会員登録
ライター募集
615 view

食べる

谷中銀座にあるモンブランスイーツの専門店、和栗や。和栗のみを使用。作りたての爽やかな甘さの各種モンブランスイーツが人気。

\ この記事をシェア /

モンブランのスイーツを、
食べながら、
彼女は、いつも泣いていた。



まだスイーツという言葉が、珍しかったころ。彼女はすでにモンブランのスイーツが大好きだった。
カフェに行くと、だいたいモンブランのケーキを注文した。
目をクリッとさせながら、ケーキを頬張る顔には輝きがあった。彼女は、大学の後輩だ。
だが、いつからだろう。彼女がモンブランのスイーツを食べながら、泣くようになったのは。

友達の話によると、彼女はそのころ、恋をしていたらしい。
そして、彼との仲が気まずくなると、大好きなモンブランのスイーツを食べながら泣いていた、というのが僕の想像だ。

いま、僕は、谷中銀座のモンブランスイーツ・ショップ、和栗やに来ている。


白地の大きな暖簾が独特の風情を醸し出している和栗やは、和栗のみの味わい深いスイーツを提供するショップだ。大学の後輩の彼女を想い出したので、ふと、お店に来てみたのだ。


買って帰るモンブランケーキを一歩すすめて、食べに行くモンブランデザートを提案している、モンブランスイーツ専門店。



夕方、メインストリートの街路灯が仄かに灯るころ、お店を訪れたが、やわらかな気が満ちている店内はほぼ満席だった。



店頭でメニューをみて、モンブランデセルと和紅茶ラテのセットを注文した。

待つこと約5分。
テーブルに運ばれてきた、見た目も美しいモンブランデセルからは、フワッとした栗の香りの音が聴こえる感じがした。

搾りたてのモンブランの栗の香味が、僕のスイーツ欲をやさしく刺激した。
爽やかな栗の味をゆっくり舌で楽しみながら、クリーミーで和テイストの和紅茶ラテを少しずつ口へ運び、喉を癒した。
隣のテーブルでは、青色のギンガムチェックのシャツを着た男性が、対面の白のサマーセーターをラフに着こなしている女性と、モンブランの話で盛り上がっていた。



僕は、再び、モンブランのスイーツを食べながら、いつも泣いていた彼女の顔を想い出した。
彼女の恋はどうなったのだろう。彼女は、純粋そのものだった。その恋と、真剣に向き合っていたのだ。

その後、彼女と逢うことが少しずつ減っていき。そのまま、僕は、大学を卒業した。

彼女は、大好きだったモンブランのスイーツを、今でも食べているだろうか。今でも、ぜひ、食べていてほしいと、僕はこころから願った。
それも、微笑みながら、食べていてほしい、と。


モンブランのスイーツを食べ終わるころ、僕のこころの中では、泣いていた彼女の顔が少し微笑んでいた。


店名:和栗や
<営業時間>
11:00〜18:00(店内飲食 LO.17:30) 
※原料が無くなり次第終了
<休業日>
春期、秋期の繁忙期は休みなく営業、それ以外の季節は月曜日が定休日となります。
(夏・年末・年始)
<所在地>
東京都台東区谷中3-9-14(谷中銀座商店街内)
TEL:03-5834-2243
・JR「日暮里駅」徒歩5分
・千代田線「千駄木駅」徒歩3分
和栗や公式HP




谷中のおすすめ記事
▼谷中エリアのオシャレなカフェ・ギャラリー・レンタルスペースなどの最小文化複合施設「HAGISO」が魅力的で素敵

▼谷中の特集ページはこちら


\ この記事をシェア /

ライター紹介

おがさわらせいか

小笠原聖佳:フリーライター、コピーライター、インタビュアー、吟遊詩人

2月生まれ。血液型:A型。 青森生まれ、静岡育ち。東京23区内在住。 広告と言葉とインタビュー、音楽をこよなく愛する。 毎日広告デザイン賞・最高賞/毎日広告デザイン賞・奨励賞/日経広告賞・ 部門賞などを受賞。
おがさわらせいかの記事を見る

関連記事一覧

このライターの記事

【取材】苺スイーツの星、浅草苺座。看板メニューの苺スムージーは苺を16個も使用。苺座ガリ乙女は苺を凍らせて練乳をかけたもの
軽井沢の有名カフェが浅草に。エロイーズカフェ。アメリカの朝の顔と言われるエッグベネディクトは、ぜひ食べてみたい
浅草の雷門の近くにある、世界初の日本酒アイスのお店、SAKEICE
上野・御徒町にある人気の古着ショップMAGAZINES。ビンテージから古着まで、約2万3千着がお店で販売
浅草・甘味処、彩夏(さいか)
浅草にある唯一のベルギーチョコのスイーツショップ:スイーツスタジオ ベルノート
おがさわらせいかの記事を見る

  • お得な情報たくさんジェイコム
  • facebookTwitter
  • ランキング

    タグ一覧