【冬読書のススメ】下町の描写がアツすぎる…!時代小説家池波正太郎を知る
こんにちは、とくらです。
すっかり寒くなり、休みの日は布団に籠ってスマホ片手に読書をする日が続いています。
私は昔から歴史小説が好きなのですが、中でも幕末を舞台にした小説が特に好きです。
動乱の時代を生きた幕末の志士の活躍を想像すると本当にワクワクします。
中学生の頃から大人になった今まで、司馬遼太郎や池波正太郎の作品をよく読んできました。
燃えよ剣や、幕末新選組は私のバイブルともいえる本です。
さて、今回は、『幕末新選組』の作者である池波正太郎についてご紹介したいと思います。
池波正太郎とは
池波正太郎は、言わずと知れた戦後を代表する時代小説家です。
特に、戦国時代・江戸時代を舞台にした作品を多く発表しています。
また、美食家としても有名で、作中にも多くの「食」にまつわる話が出てくるのも印象的です。
そんな池波正太郎ですが、浅草出身だったというのはご存じでしょうか?
確かに下町の描写などは実際にその空気に触れていた感じがとても伝わってきます。
池波正太郎は、1923年(大正12年)東京市浅草区(現在の台東区浅草)で生まれました。
関東大震災の発生により、一時埼玉県に引っ越しますが、小学校は台東区の根岸小学校に通っています。
小学校卒業後は、進学せず奉公に出ることに。
しばらくは奉公先を転々としますが、3つ目の奉公先である株式仲買店では6年程勤めていたようです。
しかし、この頃は月給を上回るほどの”副収入”を得ていたらしく、10代にして観劇、読書、登山、遊郭通いなど非常に多趣味だったようです。
歌舞伎について知るために長唄を習うなど、かなり趣味に本腰をいれていた様子がうかがえます。
様々な背景の作品を書いた池波正太郎の素地はこの頃に培われたのかもしれませんね。
その後、太平洋戦争が始まると奉公先を辞め、国民勤労訓練所に入所。
戦時中は、雑誌にスケッチを投稿したり、俳句や短歌を作るなど、創作活動を始めています。
戦争が終わると、しばらくは劇作家として活躍しました。
しかし、先輩劇作家の強い勧めで、雑誌で小説を発表することに。
終戦後は東京都の職員として勤務していましたが、自身の代表作の上演に伴い、文筆で身を立てることに自信を持ち、都の職員を退職し、定期的に小説を書くようになりました。
40代になると、江戸の市井を描いた時代小説を多く執筆します。
この頃に手掛け、高い評価を受けたのが、あの『鬼平犯科帳』シリーズの第1作です。
その後、『剣客商売』や『仕掛人・藤枝梅安』シリーズなど、代表作を次々と発表していきます。
晩年は、なんと『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人』の他にも連載を並行して行い、更に小画集の出版や、劇公演の演出なども手掛けています。
いやはや、仕事人が過ぎる…
1990年(平成2年)5月3日、池波正太郎は急性白血病が原因となり67歳でこの世を去りました。
当時連載中であった『仕掛人・藤枝梅安 梅安冬時雨』『鬼平犯科帳 誘拐』は、未完のまま絶筆となっています。
亡くなった後も、ドラマやテレビでのグルメシリーズが放送されるなど、多くの影響を残しました。
現在でも『仕掛人』を翻案した必殺シリーズは人気がありますよね。
また、2023年には映画『仕掛人・藤枝梅安』が公開される予定だとか。
これは楽しみです!
池波正太郎記念文庫
2001年、台東区生涯学習センターの中に「池波正太郎記念文庫」が開設されました。
ここでは、書斎の再現や、自筆原稿の展示などを行っています。
また、池波正太郎が愛用していた品々も公開されています。
10000冊もの時代小説を収蔵した「時代小説コーナー」も気になりますね。
なんと、入館料は無料!
定期的に展示物が入れ替えられるコーナーもあるので、何度も訪れたくなるスポットです。
池波正太郎記念文庫
開館時間:月曜日~土曜日 9:00~20:00
日曜日・祝日 9:00~17:00
休館日:毎月、第三木曜日、年末年始、特別整理期間
住所:台東区西浅草3-25-16 (台東区生涯学習センター1階台東区立中央図書館内)
アクセス:
つくばエクスプレス【浅草駅】A2番出口徒歩5分 東京メトロ日比谷線【入谷駅】徒歩8分
銀座線【田原町駅】徒歩12分 台東区循環バス南・北めぐりん【生涯学習センター北】下車徒歩2分
池波正太郎生誕地碑
区立待乳山公園内には、池波正太郎の生誕地碑が建てられています。
「大川(隅田川)の水と待乳山聖天宮は、私の心のふるさとのようなものだ」とエッセイの一節にもあるように、池波正太郎にとって非常に思い入れのある地だったのでしょう。
2007年(平成19年)に建立されました。
池波正太郎生誕地碑
住所:台東区浅草7-4-9
アクセス:
東武線【浅草駅】徒歩12分
北めぐりんバス【 隅田公園】下車徒歩2分
まとめ
とても多くの作品を書き、そして現在まで多くの人に愛され続ける池波正太郎。
きっと彼の作品から日本史が好きになった方も多いでしょう。
出会いは幕末を描いた作品でしたが、他の作品もどんどん読んでしまう魅力のある描写。
池波作品に登場する台東区や墨田区の土地は実際にあるものが描かれていることが多いので、
ゆかりの地を歩いて、「あの作品の…!」というような楽しみ方もできるのではないでしょうか。
今年の冬は、ぜひ池波正太郎を片手に歩いてみては?
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