新しい建築文化のはじまった明治時代にタイムトリップ~和と洋の魅力が調和した旧岩崎邸庭園~

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台東区には昔ながらの景観が大切に守られてきた歴史を感じるスポットが多くあります。

都立文化財9庭園のひとつとしても名を連ねている旧岩崎邸庭園も台東区を代表する歴史的な有名施設です!

明治初期の建築技術を当時のまま見て取ることができます。

実際に見学したところ、歴史を感じられる造りになっているにも関わらず老朽化は全く感じられませんでした。西洋建築が日本に伝わってきた明治時代にそのままタイムトリップしたのかと錯覚してしまったほどです…!

本記事では旧岩崎邸庭園の歴史を見学レポートも交えながらご紹介します!

ぜひ最後までご閲覧ください♪



旧岩崎邸庭園って?

旧岩崎邸庭園が建てられたのは明治29(1896)年。岩崎彌太郎の長男で三菱第三代社長の久彌の本邸として造られました。

完成が今から125年ほども前にも関わらず、実物を見ても古びたようすが全くないのは重要文化財として後世に受け継いでいくために手入れや改修工事がたびたび行われているからでしょう。

現存するのは洋館・撞球室(ビリヤード場)・和館大広間の3棟。

広大な敷地面積で『ここが全部岩崎家⁉』と驚きましたが、往時の敷地は実に現在の3倍だというからよりびっくり。

約1万5,000坪に20棟もの建物が並んでいたそうです。20棟も並んでいるともはや住宅街のようになっていそう…!

ドラマの世界ですか…?と問いたくなってしまうほど桁違いのお金持ち具合が伺えますね。

間取りはこのようになっています!

洋館

白い壁に青い屋根が映える洋館。

ドラマ『謎解きはディナーのあとで』で北川景子さん演じる超お金持ちのお嬢様・宝生麗子が住む宝生邸の外観としても撮影されるほど豪華で華やかな印象です。

もちろん内装もしっかり西洋造りになっています!

明治初期から建築の近代化が進んでいるのがよくわかる石造りです。

設計したのはイギリスの建築家 ジョサイア・コンドル

大学教授として来日したコンドルは西洋建築についての知識を日本に広め、明治以後の新しい建築文化を確立したひとりです。

コンドルのこだわりが詰まった館内に入るとあまりの美しさに圧倒されます。

今の時代でも誰もが想像するような〝お金持ちの豪邸〟をそのまま形にしたような広さと煌びやかさです。日常とはかけ離れた光景に思わず心が弾むような気持でした!

洋館は主に年に1回の岩崎家の集まりや外国人、賓客を招いてのパーティーなどのプライベートな迎賓館として使われていたため客室が多くありました。

所々に見られる装飾は17世紀の英国ジャコビアン様式という造りになっています!

彫刻の模様、脚やアームのねじり挽物など細部まで繊細な造りはじっくり見たくなってしまいます。

アンティーク家具を眺めるのが好きな私にとっては夢の空間です…!

明治の同時期、一般の家庭ではまだ暖をとるものが限られていたであろうにも関わらず、各室に立派な暖炉が設けられていることに驚きました!さすが大富豪 岩崎家。

更に、明治後期には暖房を補う役割もあるサンルームが東側に増設されたそう。

防寒対策が抜かりないですね!

個人的に一番好みのお部屋が2階の婦人客室。

ほかの部屋とはまた違った雰囲気で可愛らしかったのが印象的でした!

ピンク地に青紫色の花柄の壁紙と白い天井とドア枠の相性がベストマッチですよね^^

ベランダも広々としていてまるでお城のよう。

ちょうど右側を見ると併置されている和館が見えて、和と洋が融合した景色に感動しました!

和×洋のコラボ!
このようなバランスの建築設計は世界の住宅史においても希有だとされているそうです。

和館

和館と洋館は通路を通ってそのまま行けますが同じ建物⁉と驚いてしまうほど一気に雰囲気がガラッと変わります!

畳に障子、これぞ和風!!私にとっては明治の建造物のイメージはこういった和の要素を多く取り入れた部屋でした!

部材のひとつひとつには現在では入手困難の木材が使われているそうです。

誤って手を触れないように注意しましょう!

現在の和館は洋館よりも狭い敷地ですが、完成当時は健坪550坪に及び洋館よりも遥かに大きかったそうです。岩崎家の部屋や台所などの居住空間は失われていて、残っているのは冠婚葬祭などに使われた大広間の1棟のみ。それにしてもだいぶ広いですが…!

施工をしたのは数多くの大富豪の屋敷を手掛けた大川喜十郎、残された障壁絵の下絵を描いたのは日本画家の橋本雅邦が伝えられています。

落ち着ける和装空間、室町から江戸時代のなごりもある日本画の芸術性を随所で堪能できますよ!

次之間ではお抹茶とお菓子をいただくことができます!

床暖房が効いているので冬も暖かく、休憩するのにはピッタリ。

メニューはこちらです。

美味しいお抹茶と甘いお菓子を食べてほっと一息できました!

撞球室

洋館と同様にコンドル設計の撞球室(ビリヤード場)。

洋館から少し離れた位置に立っています。

ですが、実は洋館とは地下通路で繋がっているそうです…!

地下通路まであるなんて…!!!

室内には入れないため外から見学しました。

可愛らしいスイスの山小屋風の造りになっています。

家に別棟でビリヤード場がある贅沢な暮らし、私も体験してみたいです^^;

アクセスと入場料金

旧岩崎邸庭園までのアクセスはこちら!

アクセス 〒110-0008
     東京都台東区池之端1-3-45
     東京メトロ千代田線「湯島」下車 徒歩3分
     東京メトロ銀座線「上野広小路」下車 徒歩10分
     都営地下鉄大江戸線「上野御徒町」下車 徒歩10分
     JR山手線・京浜東北線「御徒町」下車 徒歩15分 ※駐車場なし

入園料金はこちらです!

入園料
一般    400円
65歳以上 200円
(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)

【20名以上の団体】
一般    320円
65歳以上 160円  

【年間パスポート】
一般   1,600円
65歳以上 800円   ※年末年始定休日

旧岩崎邸庭園は全体が重要文化財のため園内徘徊及び撮影の際にはいくつか注意事項があります。

ペットの連れ込み、園内の動植物の採集、建物内での飲食、家具や柱、壁紙に手を触れる行為はすべて禁止となっていますのでご注意ください!

写真撮影時の禁止事項は以下の通りです。人物を中心とした撮影(モデル撮影など)
・建物内でのフラッシュを使用した撮影
・階段や踊り場上での撮影
・他のお客様の観覧の妨げとなる撮影

また、外観の撮影はいつでもOKですが館内の写真は平日のみ撮影が可能です。

内装を写真に撮って残したいという方は平日に足を運ぶようにしてくださいね!




まとめ

明治時代から現代に至るまで大切に守られている旧岩崎邸庭園。

現在は重要文化財として登録され、後世に残すために日々改修工事やお手入れなどがされています。

戦前の日本にとっては画期的だった新しい建築技術を直接見ることができる貴重な施設です!

当時の建築技術のすばらしさをぜひご自身の目でお確かめください。


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ライター紹介

よしだ

めぐり部/編集・ライター

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