高円寺|「阿波踊り」「高円寺カルチャー」の街のアートスポット5選 中には有名「湯処」も?

2026年8月29日(土)と30日(日)に杉並区・高円寺で開催された「第67回東京高円寺阿波おどり」。前年度の第66回では100万人以上もの観客が詰めかけ、今年も多くの人々が高円寺を訪れてお祭り騒ぎとなりました。

阿波おどりに限らず、高円寺は繁華街や居酒屋街が非常に盛んであり、一年を通じて賑わいの似合う街です。いわゆる「中央線カルチャー」を代表するエリアでもあり、音楽や古着などディープな文化を求めて、あるいは林立する飲食店目当てに多くの人が足を運びます。

一方で高円寺にはディープ・アングラだけに限らず、一風変わったアート系全般の施設や店舗も充実。そうしたスポットを5つ紹介していきます!

座・高円寺:「宇宙空間」のような演劇ホールは2階カフェもおすすめ

冒頭で触れた阿波おどりの当日は、高円寺の路上だけでなく近隣施設でも、さまざまな特別イベントが行われていました。その一つの「2026夏の座・高円寺舞台阿波おどり」が開催されていたのが、杉並区立杉並芸術会館。「座・高円寺」の愛称で知られ、演劇やダンス、落語や音楽などさまざまな公演の場となっています。

館内エントランスホールは天井が高く、とても広々。地上と地下の両方に伸びる大階段部分の吹き抜けに吸い込まれそうな迫力があり、薄暗い天井や壁面にはいくつもの円形照明を配置。さながら宇宙空間のような雰囲気です。地下1階にはかつて上演された演劇などのポスターが整然と並んでいるので、演劇ファンであれば必見。

2階「まぁるいカフェ」は子供連れの利用客も多く、壁面には絵本を大量に置いた書棚「高円寺プレイグラウンド 紙のリハーサル」が併設されています。メニューは「すぎなみやさいパスタ」「パンプニア(カボチャのラザニア)」「ヴィーガンキーマカレー」など軽食類のほか、アイスクリーム・ケーキ・プリンなどスイーツ系も500〜650円の価格帯で用意。スイーツ注文でドリンクが100円引きになるサービスもあっておトクです。

注文したブレンドコーヒーはかなり渋く、エスプレッソにも近い味わい。キャロットケーキは素朴な甘さです。駅から若干離れているためか、休日の高円寺でも客数過剰ではなく、比較的ゆったり座れる穴場のカフェと言えるでしょう。

杉並区立杉並芸術会館(座・高円寺)
住所:東京都杉並区高円寺北2-1-2
アクセス:JR「高円寺駅」北口から徒歩5分
開館時間:9:00~22:00
休館日:年末年始及び館内整理日
電話番号:03-3223-7500

IMAGINUS:旧小学校を活用した、子どもも楽しめる科学スポット

酒処やマニア向け店舗がひしめき、どことなく青年~大人の香りが色濃い高円寺の街にも、すぐ近くに小さな子どもが楽しめる施設があることをご存知でしょうか。それが「未来をつくる杉並サイエンスラボ IMAGINUS(イマジナス)」。駅北口から東向きに数分歩いた場所にあり、2020年に閉校した東京都杉並区立杉並第四小学校の建物を転用して、2023年10月にオープンした施設です。

施設名の「IMAGINUS」は「IMAGINE(想像する)」「US(わたしたち)」を合体させたもので、同時に「SUGINAMI(スギナミ)というアルファベットを並び替えたものだとか。2つの建物に連絡通路や大階段を挟み込んだような、独特な形状の小学校校舎を改修・活用。かつての体育館や教室などをリニューアルしたスペースで、大人と子どもが一緒に科学やアートを学べる科学体験ラボ、ワークショップ、企画展などを頻繁に開催しています。

館内には休憩スペースもあり、高円寺散策中の休憩にも便利です。おすすめは3階の「4th place café(フォースプレイスカフェ)」。什器・床面・天井梁が木質&ナチュラルテイストに整えられたオシャレな店内で、「ガパオライス」「ハニーマスタードチキン」ライスなど軽食類のほか、コーヒーやドリンクを味わえます。軽作業用に電源が付いた席や、ゆったり腰を沈められるソファ席もあり、気分や用途に応じた使い方も可能です。

未来をつくる杉並サイエンスラボ IMAGINUS
住所:東京都杉並区⾼円寺北2-14-13
アクセス:JR「高円寺駅」北口から徒歩5分
営業時間:9:00〜21:00
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌水曜日)、年末年始
電話番号:03-6383-0290

西部古書会館:ディープな書籍に出会える即売会会場

高円寺は「本の街」でもあります。24時までの営業で知られた「文禄堂 高円寺店」が2025年6月に閉店しましたが、今なお個人経営の書店や古書店が数多く健在。それらの代表格が、高円寺駅北側に広がる「高円寺純情商店街」内の「西武古書会館」です。東京都古書籍商業協同組合が運営する建物で、毎週土日を中心(※金曜~日曜、土曜~月曜などの場合あり)に複数の業者が集まり、ガレージ部分と1階で古書の展示・即売会を行っています。

本の種類は即売会の趣旨に応じて本当に多種多彩で、昭和以前の年季が入った古書、映画のパンフレット、古い雑誌・小説・新書などなど。中には表紙だけで手に取りたくなる超レア本や、一般書店ではまずお目にかかれない「尖った」アングラ本などが販売されているケースもあります。

古書以外にも大判イラストや古い絵葉書、昔なつかしのVHSビデオ、陶器類、雑貨・小物・玩具など、様々なアイテムを販売。勇気を出して入ってみれば、思いがけない掘り出し物に出会えそうです。

東京都古書籍商業協同組合 西部古書会館
住所:東京都杉並区高円寺北2-19-9
アクセス:JR「高円寺駅」北口から徒歩4分
電話番号:03-3339-5255 ※古書即売展会期中のみ
※各即売会の開催日時は上記組合にご確認ください。

杉並区立高円寺図書館:令和7年オープン、閲覧席充実でミニギャラリーもあり

高円寺駅の南側は「高円寺パル商店街」のアーケードや高南通りに沿って、数多くの古着屋が林立することで知られています。ハイセンスで個性的な古着探索後に立ち寄りやすい文化施設が、「杉並区立高円寺図書館」です。公園や保育園を併設する区の複合施設「コミュニティふらっと高円寺南(愛称:ふらっとすぎはち)」の一部として、令和7年4月に開館しました。

旧杉並第八小学校の跡地に移転した施設で、コンクリートを効果的に使ったシャープながらどこか温かみある館内で、本と知識に触れられます。地下1階・地上3階の館内は、通常の書架に加えて児童書コーナー、親子で本を読めるコーナー、ヤングアダルトコーナーなどと揃える充実ぶりです。

電源付きの閲覧席も各階に数多く配置しており、大きく開かれた窓から公園の緑や日差しを眺めながら、読書や勉強を行うのにうってつけ。旧杉並第八小学校と高円寺地域の古写真などを並べたミニギャラリーもあり、高円寺の歴史に触れられます。

なお、3階天井は阿波おどりで着用する編み笠をイメージして、斜めにジグザグの天井となっているそうです。地下の第2多目的室は阿波踊りの練習にも使用されるなど、意外な形で高円寺の阿波踊りとも深い関係があるのです。

杉並区立高円寺図書館
住所:杉並区高円寺南2-40-24
アクセス:JR「高円寺駅」南口から徒歩8分
営業時間:9:00~21:00、12月29日~30日のみ9:00~17:00
休館日:毎月第1月曜日、第3木曜日
電話番号:03-3316-2421

小杉湯:いい湯だけでなくいいアートでも心が温まる人気銭湯

最後に紹介したいのが、駅北側の純情商店街から近い場所にある有名銭湯「小杉湯」です。1933年(昭和8年)という老舗で、オリジナル入浴剤によるミルク風呂や多種多様な薬湯が大人気。接客やサービスも充実しており、テレビ番組にも登場経験多数という、高円寺を代表する人気スポットです。

「銭湯でアート?」と思われるかも知れませんが、小杉湯はアート方面でも注目点が多数。創業当時の姿を良好に保つ宮造り(※みやづくり:寺社仏閣のような和風の建築様式)の建物は、年月の重みをどっしりと感じさせ、細部の装飾も非常に細かく精密。屋外の屋根瓦や窓飾り、店内の柱や梁、脱衣所の高い天井、浴室内の富士山のペンキ絵などが美しく、2020年8月には国の登録有形文化財に登録されました。

古い建物や文化を守るだけでなく、アート作品の展示や文化支援にも積極的です。フロント横の休憩スペースはミニギャラリーになっており、若手クリエイターの個性的なアート作品を数多く展示。お風呂上がりに畳敷きの小上がりでくつろぎながら、独創的なアートが目も楽しませてくれます。

また、小杉湯は地方の第一次産業やアパレルとのコラボも頻繁に行っており、アート系のイベントも多数実施。高円寺のコミュニティと新鮮な活力に支えられた、行くたびに新しい発見のある湯処です。

小杉湯
住所:東京都杉並区高円寺北3-32-17
アクセス:JR「高円寺駅」北口から徒歩5分
営業時間:平日14:00~25:30、土日祝8:00~25:30
定休日:木曜日
電話番号:03-3337-6198

まとめ:高円寺はアート散策にも最適!

以上、高円寺のアートスポットを5つ紹介しました。これらはいずれも多くのひとが入りやすい雰囲気になっているので、「アートやギャラリーはちょっと抵抗が……」という人でも気楽に鑑賞可能。ぜひ休日の高円寺散歩と組み合わせてみてください!

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デヤブロウ

街歩き・地域情報系ライター

東京都在住のフリーライター。台東区浅草に住んでいた頃に街歩きの楽しさに触れ、現在は観光・グルメ・地域史・住環境など地域情報系をメインテーマとして執筆活動中。好きな街は浅草、上野、椎名町、早稲田、池袋、高円寺、蒲田などなど。週2~3回の都内銭湯巡りが趣味。
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