【取材】新仲見世通りの老舗喫茶店、浅草の「銀座ブラジル」元祖ロースカツサンドはカツサンドを越えた逸品

新仲見世通りの老舗喫茶店、浅草の「銀座ブラジル」元祖ロースカツサンドは、カツサンドを越えた逸品
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人間は、おいしいを、生んだ。


老舗喫茶店「銀座ブラジル」がオープンした時から愛され続け、70年以上もの歴史をもつ元祖ロースカツサンド。
この度、インタビューをさせていただきました。
人間の生活のなかで、おいしいは生まれる。



人間は、人間を生み、人間は食べものを作り、人間は、おいしいを、生んだ。
僕たちは、おいしいを生み続けて、歩んできた。

元祖ロースカツサンド。
有名な、浅草の老舗喫茶店「銀座ブラジル」の人気メニュー。

僕は、銀座ブラジルという喫茶店名は前から聞いていた。
ぜひ、深く鋭く、インタビューをしてみたいと、熱く想っていた。

どのようにアポイントをとろうかと、考えた末、僕は、手紙でインタビューのお願いをすることにした。
手紙で、インタビューのアポイントをとるのは、僕の人生で生まれてはじめてである。
手紙を送ったあとに、連絡をさせていただくと、インタビューOKというお返事をいただいた。
素直にうれしかった。

浅草:銀座ブラジル
銀座ブラジルのママ
銀座ブラジルのママ

「浅草の銀座ブラジルは多くの方に愛され、ご存知の人もいらっしゃると思いますが。店名の由来をあらためて教えていただけますか。」

もともと銀座にあったお店ですから、銀座ブラジルになったんです。で、浅草店っていうんじゃなくて。正式名称は銀座ブラジルなんです。

「ロースカツサンドの発祥のお店と聞いていますが。」

これは、海外をグルグル回って見つけて、うちでやりだしたからなんです。日本ではじめては、わかりませんが。うちが、外国へあっちこっち行って、見つけてきたんです。海外で美味しいなと思って、それを日本にもってきたという感じです。

「銀座ブラジルの元祖ロースカツサンドは、どのように作られていますか。」

うちのレシピでは、キャベツを切るのは機械じゃないんです。手で切るんです。いいとこだけとって、切るんです。タレはうちのタレで。秘密のタレです。その秘密のタレが特徴なんです。

ロースカツは、普通のカツを使っています。お肉屋さんで売っているカツです。キャベツも、八百屋さんで普通に買ってきたのを使っています。機械でうちの味は絶対に出ないです。カツも、キャベツも、いいとこだけ切って使っているから美味しいんです。パンは、秘密なんですね。

新仲見世通りの老舗喫茶店、浅草の「銀座ブラジル」元祖ロースカツサンドは、カツサンドを越えた逸品

「元祖ロースカツサンドは、銀座本店があった時代から、メニューにあるのでしょうか。」

元祖ロースカツサンドは、銀座本店があった1948年(昭和23年)から、メニューにあります。浅草も、東京オリンピックの前、1963年(昭和38年)当時からメニューにあり、味もずっと変わっていません。

「元祖ロースカツサンドの人気の秘密は、どこにあると思いますか。」

人気の秘密は、お客さんが食べてみての評判があまりにもいいので、口コミで人気になっているのだと思います。その変わり待たせますよ。混んでいるときは、1時間待ちになるときもあります。

「今後、カツサンドの種類を増やすとか、そういうプランはありますか。」

カツサンドの種類は増やそうとせず、元祖ロースカツサンドだけで、今後もずっとやっていきます。他にお店を出そうという計画もありません。銀座ブラジルは、これからも変わらず、このままでやっていきます。守っていきたいと思っています。

お客さんが、いろんなとんかつ屋さんへ行って食べてくると、銀座ブラジルが一番美味しいと言ってくださいます。お客さんの感想が、一番正直です。こっちは、普通に当たり前のように作っているだけですが。お客さんは、美味しい、美味しいと言ってくださいます。

元祖ロースカツサンド
元祖ロースカツサンド

僕は、さっそく目の前にある、元祖ロースカツサンドを一口、食してみた。

うっ、やわらかい。
ロースカツのお肉がとてもやわらかいのだ。
秘密のタレがほどよくロースカツとキャベツに効いていて。カツサンドというより、カツのお料理を食べているようだ。
それくらいおいしさがとても深い。
ロースカツとキャベツの細やかな味わいがお口に広がる。
噛めば噛むほど、秘密のタレがお口にしみてくる。

やわらかいでしょう。けっこう年齢がいった方が、やわらかいと言って、感激するんですよ。でも、たいへんなんですよ。ひとつずつ、カツから、キャベツから、みんな手作りですから。



元祖ロースカツサンドは、いまのスピード料理の時代に、ひとつひとつじっくりとていねいに、手作りを貫きとおしている。
だから、人間味のある温かい味わいが生まれるのだ。

元祖ロースカツサンドの人気の秘密は、人間の手にあった。
人間の手を感じるロースカツのお肉、キャベツ、パンが魅力なのだ。
マニュアルでは決してできない、深い深い手作りの味。

銀座ブラジルのママは、その深い手作りの味を作り続け、そしてこれからもしっかりと守り続けていくだろう。

今の時代の、機械ではできない、体温のある手で作る味。

生きていくうえで、忘れてはいけない大事なことを、僕は、銀座ブラジルのママから教えてもらった。

銀座ブラジル:浅草支店
銀座ブラジル:浅草支店:店内
銀座ブラジル:浅草支店:メニュー

店舗情報

銀座ブラジル

東京都台東区浅草1-28-2 2F
03-3841-1473

<営業時間>
9:00~15:30

<定休日>
水曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

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