浅草・花川戸で出会う異空間バー『あたりめ』|ネオン煌めくアート空間で、自家製チャイを味わう

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浅草の中でも、少し落ち着いた花川戸エリアに佇むバー『あたりめ』。
一歩足を踏み入れた瞬間、まるで花魁の部屋にタイムスリップしたかのような非日常空間なここは、カウンターの向こうでは、笑顔が印象的なママ・浅見千晴さんが明るい声で出迎えてくれます。
ネオンが灯り、個性あふれるオブジェが並ぶ空間は、アートバーと呼びたくなるほどの美しさ。
今回は、クリエイターの海老澤はるなさんがこのユニークなお店を訪れ、実際に体験した取材の様子をレポートします。

浅草・花川戸にたたずむアート空間『あたりめ』

『あたりめ』が現在の場所に移転したのは2024年の秋。以前は浅草雷門にあり、より落ち着いた雰囲気の花川戸へと拠点を移しました。言問通り沿いにある『あたりめ』は、日頃から観光客や外国人の方が訪れ、賑わいをみせています。

店内に入ってまず目を奪われるのが、独特な内装。コンセプトは「吉原の花魁の部屋」であり、壁や天井にはネオンアートが施され、どこを見てもフォトジェニックな空間が広がっています。ドラゴンボールや初音ミクといった日本のポップカルチャーを象徴するアイテムがさりげなく飾られており、まるで異国の文化が交差しています。

この空間に惹かれて訪れる人も多く、店内のすみずみにまで、ママの美的センスと遊び心が息づいています。

思わず写真を撮りたくなる世界観

今回訪れた海老澤はるなさんも、入店してすぐにスマホを手に取り、店内の様子を写真に収めていました。ネオンの光とオブジェの数々が織りなす空間は、いわゆる“映える”スポットとしても話題。はるなさんも、自身のSNSに店内の様子を投稿していました。実際にSNSを通じてこの店を知り、訪れるお客さんもいるそうです。

壁の一面に飾られたアニメグッズや、花魁をモチーフにした装飾が並ぶ中で撮る一枚は、まさに日本の“粋”を表現した一瞬。まるで現代と江戸、そしてサブカルチャーが交差する不思議な空間で、特別な時間が流れます。

外国人観光客も虜に

『あたりめ』では、訪れる客の半分が外国人観光客だといいます。ネオンアートやアニメグッズが外国人観光客の目を引き、注目されている人気店です。

「日本で一番のスポットだった」と語る観光客も少なくなく、日本の伝統と現代文化が混ざり合うユニークな体験ができる場所として知られているそうです。

外国人客に人気なのは、初音ミクやドラゴンボールといったアニメ関連のグッズ。「ここで写真を撮ってSNSにアップしたい」という声も多く、店内には英語メニューや通じやすい対応も整っており、多様なニーズに応えるホスピタリティも魅力です。

看板メニューは“自家製チャイ”

アート空間に驚かされる『あたりめ』ですが、ドリンクやフードも個性的なラインナップがそろっています。

看板ドリンクは、ママが一から手作りする自家製のチャイ。スパイスの香りがふわっと広がる本格的な味わい。お酒を楽しみたい方は、ラム酒を加えて提供されるチャイも人気です。甘さと香り、そしてお酒のまろやかさが絶妙にマッチした一杯。

今回の取材では、もうひとつの人気メニューである「電気ブランハイボール」をいただきました。浅草ならではの電気ブランに、フルーツ果汁を加えたさっぱりとした飲み口のアルコール。フルーティーな香りが口に広がり、女性にも飲みやすい一杯です。

フードの看板メニューには、「牛すじ煮込み」と「たこせん」があります。中でもたこせんは、たこ焼きをパリパリのせんべいで挟んだ屋台風メニューで、どこか懐かしさを感じる味わい。お酒のお供にも、小腹満たしにもぴったりです。

ママ・浅見千晴さんの歩み

『あたりめ』の店主である浅見千晴さんは、笑顔と明るい声で店を包み込むような存在。インテリアやドリンク、細部に至るまでのこだわりは、すべてママ・千晴さんの感性によるものです。
ママ・千晴さんは、飲食業のキャリアも多彩。板橋のスナックに始まり、北海道で移動販売たこ焼き屋、神田や銀座のバーでの経験を経て、2021年に浅草雷門で『あたりめ』を開店。2024年には、現在の花川戸に移転し、さらに進化したお店をつくり上げました。
千晴さんの個性あふれる世界観は、ドラマや映画のロケ地にも選ばれるほどであり、実際に訪れた制作スタッフから「この空間、すごいね」と声をかけられることもあるそうです。どこか懐かしく、どこか新しい。そんな空間で楽しむお酒は格別な味わいです。

最後に|浅草で出会える“もうひとつの日本”

浅草といえば、雷門や仲見世通りといった観光スポットを思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、そのすぐ近くの花川戸エリアに、これほどまでに個性と魅力にあふれた場所があることを、今回の取材であらためて実感しました。

『あたりめ』は、観光の延長ではなく、もう一歩深く“日本の今”を感じたい人にこそ訪れてほしいお店。浅草の中にある、もうひとつの浅草。『あたりめ』でしか味わえないハイブリッドな時間を、ぜひ体感してみてください。

あたりめ(Atarime)浅草 カフェ&バー
住所:東京都台東区花川戸2-17-7
電話番号:070-3361-0123
営業時間:【火~金曜日】16:00~24:00
【土・日・祝日】12:00〜24:00
【日曜日】14:00〜22:00
休業日:月曜日(祝日は営業)

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ライター紹介

73kg

フリーライター

うん十数年。台東区に生まれ育ち、今もなお住み続けている大好きな街。 昔から散歩が趣味で、音楽を聴きながら、いろいろな場所をただふらふら歩く。あの坂から見るきれいな夕焼け、横をふと振り向くと懐かしい気持ちにさせるまがり角、どこまでも散策したくなる街、台東区。 そんな下町っ子の私が、おすすめのスポットやカルチャーなど台東区の魅力をご紹介します。
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