上野|あの聖徳太子が彫った像!?日本三大摩利支天の一つアメ横の摩利支天徳大寺

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こんにちは、とくらです。

実は、仏教にも守護神が存在しているのはご存じですか?

仏と神というのは何か相いれない存在のように感じていたのですが、インドの古来の神様が仏教に取り入れられたものだそうです。

梵天や帝釈天、吉祥天、弁才天、や鬼子母神などの神様は仏教の守護神だそう。

衆生が生死流転する六道のうちの最上部にある世界、天界に住まうのがこの神々。

表現は正しくなさそうですが、何だかものすごく偉い気がする…!

ということで、今回は天部の神様の一柱「摩利支天」をご本尊とする上野の「大徳寺」についてご紹介します。

摩利支天徳大寺

摩利支天徳大寺は、台東区上野にあるお寺です。

江戸時初めの寛永年間に慈光院日遣上人によって創建されました。

日本三大摩利支天の一つで、下谷広小路(現在の上野広小路)にあったことから下谷摩利支天とも呼ばれています。

このお寺の特徴は何と言ってもそのご本尊。

徳大寺の摩利支天像は、江戸時代の中期に神仏のお告げがあったとされる像で、1708年(宝永5年)に安置されました。

1815年に発行された『摩利支天略縁起』によれば、聖徳太子が手づから彫った像であると言われているとのこと。

現在では伝説上の人物とされている聖徳太子ですが、さすがに多才すぎでは…

その御姿は猪の上に立ち勇猛な表情で剣を携えています。

聖徳太子の御手彫りと考えると一層ありがたいような気がしてきますね。

何とこの摩利支天像は関東大震災、東京大空襲などの災厄からも逃れ現在にいたるという正に災厄を除ける力を感じる像。

なんともご利益のありそうな神様ですね…!

摩利支天像が安置された後は江戸にとどまらず、全国から参拝者が訪れるようになります。

明治時代に入ると、毎月亥の日の御縁日に摩利支天横丁を中心に多くの露店が立ち並びにぎわうように。

御縁日とされている亥の日は、9月は2日・14日・26日、10月は8日・20日となっています。

この日に参詣すれば特別な御利益があるとされているため、ぜひ亥の日に訪れたいものです。

住所:東京都台東区上野4-6-2 アクセス:

山手線・京浜東北線 御徒町駅 徒歩2分

東京メトロ銀座線 上野広小路駅 徒歩2分

都営大江戸線 上野御徒町駅 徒歩2分

日本三大摩利支天

日本三大摩利支天とは、上野の摩利支天徳大寺、金沢市の宝泉寺、そして京都・禅居庵の3つを指します。

摩利支天とは、仏教の守護神で、「気力・体力・財力」を与えてくださり、「開運・招福・厄除」など非常に霊験のあらたかな神様です。

陽炎、太陽の光、月の光を意味する「マリーチ」が「摩利支」となり、これを神格化したものだそう。

その姿は、猪の背に立っていることが多く、元来は二臂の女神像。

しかし、後には男神として作られることもあり、三面六臂や三面八臂で月と猪に乗る姿なども見られます。

徳大寺の摩利支天像ではお顔が一つで猪の上の立像ですね。

日本では、護身や蓄財などの神様として中世以降に信仰されるようになり、多くの武将も進行していた神様として知られています。

「オン アニチ マリシエイ ソワカ」

という真言を唱えて戦場に臨むと災厄を逃れ、敵から身を隠すと信じられていたとか。

これは、帝釈天と阿修羅が戦った際に、摩利支天は姿を隠して帝釈天に加勢し勝利したエピソードにあやかったものだそうです。

陽炎はゆらゆらと揺らめき、ふっと消えてしまう、触れることができないというイメージから「身を隠す」ことにつながったのかもしれませんね。

この「身を隠す」という逸話から忍者からの信仰も篤いそう。

忍者が信仰する神様がいたんですね…!

宝泉寺

ご本尊は秘仏とされており、その御姿を見ることはできません。

また、イメージキャラクターの「まりちゃん」が可愛らしいのでぜひ公式サイトから確認してみてください。

住所:石川県金沢市子来町57

アクセス:JR金沢駅からタクシー

摩利支天大祭:5月16日、10月16日

禅居庵

こちらも摩利支天は秘仏とされており、禅居庵の摩利支天は七頭の猪の上に座している御姿です。

住所:京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町146

アクセス:

京阪電鉄 京阪本線「祇園四条駅」より 徒歩 約7分

阪急電鉄 阪急京都線「河原町駅」より 徒歩 約10分

参拝時間:午前10時~午後5時 年中無休 参拝自由

ご開帳大祭:10月20日(金)

まとめ

女神として少女が猪にまたがる姿で描かれたり、男神として描かれたりと、要素は少しずつ同じでも造形が全く異なってくるのがなんだかおもしろいですよね。

猪の数が多かったり少なかったりというのも何かその像を作った人のイメージやその当時の信仰のの変化があったりしたのでしょうか。

妖怪や神様の二次創作的な部分はまったく興味深く、たくさんの摩利支天像を見てみたくなりました。

徳大寺の御縁日は近いところでは9月2日・14日・26日、10月8日・20日。

ぜひこの日に訪れてみてはいかがでしょうか?

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ライター紹介

とくらじゅん

イラストレーター・ライター

1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。 妖怪イラスト、育児漫画、ADHDエッセイなどを書いています。
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