かっぱ橋道具街を深く知りたい!ディープなお店を探検してみよう

東京・台東区にある「かっぱ橋道具街Ⓡ」。プロの調理道具店が所狭しと並ぶ専門街として知られていますが、近年は料理好きや観光客を魅了する“食文化の街”としての顔も見せています。
今回は、普段メディアであまり取り上げられないディープな店を中心に、アイドル「Newヒロイン」のメンバーとして活動中の凉原あす菜さんがご紹介します!さらに、2025年の最新イベント情報も交えてご案内。はじめての方も、来たことがある方も、きっと「こんな世界もあったんだ」と感じてもらえるはずです。
かっぱ橋道具街Ⓡの概要と歴史


台東区松が谷から西浅草にかけて、約800メートルにわたって続くのが「かっぱ橋道具街Ⓡ」。通り沿いには約170を超える道具・器具の専門店が軒を連ね、通常の商店街に見られるような肉屋や八百屋はありません。代わりに鍋、包丁、器、食品サンプル、のれん、ユニフォームといった食を支えるあらゆる道具が揃う、日本でも稀有な商店街です。
その起源は大正期にさかのぼります。当時、料理道具や瀬戸物を扱う問屋がこの界隈に集まり始め、やがて飲食店や料理人が仕入れに訪れる場所へと発展しました。戦後の高度経済成長期には店舗数が急増し、プロ御用達の街としての地位を確立しました。
近年では、プロの道具を求める層だけでなく、料理好きな主婦、趣味で包丁を集めたい人、さらには国内外からの観光客が訪れる“観光名所”へと姿を変えつつあります。道具を眺めながら歩くだけでも、日本の食文化や職人の美学を感じられる場所です。
招き猫の専門店「オルネコイデ」



創業90年以上を誇る「オルネコイデ」は、日本でも珍しい招き猫専門店です。店内には200〜300種類の招き猫が並び、2センチ程度の小さなものから60センチほどの大型品まで豊富に揃えています。九谷焼や有田焼の高級品も含め、価格帯も幅広いのが特徴です。
もともとは瀬戸物・陶器を扱う店でしたが、約20年前に招き猫の品揃えを強化し始めました。初めは先代からの反対もあったと聞きますが、今では旅行会社からの大量注文も入る人気店になっています。
国内外問わず商売繁盛の縁起物として求められ、観光客が「招き猫を買いにかっぱ橋へ行く」目的に訪れることも多いとのことです。
招き猫以外には、猫モチーフのマスコット、オリジナル包丁やフライパン、エコバッグなども扱っており、猫好き・縁起物好きにはたまらない店といえるでしょう。
飲食店ユニフォーム・のれんの「福岡屋本店」


昭和27年創業の「福岡屋本店」は、飲食店ユニフォーム、のれん、旗の専門店です。料理人のコックコートや前掛け、居酒屋の暖簾、さらにはクリニック・オフィスの制服などまで、用途は多岐にわたります。
商店街の中でも、「福岡屋本店」の前掛けやユニフォームを使用しているところもあります。飲食店開業を目指す人にとっては頼れる存在であり、訪れた観光客にとっては「飲食の裏方を支える店」の奥深さを感じる場所にもなるでしょう。
かっぱ橋のドン・キホーテ「三木商店」


創業70年以上の「三木商店」は、調理器具・製菓製パン器具を軸に、和洋中すべての料理ジャンルに対応できる品揃えを誇る店です。地元では「かっぱ橋のドン・キホーテ」と呼ばれるほど多様な商品を扱っており、ジンギスカン鍋、ロースター、業務用器具から家庭用道具まで、あらゆる道具が揃います。
「食に関することなら何でも相談に乗る」という姿勢をもっており、店頭にないものも迅速に取り寄せてくれます。店主は若い世代に「安い道具ではなく、本物の道具を使ってほしい」と語っており、道具への愛と誇りが伝わってきます。
プロの街から一般客へ。進化するかっぱ橋

かっぱ橋は、もともとプロの料理人が道具を買いに訪れる専門の街でした。しかし現在では、主婦が「日常で良い包丁を使いたい」と訪れたり、趣味で包丁をコレクションする人が足を運んだりと、訪れる人の顔ぶれは多様になっています。
街を歩いてみると、似たようなお店が多い中でも、それぞれが “ここにしかない強み” を持ち、個性を競い合っています。競合であっても「あのお店ならあるかも」と紹介し合うなど、人情味あふれるつながりが今も息づいているのも、この街ならではの魅力です。
そしてもう一つ大切なのは、次の世代に “本物の道具”の価値を伝えたいという思いです。安価な大量生産品があふれる時代だからこそ、長く使える包丁や、職人が手がけた調理器具の使いやすさを若い人たちに知ってもらいたい──そんな願いを多くのお店が持っています。
かっぱ橋は、プロの誇りと下町の人情が溶け合い、今も進化を続ける街なのです。
【2025年イベント情報】第40回「かっぱ橋道具まつり」

人情と道具への誇りに触れられるのが、かっぱ橋の大きな魅力です。そして、その魅力を一度に体感できるのが、毎年10月に開催される「かっぱ橋道具まつり」です。
2025年10月7日(火)〜10月13日(月・祝)の7日間、 「第40回かっぱ橋道具まつり」 が開催されます。 この期間、かっぱ橋道具街Ⓡは大イベント期間となり、例年30万人以上が来街します。
主な見どころと特徴
・加盟店舗での購入2,000円(税抜)ごとに、QRコード方式の抽選に参加可能。特等は3万円です。
・各店が自慢の商品や掘り出し物を揃える「かっぱ市」も同時開催。
・10月12日(日)・13日(月・祝)には、デジタルスタンプラリー、地方特産品販売コーナー、キッチンカーの出店、パフォーマンスやステージイベントなどが行われます。
・10月13日(月・祝)は道具街通りが車両全面通行止めに。歩行者天国となり、ブラスバンドパレード、和太鼓演奏、チアリーディング、太極拳×太鼓等のパフォーマンスが見られます。
・また、キャラ弁・キャラスイーツコンテストやかっぱ川柳コンテストも。「かっぱ」をテーマとした作品を募集しており、優秀作品には豪華調理道具などの賞品があります。応募締切は10月9日(木)23:59です。
・一部参加店舗では、かっぱ橋道具まつり期間中に特別セールを実施。サトウサンプルでは店内商品を最大30%オフ、飯田屋では柳宗理シリーズを30%オフなどの割引が予定されています。
開催日時
開催期間:2025年10月7日(火)〜10月13日(月・祝)
開催時間:各日 10:00〜17:00
スペシャルイベント:10月12日(日)、10月13日(月・祝)の2日間
パレード、和太鼓演奏、チアリーディングなどステージパフォーマンス
デジタルスタンプラリーやキャラ弁・スイーツコンテストなど子どもも楽しめる企画が充実!
・最終日の 10月13日(月・祝) は、道具街通りが歩行者天国となります。周辺の駐車場は利用が難しくなるため、公共交通機関での来訪がおすすめです。
・かっぱ橋道具街Ⓡの公式ウェブサイトでは、9月・10月の日曜・祝日の各店舗営業情報が更新されていますので、訪問前にチェックするのが安心。
道具と人情にあふれるかっぱ橋道具街Ⓡを歩いてみよう!

かっぱ橋は、道具屋の集まりではなく、料理文化・道具を愛する人々の情熱が息づく場所です。今回ご紹介した「オルネコイデ」「福岡屋本店」「三木商店」という3店舗は、それぞれが尖った強みを持ち、来る人にとって “ここだけの魅力” を提供しています。
さらに、2025年10月の「かっぱ橋道具まつり」は、街全体が祭りの舞台となり、道具好きもそうでない人も楽しめる催しが目白押しです。抽選、セール、パフォーマンス、コンテストなど盛りだくさんの内容で、訪れる価値は十分にあります。
初めて訪れる方はどこで何を買えばいいか迷うかもしれませんが、街の人はとても親切で、道を聞けば地図を渡してくれたり、競合店であっても紹介してくれたりします。そんな心意気や人情に触れられるのも、「かっぱ橋道具街Ⓡ」の魅力のひとつ。
「料理を深めたい」「食文化を眺めたい」「浅草観光にプラスαを」といった方は、ぜひこの秋、かっぱ橋道具街Ⓡへ足を運んでみてください!
招き猫と店舗装飾のオルネコイデ
住所:東京都台東区松が谷3-1-15
TEL:03-3841-6480
営業時間:平日 10:00〜17:00/土曜 10:00〜16:30
休業日:日曜日・祝日
福岡屋本店(ユニフォーム・のれん・旗の専門店)
住所:東京都台東区西浅草2-22-7
TEL:03-3841-8555
営業時間:月~土 9:30〜17:30/日・祝 10:00~17:00
三木商店(料理道具・製菓製パン器具の専門店)
住所:東京都台東区西浅草2-22-5
TEL:03-3844-1259
営業時間:月~土 10:00〜17:00/11:00〜17:00(日曜日・祝日は低級の場合あり)