【火災・風水害】もし被害に遭ったら?被災後の生活を立て直す「被災者支援制度」について

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被災者になったら区から支援を

私たちの生活には、小さな危険がいつも身を潜めています。

キッチン、ストーブ、たばこをはじめ、日常の中に多くある要因から毎年多くの火災が発生しています。

また、自然災害の多い日本では、過去30年の中で年間26個ほどの台風が発生しており、全国各地に強風や大雨による被害をもたらしています。
集中豪雨による水害や土砂災害などの被害も後を絶ちません。

被災した際に気にかかるのが「生活の再建」。
住まいの被害はもちろん、失われた日常をどう立て直すか、金銭的な問題も立ちはだかります。

台東区では、災害救助法の適用に至らない、風水害または火災等の災害により区民が被害を受けたときに、さまざまな支援を行っています。

ここでは、被災した場合において受けられる、台東区の「被災者支援制度」の内容をまとめています。
被害に遭わないのが一番ですが、もしお住まいの地域で火災や風水害に遭った場合、その後の生活を含め、頭に入れておいてみて下さい。



消防署にて「り災証明書」を申請

「り災証明書」とは、被災した家屋の被害の程度を証明する書類のこと。
区が現地調査を行って発行するもので、台東区では住所地を管轄する各区民事務所・同分室・地区センターが窓口になります。
なお、火災による「り災証明書」は管轄の消防署(上野消防署、浅草消防署、日本堤消防署のいずれか)にて発行します。

「り災証明書」があれば、様々な支援制度に申請できます。


▼公的な生活再建支援
・被災者生活支援法
自然災害により、その生活基盤に著しい被害を受けた方々に、当面の生活資金を給付するとともに、住宅再建の方針が決まった時には、再建方法に応じた支援金を給付する制度です。

・住宅の応急修理制度
「災害救助法」適用区市町村が対象となり、大規模半壊・半壊と認定された住宅の応急修理に対する支給制度。

・災害弔慰金・災害障害見舞金
災害弔慰金:自然災害による死亡者・行方不明者の遺族に対して支給される弔慰金
災害障害見舞金:自然災害により重度の障がいを負った被災者に支給される見舞金

このほか、以下のような支援制度へも申請が可能です。
・保険金(民間)の受給申請
・被災者生活支援金の受給申請
・義援金の受給申請
・税金の減免申請
・国民健康保険料の減免申請
・被災者向けの融資申請
・仮設住宅への入居申請

災害弔慰金・災害障害見舞金・災害援護資金貸付について

▼災害弔慰金
→対象となる災害
・1区市町村の区域内において住家が5世帯以上滅失した災害 
・都道府県内において住居が5世帯以上滅失した区市町村が3以上ある場合の災害
・都道府県内において災害救助法が適用された区市町村が1以上ある場合の災害
・災害救助法が適用された区市町村をその区域内に含む都道府県が2以上ある場合の災害

→ご遺族の範囲
配偶者・子・父母・孫・祖父母
(ただし、これらのいずれもが存しない場合は、死亡した者の死亡当時その者と同居し、又は生計を同じくしていた兄弟姉妹に支給)

→支給額
生計維持者が死亡した場合  500万円
その他の者が死亡した場合  250万円


▼災害障害見舞金
→受給者
上記、対象となる災害により重度の障害(両目失明、要常時介護、両上肢ひじ関節以上切断等)を受けた者。

→支給額
生計維持者  250万円
その他の者  125万円


▼災害援護資金貸付
→所得制限
年間の所得が次の額未満の世帯に限ります。
・1人世帯:220万円
・2人世帯:430万円
・3人世帯:620万円
・4人世帯:730万円
・5人以上世帯:730万円に世帯人員が1人増えるごとに30万円を加算した額
(ただし、その世帯の住居が滅失した場合は1,270万円)

→貸付限度額
被害の程度により150万円から350万円以内

→償還期間
10年

→利率
保証人を立てる場合は無利子、保証人を立てない場合は年1%
据置期間3年間(特別な事情のある場合は5年間)は無利子

→償還方法
年賦、半年賦又は月賦

支援対象となるもの

台東区で行っている被災者支援制度には3種類があります。
自然災害により死亡した区民の遺族の方に支給される「災害弔慰金」、自然災害による負傷や、疾病にかかり、治ったときに、一定程度の障害を有する区民の方に支給される「災害障害見舞金」、そして都内において災害救助法が適用された災害により、負傷又は住居、家財に被害を受けた世帯に貸付する制度の「災害援護資金貸付」です。

それぞれ見ていきましょう。

もし、り災した場合、現金で弔慰金・見舞金、支給物として毛布が支給されます。災害の種類、そして被害の範囲などによって、金額が変わります。

・弔慰金
り災者のうち死亡した者の親族に対して、同一世帯1人につき50,000円、そして1人増すごとに30,000円が加算

・見舞金
1.火災(全焼)
普通世帯の場合、1世帯あたり30,000円
単身世帯の場合、1世帯あたり15,000円
 
2.火災(半焼、半焼以上)
普通世帯の場合、1世帯あたり15,000円
単身世帯の場合、1世帯あたり10,000円

3.床上浸水
普通世帯の場合、1世帯あたり30,000円
単身世帯の場合、1世帯あたり15,000円

4.床下浸水
普通世帯の場合、1世帯あたり10,000円
単身世帯の場合、1世帯あたり5,000円

5.重傷者
1人あたり10,000円

6.その他
前記のほか、区長が特に援助を必要とすると認めたとき

・見舞品(毛布の支給)

り災者に支給される場合
→火災による場合は住居の被害が半焼、半壊またはこれに準じて使用不能となったときに、1人について1枚が支給されます。

→風水害による場合は、住居の被害が半壊以上または浸水等により使用不能となったときに、1人について1枚が支給されます。

り災世帯の場合は、住居の被害が、前記の程度以下であって、特に援助を必要とすると認めたときに、1世帯について1枚です。

リンク先一覧

小規模災害時の支援について

災害弔慰金・災害障害見舞金・災害援護資金貸付

まとめ

私たちの周りでは、日常的に多くの火災が発生しています。また、隅田川に隣接しているこの台東区では、特に水害の危険性とも隣り合わせです。

被災した際には、住まいの被害はもちろん、金銭的な問題も立ちはだかります。失われた日常を取り戻すには、時間もかかるでしょう。
もし家が被害に遭ったら、まずは「り災証明書」を発行してもらいましょう。様々な被災者支援制度や給付金を受ける際、仮設住居への入居の際、火災保険や共済などの請求等を行う際など、さまざまな場面で役立ちます。

区より現地調査が行われますが、時間がかかり、調査より先に片付けや修理が終わる場合もあります。
このようなケースもあるので、被害を受けた場所の写真を撮っておくといいでしょう。損害の程度を証明する重要な資料にもなるので覚えておいて下さい。


写真を撮るポイント(政府広報オンラインより)は、以下の5点。
・家の外をなるべく4方向から撮る
・室内の被害の状況も分かるように撮る
・浸水した場合は浸水の深さも分かるように撮る
・システムキッチンや洗面台などの住宅設備、家電などの被害状況も撮っておく
・自動車、物置、農機具などの被害状況も撮っておく

自分の身はもちろん、家族、住まいを守るため日頃から災害に備えておき、その後の生活に慌てないようにしておきたいですね。

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ライター紹介

くまりら

インタビュアー、ライター

93年生。縁あって、前職では有名少年漫画作品の編集をいくつか担当。 歴史ロマンのあるもの、美味しい食べ物、韓国アイドル、エンタメが好き。
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