上野|「デ・キリコ展」東京都美術館にて4月27日~8月29日開催:自画像や肖像画、形而上絵画、新形而上絵画
こんにちは、とくらです。
今回は東京都美術館で開催される「デ・キリコ展」についてご紹介します!
デ・キリコ展
2024年4月27日(土)〜8月29日(木)の間、東京都美術館で「デ・キリコ展」が開催されます。 日本では10年ぶりの大規模な回顧展です。 デ・キリコ芸術の全体像に迫り、その唯一無二の表現力を堪能できるまたとない機会になると思います。
この展示では、デ・キリコの自画像や肖像画、形而上絵画、新形而上絵画など、デ・キリコの多くの作品を見ることができます。
デ・キリコは1910年代に、簡潔明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法や脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって、日常の奥に潜む非日常や、神秘、謎を表した絵画を描き始め、ニーチェの哲学に影響を受けたその作品群は、後に自ら「形而上絵画」と名付け、シュルレアリストなど多くの芸術家に衝撃をあたえました。
大きな流れのあるデ・キリコの芸術の変遷を見ることのできる展示となっています。
開催期間:2024年4月27日(土)~8月29日(木) 休み:月曜、2024年5月7日(火)、7月9日(火)〜16日(火)※ただし、4月29日(祝)、5月6日(振休)、7月8日(月)、8月12日(振休)は開室
開催時間:火〜木曜・土日9:30〜17:30、金曜9:30〜20:00
開催場所:東京都美術館
ジョルジョ・デ・キリコ
イタリア系の両親のもと、ギリシャのヴォロスで生まれたデ・キリコは、父親が亡くなった後、母と弟と一緒にミュンヘンに移住しました。
そこで彼はフリードリヒ・ニーチェの哲学や、アルノルト・ベックリン、マックス・クリンガーなどの作品に触れ、大きな影響を受けました。
1910年頃から、彼は簡潔で明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法や脈絡のないモチーフの配置、幻想的な雰囲気で、日常の奥に潜む非日常を表現し始めました。
彼はこれらの作品を後に「形而上絵画(※時間と空間の倒錯や事物の不動性を幻想的に描いた絵画)」と名付け、これらの作品は詩人で美術評論家のギヨーム・アポリネールによって注目され、シュルレアリストなどの前衛的な画家たちに影響を与えました。
1919年以降、デ・キリコは伝統的な絵画に興味を持ち、古典的な主題や技法を取り入れるようになりました。一方で、彼は過去の作品を再制作したり、「新形而上絵画」と呼ばれる新しい作品を生み出したりしました。
過去の作品を再解釈するという行為は時に「模倣」と非難されましたが、ポップアートの先駆者であるアンディ・ウォーホルなどによって高く評価されます。
デ・キリコは自身の芸術を理解する人々、例えば弟や最愛の妻と共に、90歳で亡くなるまで創作を続けました。
彼は世間の評価に左右されることなく、絵画や彫刻、挿絵、舞台美術など、幅広いジャンルで数多くの作品を残し、現在のシュルレアリスムにも大きな影響を残しています。
シュルレアリスム
これを読んでいらっしゃる多くの方は、「はて?シュルレアリスムとは?」という顔をしていらっしゃるのではないでしょうか。 正直、どうやって鑑賞していいのか
ということで、今回は「シュルレアリスム」についてもご紹介します。
「シュルレアリスム」とは、「現実主義」を意味する「レアリスム」に、「超」を意味するフランス語の接頭辞「シュル」が付いた言葉です。ここでの「シュル」は、「強度の」や「過剰な」というニュアンスがあります。
したがって、「シュルレアリスム」は、現実をより深く、濃密に描き出そうとする芸術運動です。そのため、「超える」というよりは、現実をさらに突き詰めて表現するといった意味合いが強いです。
具体的には、「シュルレアリスム」は、意識ではコントロールできない領域、例えば「無意識」「夢」「欲求」「偶然の世界」などを描き出すことを目指しています。
この芸術運動は、20世紀前半に精神分析学が盛んだった時期に生まれました。その中心にはフロイトやユングなどの精神分析の学者がおり、彼らの理論がシュルレアリスムに大きな影響を与えました。
シュルレアリスムの画家たちは、意識できないものを表現するためにさまざまな技法を考案しました。 その中でも有名なのが「自動記述(オートマティスム)」で、これは事前の構想なしに無意識のままに絵を描く手法です。
他にも「甘美な死骸」やデペイズマン、デカルコマニー、フロッタージュなどの技法があります。
シュルレアリスムの作品は、一見混沌としているように見えるかもしれませんが、その背後には緻密な意図やテクニックがあります。ダリやマグリットなど、様々な画家が異なるスタイルでシュルレアリスムを表現しているのでぜひ一度見てみてください。
作品を鑑賞する際には、各画家の背景や歴史を調べることで、作品の意味を感じることができます。 自分に合った鑑賞方法を見つけるために、いろいろなやり方を試してみると良いでしょう。
まとめ
難しい!!!!!
シュルレアリスム圧倒的に難しいですね!!!!
しかし、今回の展示では初期から晩年までの作品を余すところなく紹介しています。
ぜひ、少しだけデ・キリコやシュルレアリスムについて知識を調べてから見に行ってみてはいかがでしょうか?
作品の見方が一変すると思いますよ!
「デ・キリコ展」は2024年4月27日(土)~8月29日(木)、東京都美術館にて開催です。