【取材】自家製手打ち麺のライブパフォーマンスは必見!上野で本場の牛肉麺を味わえる「牛魔王」
皆さんは、中国河南省の名物「牛肉麺」をご存知ですか。
「そもそも牛肉麺って河南省の料理だったの?」という方も多いのではないでしょうか。
麺食文化が根付く河南省で大人気の牛肉麺ですが、麺やスープを自家製にこだわった、本場そのままの牛肉麺を味わえるお店が上野にあるんです。
その名も「牛魔王」。お店にお邪魔してお話を伺い、牛肉麺を実食してきたので、その魅力をたっぷりご紹介します。
目次
地元出身者も絶賛!中国河南省の本場の味が楽しめる中華料理屋
アメ横近くに位置するビルの地下一階にあるのがこちらの「牛魔王」。
知る人ぞ知る穴場中華料理店です。
お店のスタッフである西尾さんにお話を伺いました。
「牛魔王というお店の名前はインパクトがありますね。お店の由来は何でしょうか。」
牛肉麺を売りにしているということ、オーナーの体格が大きいことを組み合わせて「牛魔王」という名前になりました。特に深い理由はないんです笑。
どうして上野に出店することになったのですか。
出店するにあたって様々な場所を調べたのですが、上野には手打ち麺を出している店が無かったんです。
それから、上野はたくさんの人がいますよね。世界中から色々な人が集まっているところが魅力的で、上野に店を出すことにしました。
このお店では河南料理を中心に出していますよね。河南料理は日本人にはまだあまり馴染みが無いと思うのですが、河南料理にはどんな特徴がありますか。
河南省ではお米でなくて麺が主食で、河南省の人はほぼ毎日麺を食べます。
河南省は「麵食の天国」とも呼ばれているんです。それから、河南省は海が近くにないので、海鮮はあまり食べないんですね。その代わり、牛肉とラム肉をよく食べます。どちらかというとラム肉をよく食べているかもしれません。
オーナーがこのお店を始めたきっかけは何だったんでしょう。
オーナーの両親は河南省で30年以上手打ち麺のお店をやっていたんです。
中国のご両親のもとで麺づくりを学んだのはもちろん、日本に来てからも親戚のお店で7~8年勉強しました。本場の味をそのまま再現しています。
お客さんはどのような方が多いですか。
河南省出身のお客さんは多いですね。故郷の料理を食べたいという方が多くいらっしゃいます。河南料理に興味を持った日本人のお客さんも沢山いらっしゃいますよ。若い方や家族連れの方まで、男女関係なく来店されます。
スープ、麺、トッピングの牛肉全て自家製!牛肉麺への並々ならぬこだわり
このお店の牛肉麺のこだわりは何でしょうか。
麺は粉から麺の生地を店で作っているんです。麺は注文を受けてからオーナーが打ちます。そうすることで麺に強いコシが生まれ、弾力が出ます。打ち方を変えることで麺の太さも変えられるんです。熟練の職人技ですね。
麺も自家製なんですね!麺を打てるようになるまでにはどのくらいかかるのでしょうか。
打てるようになるまでは1年以上、上手に打てるようになるまでは5年、10年かかることもあります。力も必要ですし、センスも大事な要素なんだそうですよ。
牛肉麺のスープはこの赤い色が特徴的ですよね。スープはどのようにして作っているのでしょうか。何かスパイスなどを加えていますか?
牛肉麺のスープはスープ自体に旨味がたっぷり溶けだしているので、調味料はほんの少ししか加えていません。スパイスも入れていないんです。スープは、トッピングの牛すね肉を煮込んだときのスープと、それとは別に牛骨・鶏・豚などを合わせて煮込んだスープを合わせているんです。スープを作るのに7~8時間かかります。
スープを作るのにすごく時間と手間がかかっているんですね。トッピングの牛肉には、どのようなこだわりがあるのですか。
トッピングの牛肉は、牛すね肉を使用しています。旨味が強いので、必ず牛すね肉を使っています。牛すね肉を15種類以上の漢方で1日かけて煮込んでいるんですよ。
牛肉麺は1日にどのくらいオーダーされるんですか。
100食くらい注文が入りますね。スープをたくさん仕込んでも、すぐなくなってしまうんですよ。
一杯の牛肉麵が作りあげられるまでに、こんなにもオーナーのこだわりが詰まっていたんですね。
それではいよいよ、その牛肉麺をいただきたいと思います!
この道一筋20年以上!オーナーの麺打ちパフォーマンスを拝見
このお店の大きな特徴、それはオーナーが麺を手打ちしている様子を見られるところです。
取材中も、麺を打つバン!バン!という音が厨房から聞こえてきていました。
私が取材に訪れたときは、麺を打つところだけでなく、粉から麺を作る様子を運よく拝見することができました。
まずは特大ボウルで小麦粉と水を合わせてこね、麺の生地をつくっていきます。
ちなみに手前にあるのは、小麦粉が入った袋です。こんなに大量の小麦粉を使用するんですね。
この作業を1日2,3回行うそう。先ほど西尾さんが「麺を作るのには体力が必要」とおっしゃっていた理由が良く分かりました…
麺を伸ばし…
麺を打っていきます。バシン!バシン!という音が響きます。迫力満点!
手際の良さに思わず見入ってしまいます。こうして完成した牛肉麺用の麺がこちらです。
まさに職人技ですね。
看板メニューの牛肉麵を実食!
ついに牛肉麺が運ばれてきました!
真っ赤なスープは一見とても辛そうに見えますね。レンゲですくってみると…
ドロッとした質感かと思いきや、サラっとしており透明感があるスープです。
一口いただくと、牛肉の旨味がぎゅっと凝縮されている濃厚な味わいなのに、後味はとてもさっぱり。例えるならコンソメスープのよう。辛さはピリ辛くらいで、辛いものが得意でない私でもどんどん飲めちゃいます。
細丸麺は驚くほどコシが強く、もちもちした食感。手打ち麺なので、麺の太さが一本一本違います。それによって食感に変化が生まれ楽しい。
トッピングの牛肉は、赤身の部分はしっとり柔らか、脂身の部分はぷりぷり。
そして驚きなのが、目玉焼きのトッピング!河南省の牛肉麺は目玉焼きをトッピングするのが普通なのか西尾さんに尋ねると、「これはうちの店のオリジナルです!」とのこと。麺類にトッピングで目玉焼きを注文するお客さんはかなり多いようです。ラーメンに目玉焼きのトッピングは珍しいですが、相性抜群なのでぜひ試してみてください。
辛いものが得意な方は、卓上の自家製ラー油をプラスするのもよし。
だし、とても辛いので入れ過ぎには注意が必要です。
お店のもう一つの名物「チャングオ麵」も実食!
そして今回は特別に、牛肉麺と並びもう一つの人気メニューである「河南ラム肉チャングオ麺」もいただくことができました!
チャングオ麺も手打ち麺なのですが、牛肉麺とは少し違います。
写真を見てお気付きでしょうか?牛肉麺より幅広の麺なんです。
そしてチャングオ麺もいただきます!
先ほどとは打って変わって、白っぽいスープです。上に載っているのはラム肉、青菜、パクチーなど。
スープはさっぱりしつつも、ごま油の風味が効いています。
太めの麵はもちもち。ラム肉と爽やかなパクチーの相性が抜群です。
柔らかく煮込まれて甘みが増したネギや食感がアクセントになる昆布など、トッピングひとつひとつのバランスも計算されています。
西尾さんは「意外と日本人の方は、チャングオ麵のほうが好みかも?」とおっしゃっていました。
たしかに初めて食べる料理なのに、どこかほっとする優しい味わい。スパイスがたくさん使われるエスニック料理は苦手という方にもおすすめです。
麺料理以外の魅力もたっぷり。「牛魔王」で本場の味を
2つの麺料理をいただきましたが、どちらも手間ひまを惜しまず、とても丁寧に作られていることが分かりました。「牛魔王」にはこの他にもメニューが沢山。
なんと麺料理だけで30種類近くもあり、一品料理等も含めるとなんと150種類以上の料理が!目移り必須です。
このお店の魅力は、美味しい料理だけではありません。
いくら食いしん坊の私でもさすがに麺料理2つは平らげられなかったので、お持ち帰りをしたいと申し出ると、快く応じてくださいました。
店員の皆さんの明るく丁寧な接客が素敵で、何度でも通いたくなります。2月にオープンしたばかりなのに、幅広い世代の方に愛されているというのも納得。
河南料理と麺打ちパフォーマンスを楽しめる「牛魔王」で、皆さんも是非本場の味を堪能してみては。
牛魔王
住所:東京都台東区上野4-8-9 OAKビルB1
電話:03-5817-8327
営業時間:月~日 11:00~23:00 (料理L.O. 22:30 ドリンクL.O. 22:30)