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【取材】老若男女を虜にする八百屋の絶品日替わりランチ。谷中の「OKATTE」で野菜たっぷりプレートを堪能!

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新旧様々なお店が並び散策にぴったりな街、谷中。

そんな谷中に新鮮なお野菜を使ったランチを食べられる場所があると聞き、私が向かったのはなんと八百屋さん。

一見普通の八百屋さんですが、この「OKATTE」という八百屋さんで絶品日替わりランチが楽しめるんです。

お昼時には満席になることもしばしば。なぜ八百屋さんのランチがこんなにも人気を呼んでいるのか、取材をしてみるとその秘密が見えてきました。

今回お話を伺った、フラワーアーティストとしても活躍する斎藤さん(左)と野菜ソムリエの久原さん(右)





こだわりが詰まったランチの秘密

「ランチメニューは当初から日替わりだったのでしょうか。」

いえ、最初は今のような一汁三菜スタイルではなかったですし、おかずも日替わりではなかったんです。
ご飯も今のように炊き込みご飯と決めていたわけじゃなかったですし。でも、ランチのスタイルを作ったほうがいいんじゃないかと思って今の形になりました。

「おかずもご飯も日替わりとなると、メニューを考えるのは大変ではないですか。」

大変です笑。うちがランチをやっているのは水曜日から日曜日なのですが、水曜日から金曜日に毎日来る人、土日連続で来る人もいるので、メニューは大幅に変えています。基本は一汁三菜とご飯、それから香の物ですね。

お店の奥のスペースでランチをいただける。現在のランチメニューは3種類

「メニューのアイデアはどう思いつくのでしょうか。」

その時仕入れた野菜によりますね。野菜を無理なく美味しく召し上がっていただくことを一番に考えているので。

様々な野菜が並ぶ

「当日にメニューを決めるんですか!?」

うちの特徴として、その日の気温などによって「今日はちょっととろみをつけよう」などとメニューを決めているんです。

朝起きたときに「あ、今日気温下がるな」となると、お腹から温まるような汁物にしようとか。気温やそのときの街の雰囲気によって決めます。どうしても前の日から仕込まなきゃいけないようなもの、例えば夏によく作る寒天寄せやゼリー寄せ、あとは煮込み物のようなもの以外は当日に作ります。本日お出しした粕汁も、今日の気温を見て決めました。

「メニュー作りで意識していることはありますか。」

平日は近くで働いている会社員の方も食べにいらっしゃるので、ご飯を食べた後に喉が渇かないように、というのは意識していますね。
塩分を控えめにする代わりに、旨味や香りで塩気が無いのを補うようにしています。あとは、おかずに味が濃いものがあるときは、少しご飯の味を控え目にするとか。全体で味のバランスがとれるようにしています。

あと果物を取り入れたおかずも出せるように。今日のトマトと柿のサラダ、美味しかったでしょ?

すっごく美味しかったです。

政府の統計でも果物の摂取量が下がっているんです。
なので果物も加えたおかずも出すようにしています。私が酢豚にパイナップルが入っているのが苦手なタイプなので笑、あんまり奇抜な組み合わせにはならないようにしています。
抵抗感なく果物も食べられるように。柿とりんご、ほうれん草と洋梨のような組み合わせでも出したことがあります。

「今までで評判が良かったメニューは何ですか?」

プルーン巻き酢豚なんかは人気ですね。ドライフルーツのプルーンを豚肉でくるんで、それを黒酢で酢豚仕立てにしたものです。一食で一日に必要な鉄分が取れます。そのように、無理なく栄養が取れるように。他にはビビンバ、手作りシュウマイなんかも人気です。


生産者と消費者をつなげるランチ

うちはランチだけじゃなくイベントもやっているんです。例えば料理教室。一回目はプルーンを巻いた黒酢酢豚、二回目はビビンバをつくりました。

ランチの人気メニューですね。

皆さんにすごくよく聞かれるんですよ、これどうやって作るのって。だったら料理教室を開いて一回でつくったほうが早いかなと。

酢豚の回は入りきらないくらい人が来ました。料理教室のあとは家で再現できるよう、ミールキットのような形で材料や調味料をお土産として持って帰ってもらうんです。

家ですぐ実践できるのは嬉しいですね。

それからコロナ前はChef’s Kitchenというイベントもしていました。
例えばとある回では、山形県米沢市の佐藤錦を使ってシェフがパフェを作ったんです。雨に濡れてB品になってしまい、シロップ漬けにするしかなくなってしまったさくらんぼの話を産地で聞いたことをそのシェフに話したら、それでお菓子を作ってくれたりも。
その時は売り場で米沢フェアを開いたり、ランチにも山形の名物である芋煮を出したりしました。

イベントとランチを連動させているんですね。

また、農家の方にお客さんの声をフィードバックはしているんですが、お客さんが農家の方と直に会えるイベントを開くことで、お客さんの生の反応を農家の方が見られるようにしてます。
うちのような小さな店だからこそコミュニケーションが取れると思うので。

店先に並ぶ新鮮な野菜

私は高知県の野菜アドバイザーをしていたこともあって、高知の野菜を沢山置いてるんです。その中でも一番人気なのが、町田さんがつくっている「マチダトマト」と言うトマト。

箱買いしたいと言う人もいるほど人気な「マチダトマト」

高知県の中土佐町大野見で育ったこのトマトはランチでも良く出してるんですけど、「すっごい美味しい!どのトマト?」と聞かれることが多いですね。
このトマトはふるさと納税でも人気なんですよ。
生産者の町田さんはトマトを通じて小さな村の地域活性をしたいという思いを持っていて。
そんな生産者さんの思いもうちの店で伝えたいと思ってPOPを作ったりしてます。マチダトマトは当初違う名前だったんですけど、私が却下したんです笑。
これは町田さんの真面目な思いが詰まってるから、「マチダトマト」としてうちは出したいと私が言って。

そんな生産者さんの思いのこもった野菜をここでは食べられるんですね。ランチで出た野菜を買われる方も多いんですか。

多いですね。食べ方が分からない珍しい野菜、例えばむかごだったら、むかごご飯としてランチで出すんです。
するとお客さんが「美味しい、これ何ですか?」となるので、シェフ(斉藤さん)が作り方まで教えてるんです。
すると皆さん買って帰って「美味しかった!」とフィードバックしてくれます。珍しい野菜はランチで出して作り方を教えて、皆さんに買って帰ってもらうというように促すようにしてますね。

赤菊いもやピーマンのような見た目の唐辛子など、珍しい食材も


人のつながりが生まれるお店

ホームページに書いてあった「思いある農業者と料理人や食を愛する生活者をつなぐ」ってそういうことなんですね。お客さんは常連の方も多いのでしょうか。

土日は観光客の方もいらっしゃいますが、平日は70%くらいが常連さんですね。
一人暮らしの女性もすごく多いです。そうそう、うちのグレープミックスもそこから生まれたんですよ。一人暮らしだと丸々一房のぶどうは食べられないので、少しずつ色々なぶどうを食べられるように。

写真手前中央がグレープミックス。色々なブドウを少しずつ食べられる

今ってスーパーのレジもセルフだし、買い物行って誰とも会話せずに終わることもあるじゃないですか。
でもここは面白くて、あるお客さんがみかん見てると別のお客さんが「そのみかん美味しいのよ」と話しかけたりとか笑

席の譲り合いもあったりね。

芸大の先生や美術館で働いている方も来られます。
飲食店のシェフも来たりするので「今度行きます」ってやりとりがあったりとか。仕込み終わったシェフがちょっと飲みに来たりもします。

お客さん同士の横のつながりもできるんですね。地域に根付いた存在になっているんですね。

店の奥には斉藤さんがつくったリースが。

お話を聞いていると、八百屋の枠を超えて様々なことをされていると感じました。

お野菜食べましょうというと皆さんちょっと構えちゃって、「ベジタリアンの店?」って聞かれることもあります。
「八百屋のランチだからお野菜だけだと思ったらお肉も入ってるんですね」と言われることも。もちろん野菜はたっぷり入れるけど、ボリューミーなランチで午後からも皆さんが頑張れるように、というのは意識しています。
逆にベジタリアンの店だと思って訪ねてくる外国人観光客の方もいます。そういう方が見えたときはフレキシブルに対応してます。
他にも、鶏肉苦手というような方がいらっしゃったときは違うものをお出ししたりも。

優しいお店ですね。

お母さんが家族に食べてもらいたいものを作るっていうイメージで作っているので。安心安全な材料、良い調味料、それから安心して食べていただける野菜や果物で、なるべく塩分控えめに。お母さんって天候も見てメニューを決めるじゃないですか。それと一緒です。

OKATTEの絶品ランチの秘密。それは生産者と消費者双方への真摯な姿勢。

生産者の思いを伝えたいという情熱と、消費者への温かなまなざしが、美味しいランチを生み出していました。

野菜たっぷり「ベジプレート」を実食

私が今回頂いたのは「ベジプレート」。その全貌がこちらです。

運ばれてきた際に思わず「わぁ」と声を出してしまったほど、色鮮やかなおかずの数々。

人参の甘さにほっこりする炊き込みご飯。ゴマのプチプチ感と風味もアクセントになっています。

アラも使用することでブリの旨味が余すことなく凝縮された粕汁。ぴりっとコショウも効いています。

ジューシーなトマトととろっとした甘い柿の素敵な組み合わせが味わえるサラダ。

ひき肉の中にたっぷり入ったレンコンの食感が楽しい「松風」。

ナッツの香ばしさとドライフルーツの甘さは、意外にも甘辛のたれと相性抜群です。

そして、添えた大根おろしにレモン汁が加えられているのでさっぱり食べられます。

爽やかな香の物、紫キャベツのシャキシャキ感が楽しめる白和えは見た目にも楽しい。

五感をフルに刺激する、肉も魚も野菜も果物もたっぷりとれる大満足ランチでした。

これは、常連さんが多いのも納得です。常連さんは好きなメニューがどんどん増えていくという嬉しい悩みが尽きなさそう。

何度でも通いたい。美味しいランチとあったかい人たち

私が取材をしている間も、常連の女性が「ここのランチを食べるのが至福のときなの」と素敵な笑顔で話しかけてくださいました。

アットホームという言葉がこんなに似合う店も、なかなかありません。食で人をつなげる、温かいお店です。

野菜が足りないなってときも。ちょっと人寂しいときも。帰って来たくなる場所「OKATTE」が、谷中にはあります。

OKATTE
住所:東京都台東区谷中1-1-31
アクセス:東京メトロ千代田線 根津駅より徒歩6分
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日(12月より火曜定休日)
TEL:03-5842-1622


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ライター紹介

かくに

フリーライター

出身は北海道。 初めてのひとり旅はクロアチア(初海外)。 方向音痴。 食べることが大好き。 一人ご飯も大好き。 好物はスープカレーと豚の角煮と抹茶。
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