箸で切れるやわらかさに驚く。上野の老舗とんかつ店「井泉本店」で味わう感動の一皿

上野・御徒町エリアには数多くの名店が軒を連ねていますが、その中でも“とんかつ”好きがこぞって名前を挙げるのが、昭和5年(1930年)創業の「井泉(いせん)本店」。
「お箸で切れるやわらかいとんかつ」で知られるこの名店は、90年以上の歴史を持ち、今も変わらず愛され続けている老舗です。
店があるのは、東京メトロ銀座線・上野広小路駅のA4出口から徒歩1分ほど。
湯島の落ち着いた街並みに溶け込むように佇む「井泉本店」は、一見すると格式高そうな雰囲気がありますが、中に入るとどこか懐かしい、温かみのある空間が広がります。
まるで昭和の空気がそのまま残っているような心地よさで、初めての人でも肩肘張らずにくつろげます。この記事では、そんな井泉の魅力を上野で生まれ育った生粋の地元民である筆者が、詳しく紹介します。
実食レポ!「ロース定食」で体感する“とんかつの極み”

今回筆者がいただいたのは「ロース定食(2,000円)」。
提供された瞬間、思わず目を見張るほどのボリューム感。そして、見るからに衣がサクサクと軽やかに仕上がっているのがわかります。
まず一口。
驚きました。
「本当に箸で切れる」――これは決して誇張ではありません。
ナイフもフォークも必要なし。やわらかさに全く抵抗がなく、スッと箸が入っていきます。しかも、とんかつの厚みはしっかりとあり、噛みしめた瞬間に肉汁と甘みがじゅわっと広がる。これほどまでにやわらかく、ジューシーで、肉厚なとんかつは、なかなか出会えません。
卓上にはソースも用意されています。ソースで食べるのももちろん美味ですが、筆者のおすすめは“塩”。
豚肉本来の旨味を最もストレートに引き出してくれるのが、この塩での食べ方です。一口ごとに旨味が引き立ち、食べ進める手が止まらなくなります。
“定食”の名脇役、無料でついてくる「豚汁」にも注目
定食のセットに無料でついてくる「豚汁」がまた絶品。
具材は大根、にんじん、こんにゃくなどがゴロゴロ入っており、まるで家庭で時間をかけて煮込んだかのようなやさしい味。
ほんのり甘みのある味噌の風味と豚肉のコクが絶妙で、これ単体で定食の価値をグッと底上げしてくれる存在です。
この豚汁は一度味わえば「また来たくなる」理由になるはず。メインのとんかつに引けを取らない、名脇役です。
私は、この豚汁を楽しみに井泉へと足を運んでいるようなものでもあります。
上野で“本物のとんかつ”を味わいたいなら、迷わず「井泉本店」へ
みんな大好きとんかつ。そしてそのとんかつの頂点を体感させてくれるのが「井泉本店」。
昭和から続く伝統の技が、現代でも色褪せることなく息づいており、その味は訪れるすべての人の心に残るはずです。
観光で上野を訪れた方はもちろん、近隣に勤めるビジネスパーソン、そしてとんかつにこだわりを持つ美食家までも満足させる一軒。
ぜひ一度、箸で切れるとんかつと、沁みわたる豚汁の定食を味わってみてください。
筆者は20年以上上野に暮らしており、何度も井泉に行っていますが、行くたびに初めて食べたときのような感動を覚えます。
あなたもきっと「こんなとんかつがあったのか」と感動することでしょう。
井泉本店(いせん ほんてん)
住所:〒113-0034 東京都文京区湯島3-40-3
アクセス:
東京メトロ銀座線「上野広小路駅」A4出口より徒歩約1分
JR「御徒町駅」北口より徒歩約5分
東京メトロ千代田線「湯島駅」より徒歩約5分
営業時間:
昼:11:30~15:00(L.O.)
夜:16:30~20:10(L.O.19:45)
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)
お支払い:現金のみ