科博初の「性」がテーマの特別展「生きものたちの性」|10月31日から上野で開催

オスとメスがそっくりな生きもの、まったく別の姿をしている生きもの、成長の途中で性が変わる生きもの。
国立科学博物館(台東区・上野公園)で2026年10月31日(土)から、特別展「生きものたちの性」が開催されます。科博として初めて「性」をテーマにした展覧会で、生きものたちの多様な性のあり方とその仕組みに、科学の視点で迫ります。

特別展「生きものたちの性」とは?——性は“いのちの戦略”

本展のキャッチコピーは「なんでもあり!?生きものたちの『性』の世界」。私たちヒトにとってもっとも身近な性のかたちはオスとメスですが、自然界に目を向けると、その姿や仕組みは驚くほど多様です。本展では、生きものの「性」を形態、行動、性の決まり方、子育てといったさまざまな切り口から科学的に紐解き、全5章構成で紹介します。

特別展「生きものたちの性」展の見どころ

オス・メスの姿から性転換まで、常識をくつがえす全5章

第1章「性のすがた」では、身近な動物のオス・メスという分類から、境界があいまいなものまで多様な性のすがたをみていきます。ライオンやニホンジカの剥製、ソメイヨシノの花の断面なども登場します。

ライオン/剥製 上:メス下:オス
ソメイヨシノ花(断面)

第2章「性の形と行動」では、派手な羽で求愛するオオフウチョウや、歌や踊りでアピールする生きもの、異性をめぐる争い、さらには多種多様な生殖器や交尾の方法まで、映像・音声・標本で紹介します。

オオフウチョウ(オス)/剥製

第3章「性の決定・分化」では、「性は生まれたときに決まる」という思い込みがくつがえされます。カクレクマノミのように途中で性が変わる生きものや、温度や環境で性が決まる生きもの、さらに体内にオスとメスの細胞をあわせ持つ「ギナンドロモルフ」のカブトムシやチョウも。

カクレクマノミ
カブトムシ(ギナンドロモルフ)

第4章「性と子育て」ではクチヒロカイマンやチシマラッコの親子の剥製などを通して、生きものたちの多様な子育て戦略を紹介します。第5章ではオス、メスを必要としない無性生殖など「こんなのアリ!?」な繁殖方法を取り上げます。

クチヒロカイマン幼体(剥製)
チシマラッコ(メス・子ども)/剥製

アートの視点から「生きものの性」に迫る特別展示

科学の展示に加え、アートの視点から生きものの性に迫る特別展示も。コロンビア出身の現代美術家、マリア・フェルナンダ・カルドーゾによる映像作品《芸術の起源について I-II》(2016)が大画面で特別上映されます。オーストラリアに生息するピーコック・スパイダーの、色鮮やかな体を広げて踊るような求愛行動を捉えた作品で、小さな生命の美しさと、人間と自然との関係について問いかけます。

豪華コラボも!ラランドがアンバサダー&音声ガイドに。「はじめまして松尾です」「礼賛」も参加

本展のアンバサダーはお笑いコンビ・ラランドのサーヤさんとニシダさんが務めます。音声ガイドのナビゲーターも担当し、生きものたちの多様な性の世界をわかりやすく楽しく案内してくれます。

アンバサダー・ラランド

さらに、YouTube登録者数130万人超のアニメクリエイター「はじめまして松尾です」がコラボビジュアルと会場で上映される解説アニメーションを制作します。イメージソングは、サーヤさんがCLR名義でボーカルを務めるバンド「礼賛」が担当し、展覧会を盛り上げます。

特別展「生きものたちの性」×「はじめまして松尾です」コラボビジュアル
礼賛

展覧会を楽しむためのポイント

音声ガイドはラランドのナビゲートに加え、総合監修の堤千絵さんによるスペシャル解説も収録。会場での貸出(650円)のほか、アプリ版(800円)もあり、アプリ限定トラックも楽しめます。

チケットは2枚セットでお得なペアチケットや、科博の研究者が監修した全長120cmの「セミクジラBIGぬいぐるみ」付きチケット(数量限定)なども用意されています。公式ページでチェックしてみてください。
土日祝日は予約優先制です。公式サイトから無料で予約できるため、混雑を避けるためにも事前予約がおすすめです。本展のチケットで、同日に限り常設展示(地球館・日本館)もあわせて観覧できます。特別展とあわせてじっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。

※本展は「生きものの性」をテーマとしており、性的な表現が含まれます。内容を理解したうえでご来場ください。

楽しみながら、「性」を通して生きもの多様性を再発見する

オスとメスの違いから、性転換、子育て、無性生殖まで、生きものたちの「性」について知ることは、生命の進化や自然界の豊かさを再発見することにつながります。科博として初めて「性」に正面から向き合う、意欲的な特別展「生きものたちの性」。生きものたちの「性」の多様性から、その奥深い“いのちの戦略”にふれてみてはいかがでしょうか。

開催概要

展覧会名: 特別展「生きものたちの性」
会期: 2026年10月31日(土)〜 2027年2月21日(日)
会場: 国立科学博物館(東京・上野公園)
住所: 〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
開館時間: 9:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日: 毎週月曜日、11月4日(水)、11月24日(火)、12月28日(月)〜1月1日(金・祝)、1月12日(火) ※11月2日(月)、11月23日(月・祝)、1月11日(月・祝)、2月15日(月)は開館
料金: 一般・大学生 2,300円(前売2,100円)、小・中・高校生 600円(前売500円) ※未就学児無料。小学生以下は保護者同伴 ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料 ※土日祝日は日時指定予約(無料)推奨

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鶴丸 明

ライター

アートの仕事に10年以上携わりながら、台東区の美術館・博物館・ギャラリーを日常的に巡っています。アートを「詳しい人のためのもの」にとどめず、初めての方でも気軽に楽しめる見どころや鑑賞のポイントを紹介。上野・御徒町・浅草エリアを中心に、展覧会レビューや美術館、カフェ、本屋などをつなぐ街歩き情報を発信します。
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