画に並べられています。


有名人のお墓をお参りするときのマナー

最近は創作作品などの影響で、全国的に歴史的人物・有名人のお墓参りをする人が増えているそうです。その一方で、マナーの悪い参拝者が目立ち、立ち入り禁止となっているということも。


ということで、家族以外がお参りする際に気を付けたいマナーを簡単に紹介しますね。

墓所内にみだりに立ち入らない


お墓は故人が眠っている場所であり、また、ご遺族の所有物でもあります。
お墓参り以外の目的で墓所内(お墓の外柵内。通路・隣の墓との境界の内側)には立ち入らないようにしましょう。

園内の花や樹木を傷つけない


霊園には、立派な桜並木などをはじめ、自然の樹木、草花がたくさん残っています。樹木を折ったり、むやみに草花を摘んだりせず、霊園の環境や自然を守るようにしましょう。

また、墓所内にある草木や花は私有物なので、手を触れないようにしましょう。

お供えはしない(すぐ持ち帰る)


故人が好きだったものはお供えをしたくなりますよね。
しかし、食べ物は鳥や猫や虫によって食い荒らされ、墓を汚したり傷めたりする原因になります。

どうしてもお供えしたい場合は、お参り中のみお供えして、帰りに必ず持ち帰るようにしましょう。

まとめ

今回は、谷中霊園を実際にお散歩してみましたが、いかがでしたでしょうか?


2021年度大河ドラマの主人公である渋沢栄一や、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の厳かな墓所を訪れてみると、教科書に載っている歴史上の人物が本当にいたのだな~という、実感が湧きます。
また、自然に囲まれている場所で何より春が近いのか、鳥のさえずりがあちこちから聞こえてくるのがとても印象的でした。


さらに今回、お墓の所在地を教えて下さったり、親切なおじさまが有名人のお墓を案内して下さったりと、人の親切さに感謝したい場面がありました。
運がよければ、今回の筆者のように、目的地がわからなくなっても詳しい方が教えて下さるかもしれませんね。



谷中は昭和レトロな谷中銀座商店街や、おしゃれなリノベーションカフェもたくさんあり、若い人も飽きない町へと変化しています。

歴史ロマンたっぷりなこの場所へ、たまにはお江戸な散歩を楽しんでみるのもいいですね。


谷中霊園
住所:東京都台東区谷中7-5-24
時間:無
定休日:無
アクセス:JR日暮里駅南口より徒歩6分
公式HP

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ライター紹介

くまりら

インタビュアー、ライター

93年生。縁あって、前職では有名少年漫画作品の編集をいくつか担当。 歴史ロマンのあるもの、美味しい食べ物、韓国アイドル、エンタメが好き。
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