浅草公会堂展示ホール|投扇興のつどいは4月6日(土)開催!江戸時代から続く伝統芸能の魅力

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みなさんこんにちは、とくらです。
今回は、投扇興のつどいについて、詳しく見ていきます。投扇興とは、台の上に蝶と呼ばれる銀杏形の的を立てて、そこに開いた扇を投げる江戸時代に始まった遊びとして知られています。落ちた的と扇の形を採点して、優劣を競います。

投扇興の成り立ち

投扇興とは、日本の伝統的な遊びのことで、扇子を使うのが特徴とされています。
「枕」と呼ばれる土台に「蝶」と呼ばれる的を立てて、蝶へ向けて扇子を投げます。そして、投げた扇子が落ちた時の蝶・枕・扇子の形によって、得点が与えられます。
投扇興は対戦型のゲームで、一対一で行われます。点数の付け方は流派によってルールが異なります。よく知られている例として、それぞれの銘に日本の古典文学にちなんだ名前がつけられた、源氏物語形式や百人一首形式の遊び方です。
蝶とは、銀杏の葉のような形をしているまとのことを指します。布張りで、両側に糸などで鈴を垂らしたものが多くなっています。
また、軸の下部には5円玉を数枚重ねた錘がついているのが一般的です。
市販されている蝶によって、大きさや重さに差がある場合があります。蝶の倒しやすさにも影響するため、投扇興の団体や大会に出場する際には、練習に適しているものをあらかじめ確認しておくことをお勧めします。
投扇興の原型となったのは、投壷(トウコ)という、中国は漢の時代の宮中の遊興です。
日本には奈良時代に入ってきました。その後久しく忘れられ、江戸時代に一度は再興しましたが、なかなかルールが難解で堅苦しいため、同じく江戸時代に、より簡単で日本風にアレンジされたという歴史があります。女子供、ちょっとお酒の入った皆様にも気軽にできる投扇興が京都にて発明されるとこれが大いに流行り、酒宴の席で盛んに行われるようになりました。

投扇興の着想は、木枕の上に蝶が止まっており、それを、扇を投げて追い払ったところ、扇が枕の上にうまい具合にとどまったことがきっかけとなったそうです。
これはこのまま投扇興の道具の形状に表現されています。こうした日常の何気ない光景から着想を得て、それを投壷の代替としての遊びに昇華し、なおかつ民衆の間で流行定着する様は、いかにも江戸時代のポップカルチャーの自由闊達さを表すよい例として知られています。

浅草においても投扇興は花柳界のお座敷などで盛んに行われており、浅草寺の境内でこれを行ったものが、よほどその盛り上がりぶりが目に余ったのか、江戸幕府より禁止されたという記録もあります。

投扇興のルール

簡単に言えば扇を投げるだけなのですが、ただ投げて蝶形を落とせばよいというものでもなく、扇と蝶形の位置関係の型により点数が定められています。当然再現の難易度の高いものは高得点になります。型には銘があり、源氏物語の54の巻の名がついています。

扇の投げ方にもいろいろとコツがあるようで、力を入れ過ぎても無駄です。枕に当てたり倒してしまったりすればペナルティもとられます。風を読み扇を優雅に操るのが達人です。
至って単純ですが、そこに無常や優雅さを感じ取るのも人次第です。
投扇興で遊ぶときは、まず2名の対戦車の中央に枕を設置して、その上に的となる蝶を置きます。この状態で的に向かって相互に扇子を投げて、銘の合計得点の高い人が勝ちとなります。
銘の中には、特典が入る形だけでなく、特典が入らずに無点となる形や、反対に減点となってしまう形もあります。
例えば、扇子が枕に当たる「コツリ」は、1点の減点です。扇子を投げる回数や点数の数え方は、流派によって異なります。銘の種類と点数は、各流派が公表している銘定表で確認することができます。また、市販の投扇興セットに銘定表が付属していることもあります。
投扇興は、扇子を使った日本の伝統的な遊びです。投げた扇子がふわりと飛び、鈴のついた的を倒す様子には、他には見ることができない趣を感じることができます。
投扇興はお屋敷遊びとしてのイメージが強いかもしれません。しかし、昨今では、伝統文化に興味をお持ちの方をはじめとし、再び投扇興が注目を浴び始めています。ルールも簡単で、誰でもすぐ理解できるため、老若男女問わず遊びを楽しむことができるのも魅力的です。

まとめ

今回は、投扇興について深掘りしていきました。
今回のイベントは、江戸時代から続く、伝統芸能の魅力をまさに現代風にアレンジしたものと言えるでしょう。普段伝統芸能に触れる機会があまりない方がほとんどなのではないかと思います。きっと幅広い世代に刺さるはず。
伝統芸能をより身近に感じてもらうために、工夫を加えて継承していくことが何よりも重要だという思いがイベントから伝わってきます。是非、足を運んでみてください。

浅草公会堂展示ホール
住所:東京都台東区浅草1丁目38−6
電話:03-3844-7491

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ライター紹介

とくらじゅん

イラストレーター・ライター

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。 妖怪イラスト、育児漫画、ADHDエッセイなどを書いています。
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