【会期終了】2021年春 特別展「イサム・ノグチ発見の道」が開催決定!

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会期延長となっていたイサム・ノグチの特別展がついに開催

二十世紀を代表する彫刻家、イサム・ノグチ(1904-1988)。

日本人を父に、アメリカ人を母に持つノグチは、自然と通ずる抽象のフォルムが生み出す世界を、生涯を通じて追い求めました。

ノグチは、戦争により両親の祖国が敵同士になるという出来事も経験しており、平和への願いを込めた作品を数多く残したことでも知られています。


昨年始まる予定だったイサム・ノグチの特別展は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け会期が延長していましたが、ついに今年4月より始まることが決定しました。

オリンピックという平和の祭典が開催されるのを契機に、イサム・ノグチによる彫刻作品を国内外から東京に集め、その芸術の軌跡をたどる展覧会となる予定です。

※出典:「イサム・ノグチ発見の道」特設サイトhttps://isamunoguchi.exhibit.jp/

彫刻家イサム・ノグチについて

二十世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチは、モニュメント、庭や公園などの環境設計、家具や照明のインテリアから、舞台美術までの幅広い活動を行った、きわめてユニークな芸術家です。

※出典:「イサム・ノグチ庭園美術館」 http://www.isamunoguchi.or.jp/index.htm

ノグチは、英文学者で詩人の野口米次郎と、アメリカ人作家レオニー・ギルモアとの間に生まれ、少年期を日本で過ごしました。

のちに渡米し彫刻家を志すようになると、アジア・ヨーロッパを旅して見聞を広め、パリでは彫刻家ブランクーシの助手をつとめます。

ニューヨークに居を定め、肖像彫刻、舞台美術をへて環境彫刻やランドスケープ・デザインにまで幅広い活動を開始し、戦後は日本でも陶器作品や、和紙を使った「あかり」のデザインなどを行いました。

また丹下健三、猪熊弦一郎、勅使河原蒼風、北大路魯山人、岡本太郎など当時の前衛芸術家たちと交流し、刺激を与えあうなどもしていました。

その後、アメリカ国内外の各地で、彫刻、モニュメント、環境設計を続け、「地球を彫刻した男」と呼ばれるようになり、1985年にはニューヨークにイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムを開館しました。

<代表作>

  • 慶応義塾大学「新萬来舎」(1950)
  • 広島の平和大橋(1952)
  • パリのユネスコ本部の庭園(1958)
  • 大阪万博の噴水(1970)
  • デトロイトの公園「フィリップ・ハート・プラザ」(1979)
  • 東京の草月会館ロビー「天国」(1977)
  • テキサスのキンベル美術館「星座」(1982)
  • コスタ・メサの彫刻公園「カルフォルニア・シナリオ」(1982)
  • フィラデルフィア「ベンジャミン・フランクリンのためのモニュメント」(1984)
  • ヒューストン美術館の彫刻公園(1986)
  • ヴェネチア・ビエンナーレの滑り台「スライド・マントラ」(1986)
  • 高松空港「タイム・アンド・スペース」(1989)
  • 札幌大通り公園の滑り台「ブラック・スライド・マントラ」(1992)
  • 札幌モエレ沼公園(2005)
    など
※出典:「イサム・ノグチ発見の道」公式Twitter @IsamuNoguchi21


東西の間でアイデンティティーの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てたノグチは、20代で決定的な影響を受け、生涯を掛けて自然と通底する抽象のフォルムが生み出す世界を追い求めました。

また、戦争によって両親の祖国が互いに敵国になるという痛ましい出来事を経験したノグチは、平和への強い願いを込めた作品も残しています。

本展では、ノグチの日本文化への深い洞察や、その今日的な意味を明らかにし、比類なき芸術家の「発見の道」を辿りながら、彼の彫刻芸術の核心に触れる機会になることでしょう。

展覧会のみどころ

 1.彫刻家ノグチの精髄に迫る

国内外の多数の大型作品をはじめ、「あかり」を含めておよそ90件の作品が集結。一つの素材や様式にとどまることなく、貪欲な造形的実験につながる「発見」を繰り返しながら「彫刻とは何か」を追求したノグチの前人未到といえる創造の軌跡を辿ります。

2.かつてない“ノグチ空間”の体感型展示

提灯にヒントを得て、30年以上に渡って取組み続けられた光の彫刻「あかり」を150灯も用いたインスタレーションや、折り紙などからインスピレーションを得た金属彫刻のシリーズと遊具彫刻を合わせて展示するなど、3フロアそれぞれに特色のある体感型展示を試みます。いずれも回遊型の鑑賞プランとし、かつてない“ノグチ空間”が誕生します。

3.ノグチ芸術の到達点・牟礼の石彫が初めて東京へ

ニューヨークと香川県高松市牟礼町にアトリエを構え、往還しながら制作に取り組んでいたノグチ。牟礼の野外アトリエで石匠の和泉正敏とともに作り上げた晩年の彫刻は、ノグチ芸術の到達点とされています。牟礼に残された作品が、同所以外でまとめて展示されるのは今回が初となります。

まとめ

二十世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチは、自然の造形物に道を見出し、モニュメント、庭や公園などの環境設計、家具や照明のインテリアから、舞台美術までの幅広い活動を行った、きわめてユニークな芸術家です。

その稀有な感性から生まれた国内外にある多数の作品群、特に香川県の牟礼町に残された作品を一度に見ることができるのは今回が初。この貴重な機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

会期      2021年4月24日(土)~8月29日(日)
会場      東京都美術館 企画展示室
お問い合わせ  03-5777-8600(ハローダイヤル)
特設サイト   https://isamunoguchi.exhibit.jp/


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ライター紹介

くまりら

インタビュアー、ライター

93年生。縁あって、前職では有名少年漫画作品の編集をいくつか担当。 歴史ロマンのあるもの、美味しい食べ物、韓国アイドル、エンタメが好き。
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