福岡・渡辺通|あの隠れ家バーが15年ぶりに復活!「Bar giggle」で音楽と美食、温かな人情に酔いしれる夜
福岡の街でかつて多くの大人たちに愛され、惜しまれつつも幕を閉じた伝説の隠れ家バーがありました。
それから15年もの歳月を経て、2026年3月、満を持して復活を果たしたのが「Bar giggle」です。移転先に選んだのは、福岡市中央区渡辺通に立つ老舗ビル「サンセルコ」の地下1階。昭和の面影を残すディープな飲食店街の一角に、装いも新しく暖簾を掲げました。
かつての常連客はもちろん、新しくこの場所を見つけた大人たちが夜な夜な集う、居心地の良い場所。今回は、音楽と本格的な味わい、そして人の温もりが交差する「Bar giggle」の魅力をご紹介します。
肩書も年齢も超えて引き寄せられる。音楽と店主の人柄が紡ぐ温かな居場所
階段を降りて迷路のような飲食街の突き当りに、カウンターを中心としたこぢんまりと愛らしい空間が広がっています。店内の中心で目を引くのが大型の液晶モニター。邦楽・洋楽を問わず、年代もジャンルも越えた多彩な音楽と映像が常に流れています。
グラスを傾けながら青春時代のメロディーに心を馳せる人もいれば、最新のヒット曲に耳を傾ける人もいて、楽しみ方はまさに人それぞれです。
「Bar giggle」の何よりの魅力は、初対面のお客同士であっても、いつの間にか笑顔で言葉を交わし合える心地よい空気感にあります。その中心にいるのが、包容力とユーモアあふれる店主の内山真二さん。このマスターが作り出す気さくな雰囲気が、自然と場の緊張をほぐしてくれます。

「この曲知ってる! 懐かしいね。これが流行っていた頃、俺は中学生でね。当時はなかなかの男前で、このボーカルに似ているって言われとったんよ」と、少しお腹が出てきたお父さんが呟けば、「今の姿からはちょっと想像がつかないですね(笑)」と隣から和やかな笑い声が弾ける。そんな温かいやり取りが日常茶飯事のように繰り広げられています。
その一方では、好きな音楽のルーツについて深く語り合う姿も見られ、思いおもいの時間が流れています。ここでは会社の名前も肩書も一切関係ありません。ただ音楽と酒を愛する人々が集い、語り合って楽しむ、開かれた大人のサードプレイスなのです。
伝説の「ラザスパ」が奇跡の復活!乾き物にとどまらない本格フードの満足感
“バーの料理といえば乾き物”というイメージを鮮やかに覆してくれるのも、このお店の醍醐味です。
ドリンクはビールや焼酎、日本酒、ワインなど常時約30種類をラインナップ。黒板に書かれた定番以外にも、マスター厳選の「秘蔵の酒」が潜んでいることもあるため、気になった方はぜひ気軽に尋ねてみてください。

そして特筆すべきは、マスターがお手製で振る舞う本格的なフードメニューの数々。毎日日替わりで登場する「今日の一品」には、旨みが凝縮された「ぎんだらみりん(1,100円)」や、新鮮な「馬刺(2,200円)」、「地鶏のたたき(990円)」など、専門店顔負けの逸品がずらりと並びます。


約20種類揃うグランドメニューの中でも、筆者が思わず膝を打ったのが名物の「ラザスパ(1,100円)」です。スパゲティの上にサルサをベースにした自家製ミートソースをのせ、たっぷりのとろけるチーズをかけてオーブンで香ばしく焼き上げた、至高の一品。


ほんのりピリ辛のサルサソースと、チーズのマイルドな風味が口の中で見事に調和する奥深い味わいで、お腹を空かせてガッツリ食べたい夜、無性に体が欲してしまう魅惑の一皿です。旧店舗時代から親しまれていた人気メニューだけに、時折恋しくなっていたあの味に再び出会えた喜びには、深い感慨を覚えます。
このほか、さっぱりといただける「サラダうどん(880円)」や、甘辛い風味が癖になる「チリチーズオムレツ(770円)」といった復活メニューも健在。さらに、「柳橋連合市場・高松のかまぼこ屋のさつま揚げ2種盛り(550円)」や「雲仙ハム(880円)」など、九州ならではのおつまみも網羅されており、お酒が進むこと間違いありません。
「博多の台所」の恵みを添えて。主体はあくまで音楽とお酒、そして人の輪
休業期間中も料理の探求を怠らず、一層腕を磨き続けてきた内山マスター。今では鮮魚を自在にさばくほどの腕前を誇ります。
店舗があるサンセルコは、博多の台所・柳橋連合市場のすぐ近く。この恵まれた立地を生かし、ご要望があれば市場から直接仕入れる旬の鮮魚を楽しめる「おまかせコース(6品・2時間の飲み放題付きで一人 4,400円 ※2〜4名で3日前までの要予約)」という驚きのサービスメニューも新登場しました。物価高の現代において飲み放題付きでこの価格設定はまさに破格と言えます。

しかし、マスターにとってこのコース料理はあくまで足を運んでくれた方へのサービス精神のあらわれ。お店のメインにしたいのは豪華な料理ではなく、どこまでも音楽とお酒、そして小腹を満たす手作りの料理を囲んだ温かな時間です。
肩肘を張らずマイペースに、集まったみんなで楽しいひとときを分かち合う。そんな飾らないカジュアルさこそが、「Bar giggle」の変わらない本質なのです。
まとめ

音楽を愛し、美味しいお酒を嗜み、手作りの料理に舌鼓を打ちながら、心地よい会話に花を咲かせる。「Bar giggle」は、今泉時代の良さをそのままに、さらに味わい深さを増して福岡の夜に帰ってきました。
昔からのファンにとってはまさに“帰ってきた大切な居場所”であり、新しくサンセルコ地下でこの扉を開く人にとっては“日常をリセットできる新しい隠れ家”になってくれるに違いありません。
一日の終わりにふと立ち止まり、心をほぐしたくなったとき。ぜひサンセルコの地下へ続く階段を降りてみてください。心地よい音楽とマスターの温かい笑顔、そして美味しいお酒と料理たちが、あなたの夜を優しく包み込んでくれるはずです。
Bar giggle(バー ギグル)
住所: 福岡県福岡市中央区渡辺通1-1-1 サンセルコ地下1階
営業時間: 17:00~24:00
定休日: 不定休
アクセス:地下鉄七隈線「渡辺通駅」から徒歩約3〜4分

名原 和見
ライター

